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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

債券相場のフラッシュトレードで株総崩れ

2021年02月26日 20時35分11秒 | 金融市場の話題

市場の注目材料、米長期金利の上昇がさらに加速し株式市場の本格的な、かく乱要因となっている。指標となる米10年債利回りは、25日のNY時間の昼前に1.5%にタッチし、いったんは跳ね返されたものの、午後に入り再び債券市場で売り圧力が高まり、1.5を通過すると1.55%を超えたところで跳ねて1.614%まで上昇となっている。ただし、この水準はデータに残る数字ではあるものの、フラッシュトレードのようで、ごく短時間にsweepingされた(さらわれた)印象が強い。うがった書き方をするなら、急騰を作って何かをヒットさせたのではないかと思ってしまう。もちろん単なる個人的な憶測。。

いずれにしても、金利上昇も時間軸の問題で、急騰はFRB関係者がどう言おうと波乱要因となる。「Fedに逆らうな」の上手を行く「Fedへの挑戦状」ということで、本日26日は関係者の話はないかと調べたが、残念ながらFRB関係者の講演などはないようだ。

10年債利回りについては、足元でS&P500種の配当利回りが1.48%程度とされており、この水準を軽く抜いて上昇となると、金利裁定で株式に売りが膨らんだのも理解できる。ただし、この債券市場の動きも26日のアジアの午後早くの時点では1.5%割れで落ち着いた動きとなっている。今さらめくが本日のアジア株は総崩れということに。週末に向け、今夜のNYで債券市場がどうなるか。昨年来のパターンは、米株が引けにかけて買い戻され、週明けには「何かあったんでしょうか??」・・・という風情で涼しい顔ということだが、どうなるか。それでも、今回の金利急騰劇で、どこかで炙り出される“市場のひずみ”、“偏ったトレード”には、要注意ということか。今回は事なきに終わったとしても。

話を戻すとFRB関係者は、景気回復の強さに対する楽観的な見方を反映するものとして静観する構えだが、その一方で市場では、景気過熱からFRBは早晩、金融緩和策の方向転換を迫られるのではとの見方に傾く。すでに見通しを再評価した上で動きを取り始めたのが、足元の市場金利の上昇という話もある。年初のブルーウェーブ成立後の再検討の結果、着手という話か。

25日の急動意(債券相場急落)のきっかけは、早朝に発表された週次の失業保険申請件数が、20日までの1週間で73万件と前週の84万1000件から大きく減少し、景気に対する直接的な警戒感が後退したこととする指摘(WSJ)。また、このところ毎週複数日で実施されている国債入札で、この日は7年債の入札が過去最低の2.04倍に終わったことがきっかけとの指摘があった(ロイター)。いずれにしても、米国景気見通しの高まりがあるのは間違いない。もっとも、米国のみならず国債利回りの上昇は世界的な傾向で、水面下に最も沈んでいたドイツ国債も一時のマイナス0.6%台から25日はマイナス0.229%に、日本国債もマイナスから0.152%に浮上している。民間部門も政府も借金が膨らんでいるので、想定外の市場金利の上昇は破たんへの導火線といえるが、起きるとしてもまだまだ先の話だろう。


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