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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

200日線を巡る攻防

2012年12月19日 23時40分13秒 | 金市場
18日の急落はNYの取引時間帯の午前11時過ぎから始まったファンドの集中売りがきっかけとなった。薄商いの中で下げ幅は拡大し、結局11月2日雇用統計の好結果を受けて急落して以来のものになった。再びストップ・ロスを巻き込んでモメンタムを持ったわけだ。

売りのきっかけにこれといった確たる背景は見当たらず、もちろん目ぼしいニュースもない。したがって市場関係者の見方も分かれる状況。

急落を伝える海外メディアの報道も、コンタクト先のそれぞれ分裂した見方を伝えることから、ひいては読み手を混乱させるような状況。ロイターなどは「財政の崖」問題で年内合意の可能性が出てきたとの一部報道により、「安全資産」としての金に売りが出たとしていた。しかし、「崖」の話し合いが混迷する環境の中でこれまでのところ金を「崖」からの転落を見越してヘッジとして買う、つまり安全資産(信用リスク・フリー)として買われた経過がそもそも見当たらない。したがって、それは当たらない。

ダウ・ジョーンズなどは「崖」への警戒からリスク・オフで売られたとしていたが、これは昨夜ここで書いたこと。つまり、このように分かれている。

結局発はっきりしているのは、年末接近の中で不透明感がぬぐえない環境の中で取引を閉じるファンドの動きが、取引量の薄い中で市場をかく乱しているという展開に見える。そして今夜もまさにNYの取引時間帯に入るとともに売り仕掛けが始まった。いま日本時間の23時過ぎだが1666ドルこと。

価格水準は、200ドル移動平均線(現在1660ドル程度)というトレンドの転換をも覚悟せねばならない重要な節目に到達している。パターンとしては5月中旬から下旬にかけて、同じような“下攻め”が見られたが、1520ドル台のラインの突破はならなかった。

思えばちょうど1年前の年末にも閑散相場の中で同じ動きが見られ、価格は年末12月27日に約7か月ぶりの安値を付けるという展開だった。その後、年が明けて1月末すなわち1ヵ月後には200ドルほど高い水準に復帰という派手な経過をたどった。この時は1月のFOMCにて今回廃止された時間軸効果と呼ぶ「2014年半ばまで低金利をコミット」する声明文が押し上げ要因となった。売り方だけが目立つ展開だが、このラインを維持したい買い方も多いと見られる。

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