今週のイベント

コップに半分の水を「もう半分しかない」と見るのか「まだ半分もある」と見るのか。またサッカーとは「手を使っちゃいけない不自由なスポーツ」と見るか「手以外どこを使ってもいい自由なスポーツ」と見るか。いつもながら昨夜のバーナンキ議会証言は、そんなことを考えさせられるものだった。一般的には、インフレも気になるが景気の先行きもピークアウトしているので、状況を見ながら慎重に判断する、というもの。つまり、どの様にも取れる内容。インフレ見通しが高まればさらに引き締めるし、景気の悪化には（ここまで17回もの利上げで“引下げ”という）政策余地は十分あるので機敏に対応できるというもの。ただ、この人は年始まで米国景気の先行きに自信を持っていたので（その見通しのトーンはここに来て下がり気味）、昨夜は「インフレは警戒しているが、景気の減速がインフレを抑制する」という件（くだり）に市場は反応した。景気の減速の方をより心配していると。したがって引締め策は後退したと。

考えてみると（みなくとも？）、インフレと景気減速の両方を見るというのも、下手をすると利上げが効き過ぎて（減速ならまだプラス成長だからいいが）失速して、おまけに原油その他の上昇で心理的効果も手伝ってインフレが昂進するという「スタグフレーション」が怖いわけ。景気後退とインフレの混在の可能性は、いまは楽観視されているが無いとは言い切れない。だから利上げ打ち止め観測だと、諸手を上げて喜んではいられないということ。こうした予見を与えながら事態は進んでいるんだが、結果的に見通しが誤りだったということが重なると、新議長の信任は落ちる。はっきり言って誰がやっても同じような状況に立たされていたというわけ。グリーンスパン時代は例外的な期間であって、過去中銀の政策も、それほどうまくは行っていなかったんだという指摘が出そう。

金市場は、地政学的リスクの３連発（北朝鮮、インド鉄道テロ、レバノン）も時間の経過とともに織り込んで失速。680ドル手前まで行ったのがストレッチだった（空白期間を置いて今頃書くと“後講釈”と言われるんだろうねぇ）。今は8月末に向けて三角保合い形成中ゆえに、その途中の出来事と捉えている。そのうち振幅（ボラティリティ）も落ちてくるんじゃないかなと。

3日ばかり関西方面にいて、昨夜は幸運にも雨をすり抜けて、甲子園でジャイアンツ戦を見ることができた。実は月初には（予期せぬ展開で）ドームの阪神戦に誘ってもらうということがあり、その時は、Ｇ軍の内海の（稀に見る）好投で試合が終わったのが20時20分だった。その時の結果はトラの負け。それからＧ軍は8連敗だか9連敗だかしたと思うが（違っていたらゴメン）、昨夜は逆バージョンで試合が終わったのが20時15分前後。1対０で福原が好投。まぁＧ軍のピッチャーが上原だったので展開は早いとは思ったけど、ここまで早いのもねぇ。はっきりいって、勝ったからいいようなものの甲子園まで来てるんだから、もっと打って盛り上げてくれ～～～という感じだった。「通」は、投手戦が面白いというが、球場に足を運んでいると乱打戦がエエわ