亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

リチャード・メドレーねぇ。。

2010年10月21日 23時55分40秒 | 金融市場の話題

いまやルーティーンのような感じで皆チエックするようになった米週間ベースの失業保険申請件数。本日発表文の先週の数字は改定された前週47万5000件からは2万3000件減って45万2000件となった。予想は45万5000件で波乱なし。

 

昨夜というか日本時間の今朝発表分で注目のベージュブック(米地区連銀経済報告書)は、経済活動は緩やかなペースではあるが、全体として前回9月の報告よりも上向いているというものだった。7、8月に懸念された失速懸念は薄らいだ。ただし比較上悪くないということだが、市場の受け止め方は、「経済は成長しているが、そのペースは加速していない」しインフレ率も妥当とする1%台後半を大きく下回る0.9%(コア指数)。したがって今回の追加緩和の要件はそろっているとの判断となっている。

ならばドルは売りで金は買いとなったが、それを後押ししたのが為替や金融市場全般の判断で一目置かれている存在の金融コンサルティング「メドレー・グローバル・アドバイザーズ」のレポートだった。

 

かつてリチャード・メドレーというとソロス・ファンドの戦略担当で司令塔のような存在で、最近引退したスタンレー・ドラッケンミラーと双璧という感じだったと思う。独立して作ったのが「メドレー・グローバル・アドバイザーズ」で、その発言内容が以前は何度も市場を動かす要因となっていた。昨夜流れた内容は、FRBは「インフレ期待を押し上げ、インフレと成長に関する両方の目標を段階的に達成するため、大規模な国債追加買い入れ実施について賛成多数で合意に至るだろう」というものだった。金額の規模も5000億ドルからそれ以上になるとしている。ただし今後6ヵ月の間でということだった。

 

結局、この話に乗る形でドルは再び売られユーロ急騰、金も戻り足を速めるということとなった。一言で5000億ドルと言うのだが、足元のFRBの資産規模は2兆2900億ドルほどなので20%に当たる。このばら撒き策が、どのような効果を発揮するのかについては、未だFRB内部でも意見が割れており意見調整に時間を要する可能性がある。

 


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