利根川の 川瀬も知らず ただ渡り
波にあふのす 逢へる君かも
=巻14-3413 作者未詳=
利根川の浅瀬が、どこかもわからずただ真っ直ぐに渡っていると、思わず波しぶきにあたるように、ばったりお逢いしましたね。という意味。
「のす」は、「なす」の上代東国方言。
当時の利根川が浅瀬を探して渡らないといけないくらい大きな川だということがわかる。率直な愛を利根川の流れに託して歌った、恋人同士の不意の出会いの驚きと喜びに満ち溢れている、東歌らしい素朴でロマンチックな歌である。
この万葉歌碑は群馬県高崎市の高崎自然歩道、マップ12地点に建っている。
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