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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ついに関心の対象となったユーロ圏

2014年10月11日 00時03分34秒 | 金市場
昨日は1日空いてしまった。夜までいろいろあって、珍しく余力なし状態で更新できず。早朝から起きていたもので、眠気の方が勝ってしまった。

発表されたFOMC議事録は、ユーロ圏への懸念を示しドル高の影響に言及と、7月までの内容に違った要素が加わったものとなっていた。この点でサプライズと言えた。米国企業といえど大企業は=多国籍企業であって、欧州の不振は全体の業績に影響するもの。一蓮托生経済の中では影響は避けられない。だからユーロ圏の見通しについて楽観論の後退とともに、ユーロ安ドル高の動きが沸き起こった。

こうした中でFRBの内部から高官の意見表明が続いているが、一昨日ここでも取り上げたように意見が割れている。それぞれの発言は、百家争鳴ということなんだろうが、こうした状況が続くようだと市場を不安定にする要因に転じるのだろう。

昨日は、ドイツの4つの主要経済研究所が同国経済がリセッション(景気後退)の瀬戸際にあるとの合同見通しを出すということがあった。一昨日のここでWSJのインタビューに応えたドイツ連銀のバイトマン総裁の発言を取りあげた。ECBによる量的緩和策、すなわち国債買取り真っ向から反対する意見は、先行きの難しさを表すに十分だった。思い起こせばドラギECB総裁が8月下旬のジャクソンホールでユーロ圏諸国での財政出動の必要性を説くという一幕があった。9日には、ユーロ圏のデフレを回避するために、資産購入の規模や編成を必要に応じて変更する用意があるとし、国債購入を検討していることを明らかにした。ユーロ圏の経済成長が減速しつつある兆候が見られるとし、インフレ率を現在の「過度に低い」水準から押し上げなくてはならないとも発言した。

一方のバイトマン総裁にとっては、過剰流動の元になりそうな、こうした超開放的な政策はそもそもあり得ないものだろう。ドラギ総裁はこれから「デフレ阻止のためには何でする」方針だが、ECB内部での意見対立が表沙汰になるか、それとも多数派と見られる緩和策推進組がドイツなどを抑え込むか・・、その結果が今まで以上に影響力を増している。まさに市場の関心が集まっているわけで、FOMC議事録は今に始まったわけではないユーロ圏の不振に関心を向けさせる転機となったということだろう。

当然ながら為替市場ではドル高ユーロ安の動きにつながるのだが、NY株が大きく売られたように、金市場にとっては金売りの前提条件だったドル高ではあるものの、企業業績の見通しへの不透明感の高まりや政策判断が国内情勢だけではなくなった現状に対する警戒が、ファンドのショート・カバーを促す要因となっている。


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