報道にあるように先週末の為替市場はユーロが存在感をさらに高めて終わった。ユーロ・ドルは2004年12月30日の過去最高値1.3670ドルを更新。ユーロ・円も連日の高値更新で163円台。ユーロ新値更新を後押ししたのは発表された米1-3月期GDP(経済成長)が市場予想の1.8%成長に対し1.3%にとどまったこと。前期(06年10-12月期)が2.5%成長だったので速報値とはいえ減速は明らかで、イラク開戦前の03年1-3月期以来(+1.2%)の低水準に。かたやユーロ圏の好調は続いており、こちらはECB(欧州中銀)の6月の利上げが確実視されており米欧間の金利差縮小観測からユーロが買われたというもの。米国経済の減速は以前から指摘されてきたので、とりわけてサプライズというわけではない。落ち込みの主因が住宅投資(-17%)というのも予想の範囲といえる。それでも個人消費が+3.8%となったのはやや意外性があった。このあたりは米国経済の“厚み”といったところか。注目はインフレ率を意味するGDPデフレーターが+4%となったこと。これは予想外。原油高からガソリン価格などが上がっていたが前期の+1.6%は言うに及ばず、91年1-3月期の+4.8%以来の数値となった。金融政策上は景気の減速そして後退阻止から方向としては利下げを視野にということになるが、これだけ物価が強張っているとそうもいくまい。
市場心理というコントロールの難しいものと対峙しながら、実体経済を見極めて適切な政策を打つ必要という環境にバーナンキFRBは置かれているというわけだ。これも今に始まったわけではないが、その中で米国景気が意外な粘り腰を続けてこられたのは、ユーロ圏を中心にした欧州や過熱気味の中国にサポートされた結果ともいえる。ところで今回のGDPの結果を受けた米国内エコノミストの反応は、1-3月期が景気の底というものが多いとされる。逆にNYダウは新高値を更新中。
やはり調整局面入りした金価格も週末は反発。欧州系中銀のまとまった売りをこなしながらの展開。
市場心理というコントロールの難しいものと対峙しながら、実体経済を見極めて適切な政策を打つ必要という環境にバーナンキFRBは置かれているというわけだ。これも今に始まったわけではないが、その中で米国景気が意外な粘り腰を続けてこられたのは、ユーロ圏を中心にした欧州や過熱気味の中国にサポートされた結果ともいえる。ところで今回のGDPの結果を受けた米国内エコノミストの反応は、1-3月期が景気の底というものが多いとされる。逆にNYダウは新高値を更新中。
やはり調整局面入りした金価格も週末は反発。欧州系中銀のまとまった売りをこなしながらの展開。
サブプライム問題ですが、問題顕在化が遅れれば、金融工学の進歩かもと思います。ローン債権も一対一であればリスクも高いのですが、複数まとめてポートフォリオ化すればいくつかの債権が劣化してもそれ以外の債権が支えれば影響も少なくなるため安定性が増します。そんな訳で、こんな商品もあります。市場がある程度の厚みを有するなら、相場の急落を防げる可能性もありますね。しかし、サブプライム問題がこれで消化できれば、どんな問題も処理できてしまうのではとも思えて不気味です。ただ、ババ抜きの道具と使って欲しくないしいくら低金利に泣かされているとはいえ、アルゼンチン債に懲りた日本の金融界がババを見抜く目を持っていると思いたいです。
http://www.nomura.co.jp/terms/english/c/clo.html