亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ジワジワと下げるドル

2007年05月01日 18時57分26秒 | 金市場
取材で電話をもらったフリーのライターN氏と話していて、改めてユーロ・ドルの動きを考えてみた。先週末の米1-3月期GDP速報値が示したように米国は景気が減速傾向にある。良くいえば「ソフトランディング」に向かっているということだが、片方でインフレ懸念も消えるどころか今回のGDPデータでは(物価上昇を示すGDPデフレーターは)プラス4%という数値で16年ぶりの高水準となった。「景気の減速(金利据え置きあるいは引き下げバイアス)」も「インフレ懸念の高まり」も今の環境下ではドル安材料となるもの。それでユーロがジワジワとドルに対して水準を切り上げているのはご存じのとおり。問題は、この“ジワジワ”という展開。静かな上げだけに、いよいよもってドルの足元が浸食されているイメージが強いと。ドルの急落ならば急反発もあり、投資マネーの動きにより相場が増幅されているということで、経済実態との乖(カイ)離を思わせ、むしろ安心感(というと語弊がありそうだが)があると。結局、いつまでも“ジワジワ”というわけにもいかないのではないか。動きの早まる時が来るのではないかと思うわけ。これを金価格に焼き直すと、そのタイミングで732ドルは越えるというシナリオが描けるわけだ。ただし、そうなるとその後の急反落も避けられなくなる。

足元は先週末のNYコメックスで673.8ドルまで売られたところで反転し681.8ドルと切り返した。一応75ドル割れのところには、ここまでの上昇過程でも買いが入っていたので、そこまで落ちたところで反発。4月17日のBloombergTVでは下値を675ドル、その次を650ドルとしたのだが、それはもっぱら実需の買い引き合いゾーンを考え、そこにテクニカルを被せたもの。いまはその675ドルを試している最中。

9連戦を3連敗で始めてしまった虎は、4月は結局負け越し。「打てまへんなぁ~~」・・・・否、初回から「よぉ、打たれまんなぁ~~」。その両方。上位がみな落ちてきているので、面白いといえば面白いのだけれど。。早くも5月。

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1 コメント

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三角合併とドル円 (いつも拝見しております)
2007-05-02 01:01:57
お疲れさまです。

5月に入って、いきなり外国人の寄りつき前売買動向が大幅買い越しとなりました。
三角合併については調べれば調べるほどきな臭く感じます。ドルの動きも何か新しい材料があってドル需要が高まったようにも思える動きかもと思いますが・・・「金」も含め、下げそうで下げない理由もこのあたりなのかもと後で振り返りたくありません。出来れば多少調整して欲しいですね。特にダウやS&P500あたりに・・・
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