亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

果たしてスイスは金を買い戻すのか?

2014年10月27日 23時29分51秒 | 金市場
スイスの金に関連した国民投票が話題になり始めている。スイスの右派政党、「スイス国民党」がこの夏前に署名活動を行い10万名以上を集め申請し、スイス政府が7月2日に国民投票の実施を告知していたもので11月30日に投票が行われる予定になっている。

“Save our Swiss Gold”が合言葉で、中央銀行であるSNB(Swiss National Bank スイス国立銀行)によるこれ以上の金売却を禁止することをはじめ、スイス国外に預けてある金を国内に移すこと。これはドイツなども進めているもの。最後に、この部分が金市場の最大関心事だが、SNBの総資産の20%を金で保有することを求めている。まぁ、かつてのスイスは25%を金で保有する取り決めがあったが、1990年代末に全米ユダヤ人協会からのプレッシャーで、それを国民投票を経たうえで取り止め、その後5年の歳月を掛けて金売却を進めた経緯がある。

その金を取り戻そう・・・というと誤解を招くので、買い戻そうというキャンペーンを張っているわけだ。為替市場の関係者に言わせると、投票日の直前になり俄かに国際的な関心事になったスコットランド独立問題の(こちらは)住民投票のように、今回の国民投票も直前になって騒がれるのではと見られて来た。要は、成立はしないでしょ、するわけないよね!・・・が、もしかしたらというモメンタムを持ったことによるが、今回のスイスの金騒動もその可能性があるわけだ。

もう少し先になってここに書こうと思っていたが、ロイターが世論調査で“Yes”が44%になったと報じたのを見たので、繰り上げて書くことに。44%はチト意外で、ECBが資産買い取り策だとか何とか言い始めている折でもあり、スイス国民の通貨に対する意識も高まっているのかも。ちなみに今のSNBの金の比率は7.5%に過ぎない。このところ為替介入を繰り返してきたもんなぁ・・。購入量を計算すると千数百トンにもなるので、為替市場で関心が高まっているもの。金を買うにはドルを買わねばならぬわけで・・・・・。

週末10月25日の午後は、広島市内のホテルにて2時間のセミナーだった。当欄を読んでいてくれる方も会場に見えてくれて、ありがとございました。この企画は今年で3年目のもの。じつは、本日の話題をその前の週の渋谷でも、そして今回の広島でももっと詳しくするつもりが、他のことで時間を取った関係で、漏れたのだった。その補足でもあります。

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