亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NYの底堅さと米雇用統計のサプライズ

2024年10月07日 16時43分43秒 | 金市場

本日は中国人民銀行が日本時間の夕刻に先月の外貨準備の概要を発表する。もう間もなく発表の時間帯。

今年の5月以降、金準備の増加の発表がなくストップしたと受け止められているが、そのまま音なしの構えが続くのか否か。今年の4月まで18カ月連続で増加を発表して以降、止まっているが、それをもって金価格の上昇はピークを打った可能性を指摘する向きもいる。それは違う。

金準備の増減は発表する義務ないゆえ「発表していない=増えていない」ことを必ずしも表すわけではない。

 

報じられたように先週4日に発表された9月の米雇用統計が予想を大きく上回るサプライズとなった。

非農業部門の就業者数(NFP)は前月比25万4000人増で予想(14~15万人増)を大幅に上回り、過去6カ月で最大の伸びとなった。失業率も4.1%と前月の4.2%から改善した。8月分の就業者数は14万2000人増から15万9000人増に上方修正され、7・8月分合計で7万2000人上方修正された。 米連邦準備理事会(FRB)が懸念を表明していた労働市場の冷え込みだが、結果は経済がなお勢いを維持していることを示唆するものとなった。

むしろ予防的とされた9月の0,50%引き下げは、必要なかったとの指摘も一部でみられた。

 

結果を受け主要通貨に対しドルは大幅に上昇。ドル指数(DXY)は一時102.687と、8月16日以来の高値を付け102.52で終了。週間ベースの上昇率は22年9月(16~23日)以来約2年ぶりの大きさとなった。債券市場では金融政策の影響を受けやすい短中期債を中心に幅広い年限の債券が売られた。10年債利回りは一時3.987%と8月9日以来約2カ月ぶりの水準に上昇し、3.962%で終了した。

この雇用統計発表後のドル高、金利上昇を受け一気に売り優勢に転じたNY金は、一時2651.60ドルを付けるところまで急落した。ところが切り返しも早く、売りが一巡すると2670ドル台に浮上し売り買い交錯状態に。その後、買い先行の流れに転じ約2時間後の午前11時過ぎには一時2690.60ドルまで買われ、この日の高値に。終盤には売りが優勢になり通常取引は前述のように2667.80ドルに。その後の時間外取引では再び買戻しの動きが見られ、2673.20ドルで週末の取引を終了した。

 

市場に広がっていた年内および25年を含む利下げ拡大観測に大きな修正を迫る結果の割に、下げは限定的な印象だった。

中東情勢の方向感が見通せないことによるが、イランはこの局面でイスラエルとの全面戦争は望んでおらず、イスラエルも同じと思われる。ただし、地政学的要因は何か偶発的な出来事で流れが変わるし、また変えようとする向きもいるので 予測が難しい。

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