それでも僕はテレビを見る

社会‐人間‐テレビ‐間主観的構造

キャラ弁:より低賃金で女性を搾取したいというメッセージに受け取られかねない件

2015-05-21 22:03:59 | テレビとラジオ
内閣官房がツイッターで、「女性応援ブログ」とカテゴライズしたうえで、キャラ弁を作っている人を紹介したことが話題になっている。

そのツイートが保護者が子供にキャラ弁をつくることを奨励しているように受け取られているから、批判が殺到している。

これはキャラ弁を作っている人を非難しているのではなく、内閣官房が公的にツイートしていることの意味にあまりにも無頓着なのではないか、ということで内閣官房のツイートが批判されているということである。

とりわけ、「女性応援」というカテゴリーがよく分からず、このツイートの何が女性を応援しているのか、ということなのである。



キャラ弁をつくる保護者が女性とは限らない。

けれども、もし女性が主だとして、キャラ弁という普通よりも時間と手間のかかる弁当を作ることが良いことだと、内閣官房が(意図はともかく)メッセージしたとしよう。

その場合、その女性の家庭内での労働時間は長くなり、その結果、家庭内労働も含めた時給換算をすると、より低賃金になる。

なぜなら、いくらキャラ弁を作っても、家計の収入は増えないからだ。

つまり内閣官房は、女性をより低賃金で労働させることが好ましいというメッセージを送ったことになってしまう。



そういう理解を前提にして、それでもツイートの意図を前向きに捉えたらどうなるだろう。

そもそもキャラ弁の話は、社会に適応しようと努力する子どもを応援するための手段としてキャラ弁を作った、ということだった。

そしたらキャラ弁が話題になり、作った人は結果として(子どもがどうなったかはともかく)社会に承認され、自己実現してしまいました、ということだった。

つまり、「女性応援」としてこのストーリーを捉えると、「社会的には孤立した家庭内労働も、ブログとかで情報発信したら自己実現になるよ、頑張って」ということになる。

だから、家庭内労働を過剰に負担している女性を搾取するという意図ではなく、過剰に負担している分、ブログとかで自己実現して元を取ってください、応援してます、ということなのである。

そんなツイートをされて、国民は何を思えばいいのだろう。