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・・・・・では、本日の本文
NY市場の金価格は上値を抑えられながらの3日続伸。ここにきて米注目経済指標に強気の内容が見られる中で、1260~1290ドルの従来感覚からすると高値圏を維持。月初にCFTC(米商品先物取引委員会)が1986年1月からデータ発表を始めて以来過去最高を記録したネット・ロング(買い越し量、オプションを除く)は、ほぼそのまま維持された状態にある。重量換算でネット800トンを超える規模を抱えた市場環境ゆえに、上昇基調を高めると常に利益確定の売りに見舞われる状況が続いている。あまりに買いに偏った状態自体が警戒され、反落というのが過去のパターンといえるが、ここまでのところそうした目立った下げ局面は見られないまま2週間が経過した。
細かなところまで書くなら、実はネットロングの800トン超の中身が以前とは異なる。
グロスのロングが1000トンを超えている。これは驚きの数字。・・・ということは、200トンを超えるショート(売り建て)が存在するわけで、言うまでもなくロングの多さは先高期待の強さを表すが、高値圏でショートがこれだけ存在するのも珍しい。
その一方で、足元でETFの増加が勢いを増している。年始から増えた金ETFだが、最大銘柄SPDR(スパイダー)で見て2月は108トンと記録的な増加となったが、しれに次ぐのが3月の42トンだった。4月はむしろ15トン程減った。これで一段落か・・・・という印象だったが、5月に入り先物市場でロングの記録的な膨らみを警戒することなく増えており、17日までで約52トンの増加となっている。
先週取り上げたWGCの需要統計からもわかるようにインドや中国の実需は様子見に回っており、手を出していない。久々の欧米投資マネー主導の展開であるのは、今週明らかになった懐かしい名前のヘッジファンドが金市場に再び入ってきていることからもわかる。
今夜というか明朝3時に4月のFOMC議事録が公表される。ここにきて複数の地区連銀総裁から利上げに前向きな発言が出ていることから、金の場合、その内容に対する市場の反応の程度を見てどれほどの織り込み具合なのか計れるか否か。。。