三代目虎真之助blog 『森から出たまこと』

「森はいのちの源」 奥三河の森から学んだこと、感じたこと、得たものを書き記しています。

mont-bell×小清水町 視察

2018-07-24 08:49:26 | 森づくり

「小清水町にモンベルができたから見に行かないか?」

6月の半ば、とある方から誘われた。

 

小清水町ってどこ?

調べてみると北海道網走の隣の人口5000人に満たないまち。

なぜ、そんなところに??

好奇心が抑えきれず、急遽、現地に視察に行くことに。

視察を企画していただいたのは、三重県大紀町のみなさん。

大紀町にモンベルを誘致しようと計画している方々だ。

町議会議員兼漁業組合長、商工会経営指導員、地域活性化協議会(観光協会)事務局長に、

以前に東農大オホーツクキャンパスに勤務していた三重大学の生物資源学研究科の准教授の計4名。

そこに名古屋の企画広告会社の会長とNPO法人穂の国森づくりの会の理事と私の3名が加わった。

このメンバーによる情報交換も実に有意義だったが、それはまた後で。

小清水町役場でご対応いただいたのは、企画財政課課長補佐(兼)企画係長の石丸さん。

一言でいえば、ザ・スーパー公務員。

発想力、行動力、交渉力のどれをとっても素晴らしい方だった。

 

ここで、小清水町へのモンベル進出の経緯を簡単にご紹介。

・地方創生戦略にて、農業とバードウォッチングを核に地方創生推進交付金の活用を計画

・申請においてインパクト不足を指摘され、知名度の高い民間パートナーの再選定の提案をうける

・野鳥の会の地元会員の知人を通じて、モンベルに打診

・町長、議長、議会が一体となって誘致活動を実施(トップ会談、全議員によるモンベル訪問など)

・地方創生拠点整備交付金を活用し施設を建設(事業費3億4千万、内5千万は予算超過し町が負担)

・施設運営は指定管理者制度を活用(契約期間10年)

・モンベルとのコラボ商品により、ふるさと納税で10億集まる(実利4億、上記町負担分はすぐに回収!)

 

立案から店舗オープンまで、わずか2年。

施設の建設期間を除けば、立案から着工までわずか10ヶ月。

行政機関としては異例のスピードだ。

民間企業のモンベルでは、会長から「小清水のスピードに遅れるな!」と逆に檄がとんだそうだ。

 

次に、実際の店舗を視察。

ツーリストセンターに併設してモンベルショップがある。

ここでご対応いただいたのは、店長の吉村太郎さん。

モンベル側の出店の経緯と実際の営業状況を伺った。

 

まず驚いたのが、「モンベルはマーケティングは行わない」の一言。

出店の可否は、会長の判断によるそうだ。

社内では商圏と市場規模から採算性を不安視する声もあがったそうだが、

役場の石丸さんの熱意がそれを上回ったとのこと。

そもそも、モンベルの辰野会長は自身が冒険家であり、挑戦することが好きなのが大きな要因のようだ。

 

で、実際の営業状況だが、オープン初日は4000人超の来客があり、レジは最長3時間半待ちだったとのこと。

その後も、コンスタントに来客があり、売り上げも当初見込みの3~5倍ぐらいで推移しているそうだ。

売れ筋は、農業関連商品。品揃えも売上額も全国No.1。

ここ小清水町は、産業別人口構成比率で農業が41.8%を占める農業地帯。

そのことが大きく売り上げに反映されているようだ。

 

世界自然遺産である知床への道中でもあるため、道外からの来客が全体の1/3ほどを占めるとのこと。

購入品は、食料、店舗限定商品、急な買い足しなど。

 

訪問時も来客が絶えなかったが、雰囲気からすると地元客のよう。

小清水町では、地方創生戦略において「バードウォッチングによる欧州インバウンド受入」を狙っているが、

それはこれからということのようだ。

 

余談だが、この店長の吉村さんは愛知県岡崎市出身。

前日に夕食をごいっしょさせていただいた、東農大でアザラシを研究している小林教授も岡崎市出身。

なんたる偶然!!

 

長くなってしまったので、次回に続く。


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