それでも僕はテレビを見る

社会‐人間‐テレビ‐間主観的構造

音楽番組、ヒキコモゴモ

2014-08-18 16:30:03 | テレビとラジオ
今、日本では音楽番組は夜11時以降が基本になっている。

深夜番組のコンテンツとして、音楽番組は非常に人気だと言っても良い。

ここ2年くらいの音楽番組のなかで、私が特に興味を持ったものを幾つか取り上げたい。



日本の大衆音楽のなかでも、ロックの進歩は著しい。

それが私の実感だ。

ソウル音楽が総じて厳しい状況にあるなかで、ロックは常に元気。

ところが、その最新の潮流、あるいはアーティストの音楽文脈を取り上げる番組は非常に少ない。

これもまた非常に面白い現象だ。

そうしたギャップのなかでも、最新の潮流に何となくアンテナを向けているのが、「魁音楽番付-eight-」(フジテレビ)。

ベーシスト同士の対談など、軽くて面白い企画を通じて、日本の音楽の潮流をちょっとだけ感じ取ることが出来ることがある(そうじゃない場合もある)。



音楽番組で重要なのが、ミュージシャンの力をどうやって引き出すか、という問題。

幾つかの番組はそれに成功していた。

残念ながら終わってしまったが、「アーティスト」(TBS)は素晴らしかった。

音楽家の演奏を小さなライブハウスのセットのなかでやってもらう。

MCの大宮エリーがとにかく最高。ゲストのメンタリティを柔らかくしていき、音楽のための空間が出来ていく。

例えば、クラムボンの原田郁子の回は本当に秀逸だった。この番組でしか出来ないことがあった。



同じように、ミュージシャンの力をうまく引き出しているのが、「The Covers」(NHKBSプレミアム)。

MCのリリー・フランキーのトーク力はもちろんのこと、名曲のカバーをゲストにさせるという企画が素晴らしい。

選曲のセンスだけでなく、解釈力、歌力まで、アーティストが裸になる様子が垣間見える。



逆に、実力不足がモロに露呈しているのが、「UTAGE!」(TBS)。

「夜もヒッパレ」のような仕組みの番組で、ゲストが昔のランキングに沿って、曲をカラオケしていく。

驚くほどレギュラーとゲストの歌が下手なことが多いため、それはそれで正しい音楽番組である。

ただ、見る方は毎回かなり苦痛なレベルなので、成功しているとは言えない。



ライブと言えば、今の時期は音楽フェスだらけである。

WOWOWでは、幾つかピックアップしたり、一挙に流したり色々しているが、見るのは結構きつい。

フェスはやっぱりその場に行かなければ意味がない、ということがよく分かる。

ただ、テレビで見ることで、知らないアーティストを知る機会を得たり、一気に今の音楽の潮流を勉強することが出来るので、かなり便利である。



日本の大衆音楽が元気に発展している今だからこそ、若手の面白いアーティストの対談とライブがテレビでちょくちょく見られたら、本当に良いと思う。

確かそんなことをハマ・オカモトもラジオで言っていた。正確には、ゲストのサカナクションの山口一郎が言っていた、