国際金融の懸念事項として急浮上した中国の信用不安だが(ジョージソロスは4月からこの問題を指摘していた)、中国人民銀行は26日に一部金融機関に流動性(資金)を供給したと発表したほか、複数の政策手段を使って市場の安定を確実にすると表明している。実際に短期金利は4営業日連続で下落している。ただし、信用バブルといわれ不良債権化する予備軍のような投資商品(理財商品)を利用した投資案件に不採算のものが多く、早晩その問題は表面化するものと見られる。つまり、今回あわてて対応策を取ったものの問題を先送りしたに過ぎない。今月末に償還される“理財商品”は3044種類と上海RTSは報じていた。
しかし、資金の取れなくなった中小の銀行は資金調達のために新たに高利回りを謳い文句に個人などを“釣る”形で資金調達をしているようだ・・・・・というよりこれまでしてきたし、ここにきて償還金が用意できずに集中して発行しているらしい。
それに対して中国の新執行部とりわけ首相の李克強中心に交代間もない今の時期に、前任者の責めとすることでバブルの芽を摘み取りたいという意向が働いているようだ。本日は、情報交換を兼ねたランチだったが、一連の動きのなかには特有の権力闘争が隠れているとのことだった。さもありなん。かの国であれば、それも理解できるが、さじ加減を誤って国際金融に激震などということにならねばいいが。
それにしても、かかる状況の中で中国の金需要はむしろ増加するのではと思う。われら日本の感覚とは違うからね。今朝だったかニュースで米国の不動産市場へのアジアマネーの流入が目立っているというものがあったが、香港にしても中国本土にしても当地の不動産市況の危うさを感じ取ったマネーが逃げているのではないか。政治の中枢部とつながったマネーも多かろう。