亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

流動性とリスク忌避

2008年12月10日 20時34分08秒 | 金市場
ビッグスリー向けの救済プランが今日にも下院を通過するとの見通しから、一応は目先の波乱の芽は摘まれたとの安堵がひろがっているという。それでも昨夜のNY株は、先週末に方向性が示されたオバマ新政権下での大型景気刺激策への期待もあり上昇したところを空かさず売る辺りは、まだ戻り売り基調というところか。やはり企業業績の下方修正しかも大幅な修正が目立つ状況のなかでは、上昇後には戻り売りが控える環境といえそうだ。

このなかで米国債への資金流入が続いている。この日300億ドルの入札日となっていた1ヵ月もの短期債の利回りは結局0%となった。金利はつかなくとも担保価値の高い安全資産に避難という機関投資家の買いが集まっている。3ヵ月ものなど瞬間的にマイナス利回りとなる異常事態。一方で天然ガス掘削とパイプライン大手エル・パソの総額5億ドルの5年債の条件は15.25%となっていた。原油急落の折、エネルギー関連への警戒感は高まっているとはいえ、おそらくこの夏から急激に調達金利が上昇したのだろう。いまやジャンク債というわけだ。同じ構図が金鉱山会社のファイナンスにも当てはまることになる。

薄商いのなか、金価格は700ドル台後半を浮揚中。

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6 コメント

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米財務省短期証券でマイナス金利 (いつも拝見しております)
2008-12-10 23:16:01
お疲れさまです。

急騰してますね。死んだネコじゃなさそうです。
日本でマイナス金利だった頃を思い出して下さい。
そしてその後何が起こったのでしょうか?
デジャヴュを見る思いです。
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Unknown (Unknown)
2008-12-11 00:45:36

>日本でマイナス金利だった頃を思い出して下さい。
そしてその後何が起こったのでしょうか

すみません。不勉強でわかりません。
少し解説して頂けないでしょうか?

返信する
デジャヴュ (ささやか)
2008-12-11 08:35:23
金価格が700ドルの壁を抜いた時、週末に米国市場でGOLDが買われる状況があり、「買い」と思いました。その時は1000ドルまであげた。今月も週末に上げみたいだし、デジャヴュ、ホントになると良いのですが…ただ今度はNY株と順相関と感じてます。
ユーロは上げ?リバウンド?あと原油の反発が欲しいのですが…
「商品の世界」の人は「あの時」は金は何ドル・原油何ドルとすぐ思い出せるみたいですね。
ビッグスリーの支援策決まると自動車が売れるようになる訳?自動車会社が立ち直れるのは車が売れる状況になった時ですよね。しばらくGOLDの追い風になりそうな気がするけど…

いつも様のデジャヴュとスケールが違うので私も解説お聞きしたい、お願いします。
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過剰流動性とマイナス金利 (いつも拝見しております)
2008-12-11 09:53:35
単刀直入に申し上げます。
債券市場においてマイナス金利とは投資先が他になくパニック的に買われた状態です。これは金利の急低下や量的緩和、それと極端な恐怖感による質への逃避行動が為せる業だと感じています。
しかしながら、マイナス金利状態で金融機関や投資家は利幅がなくなり収益が極端に圧迫されます。日本では貸出先が少なくなり、バーゼル2などの規則の縛りもあって身動きが取れない状況で債券市場に買いが殺到しました。しかし、金利の急低下はその後、個人投資家や機関投資家などに円売り外貨買いの円逃避行動を呼び起こし海外のリスク資産へと向けられたのです。
その際、ユーロ円債の短期市場でマイナス金利が出るほど円は売られたのです。

と、あくまで個人的感想で主観的で偏向していると思いますが、心配な方はマイナス金利や量的緩和策などでググって調べてみて下さい。
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Unknown (Unknown)
2008-12-11 10:16:15
過剰流動性とマイナス金利 (いつも拝見しております 様

  ありがとうございました。感謝します。
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ということは?? (ライラック)
2008-12-11 10:23:03
私も米債券市場の0%金利に注目しております。という事は、ドル逃避行動が起きドル安ということでしょうか?金には辛いですね。しかしどのカレンシーも魅力が無いなら逃避資金の一部は金に投資されドル建て金価格の上昇となるとも考えられます。今日の金価格上昇はその為と説明が付きます。まあ、行って来いということですか?最近の日本の株価上昇は海外ファンドの売りポジッション清算の為の悪い株高だそうです。清算資金でドル買いで円安になってくれればありがたいと思うこの頃です。
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