昨夜は最後に「かかる状況を格付け会社は、どう処理するのだろう」と書いた。言うまでもなく膠着状態を続ける米財政協議についてだが、格付け会社フィッチ・レーティングスが米国の格付け見通しをネガティブ(格下げ方向)に変更を発表した。しかし「「引き続き、債務上限が早期に引き上げられると信じているものの」という但し書き付きの判断となっている。
たしかに常識的には、いいことのないデフォルトを巡るせめぎ合いなど、解消されるはずだが現状はそうはいかない。そもそも先週のG20でバーナンキFRB議長とルー財務長官が、債務上限を巡る議会の対立は17日までに解消されると説明しているほどだから、フィッチが同様の捉え方をするのも、むべなるかな。しかし混迷が続くほどに時間切れが迫り、不測の事態発生の可能性も高まってきた。つまり「テール・リスク」が「テール」ではなくなってきた。
・・・・・・・とここまで書いたところで、上院では2014年2月7日までの債務上限の停止と同1月15日までの暫定予算を採択し政府機関の閉鎖を解除する合意がなったというニュースが入ってきた。となると、この議案を審議妨害を受けることなく上院本会議に掛けることが出来るのか否か。さらに採択されたものを下院(ベイナー議長)が裁決に持ち込めるのか、さらに採択できるのかということになる。時間を要すれば、17日に突入ということも。17日に必ずしもデフォルトが起きるわけではないが、一定の期日の切られた危機への米国政治の対応力の低下が指摘されよう。結局、財政協議は先送りされただけで、あっという間に次の期限が来るだろう。さて、16日中に決着できるのか否か。
ところで金価格はこの環境の中で昨日は上下40ドル近い乱高下となった。どの程度の法案が通り、その金の反応はどうなるか。昨日までの売り先行の流れは、ETFの減少をも伴ったものだった。仮に11月決算のファンドの解約請求であるならば、45日前にあたる10月15日がその締切日となる。やっと通過したことになるが、果たしてどうか。