亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

いま、みたび(三度)の1000ドル突破

2009年09月08日 22時58分39秒 | 金市場
日本時間の午前9時台に早々コメックスの時間外は1000ドルタッチ。15時頃つまりロンドンのオープニングでスポットが急伸し1000ドル突破。利益確定の売りが五月雨的に出てくるのは当然の反応で、それをこなしながら戻り高値を更新。NYが待たれたが、ここも売りから入ったのは、やはり当然の流れ。先週4日のNYをみて5日の当欄に「総合的には益出し売りをよくこなしたということ。寄せては押し返され、寄せては押し返され・・・・・・という流れのなかでレンジは切り上がりへ」と書いたが、本日はここまでそうした展開。問題は今日より明日、明後日の展開か。本日のNY引値にはテクニカル上の関心は高そうだ。

この上げ相場に納得性の高い講釈をつけるという作業をメディアはやる必要がある。もともと核になるファンドのポジションがあり、環境をうまく捉えた買い攻勢が周りをうまく巻き込み上昇気流を起こすことに成功した。この辺りは4日に書いた。その巻きこまれた筋は目先筋なのでこれから彼らの出入りが激しくなり、上下動につながるのではないか。本体も・・・といっても複数あると思うのでコア組もコメックスのポジションを増減させながら進行か。

内部要因は状況を見守るとして、環境面ではやはり先週の雇用統計で失業率が9.7%に跳ね上がっていたのが効きそう。なまじこれでもか!というほどの流動性の提供でカネ回りだけは良くしたので落ち着いたように見えるのだが、それが為に不良資産の切り離しは見送られ、抱えたままになってしまった。誰も何も言わなくなったが、結局、本当のところ誰がどれだけの傷んだ資産を持っているのか不明という状況は続いている。失業率の上昇は、基礎商品の延滞率を上げていくし、間接的に商業用不動産分野に影響していく。G20で方向性を示した自己資本規制は、結局、不良資産を抱えたままでは貸し渋りにつながる。やはり不良資産の切り離しがポイントになる。それなしに進むと「出口」は遠く、例外的緩和状態は常態化し、コア組ヘッジファンドが喜ぶ展開に・・・・ということを考えた。

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2 コメント

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米国正念場 (こう)
2009-09-09 10:59:20
なんか、AIGとシティバンクはもう直ぐ↓のように噂が出てます。きんはさらに↑へ行く気配。
以前、 (VMAX)
2009-09-09 14:25:11
AIGのCDSポートフォリオに一層の損失が発生する確率が高まる・・ と報道された時点で、この企業が破綻することを予想した人は多かったはず。今年春のストレステストが粉飾のオンパレードに終始したことや、サブプライム150兆円の10倍以上の規模である商業用不動産ローン危機、あるいは加州に続いて、アリゾナ、イリノイ、オハイオ、ノースカロライナ、ペンシルベニアなど破綻しかかっている州が目白押しであることなど を鑑みれば、TVで評論家どもが能天気な『米国の回復』などと
囀っていることが、いかに馬鹿げて無責任な発言であったことか。自分の発言に責任を負わなくても済む類のものには、用心しましょう~。

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