藤井聡太君が負けた。
それに対する、加藤一二三氏のコメント。
「人生も、将棋も、勝負はつねに負けた地点からはじまる。」
昨日、長男(小2)のデビュー戦があった。
といっても、最近、通い始めた空手教室の生徒同士の大会だ。
息子のクラス(小学校低学年)のエントリー数は、17人。
出場選手のプロフィールをみると、
息子が経験年数は一番浅く(8ヶ月)、体重は一番重い(36kg)……。
この大会、本戦の時間は1分30秒、決着がつかない場合は1分の延長、
それでも決着がつかない場合は、体重の軽い方の勝ちとなる。
……あきらかに不利だ。
長男は、こども園の頃から、人と異なる言動をしては周囲を笑わせる、いわゆるお調子者だ。
また、どちらかといえば、何に対してもわりかしら大雑把で飽き症なところがあった。
ところが、こと空手に関してはまったくの真逆。
先生達からも、「いつもすごく一生懸命に取り組んでます」と言われるほど。
一昨日も、楽しみにしていた夜店は7時早々に切り上げ、1人で空手の練習に向かったぐらいだ。
そんな息子が楽しみにしていた大会。
いよいよ出番が近づいてきた息子を見ると……
気合い十分というよりも、ものすごい緊張している。
いつも兄弟3人揃ってふざけてばかりいるため、
こんなに緊張している息子を見るのは初めてだ。
さて、結果は。
善戦むなしく。
一瞬の隙をつかれ、上段回し蹴りで技ありを決められ、無念の判定負け。
ま、それでもデビュー戦にしては、自分から常に攻撃を仕掛けていたし、
一歩も下がることなく戦っていたのでと、
親のひいきめ目線で「よくがんばった」と褒めてやろうと思ってたところ、
防具をはずすなり、号泣。
これまで、運動会のかけっこをはじめとして、
あまり勝負ごとにこだわりをもたない性格だと思っていたのだが、
人生初の試合で負けたことが、相当悔しかったようだ。
そこからの3時間。
自分の試合が終われば、外に出て遊んでしまっている子も多い中、
若干飽きた様子を見せながらも、最後まで他の子の試合を観戦し続けた息子。
「他の子の試合を見て勉強するのも、強くなるコツだ」の一言が聞いたのか。
そんな息子へのご褒美は、いつも新城教室で指導してくれる先生がくれた。
「いつも頑張ってるから、師範と写真を撮ってもらうか」
息子にとって師範は、いま、一番の憧れの人。
上級者の子たちが、防具のグローブに師範のサインが入ってるのを、
いつもうらやましそうに見ていたが、そのサインもしてもらえることに。
息子の空手へのモチベーションが、またひとつ上がったようだ。
息子よ! 人生も空手も、勝負はつねに負けた地点から始まるのだ!
親からすれば、取り組む内容は何にしても、
こうして1つでも真剣に向き合えるものができて良かったと思う。
いつの日か、この集中力とやる気が、勉学にも向いてくれることも期待したいが。