いま、間伐をしている現場の近くに、とても気になる建物があります。
屋根は全面、土木工事で使われるようなコルゲートパイプで覆われており、
正面の玄関とおぼしきところには、鉄でなにやらユーモラスな装飾が施されている。
そう書くと、新城の山の中には似つかわしくないような物に思えるのだけれども、
実際に見てみると、なぜか周囲の風景とそれほど違和感なく馴染んでいる。
「これはなんだ!」
実は、「幻庵」という名のついた、著名な石山修武さんという建築家の方の作品でした。
建築されたのは1975年。
施主は蒲郡の人。
「コーヒーが飲める茶室」をイメージして建てられたこの作品は、
ただ単に奇抜なだけでなく、
安価な素材と明快な構造、そして高度な技術を必要としないことを強調しており、
住宅のローコスト化やセルフビルトの提案にまでつながっているそうです。
当時の建築界に大きな一石を投じ、
30年以上経ってなお、多くの方を惹きつけてやまないこの作品が、
新城の山中にあることを、なぜか嬉しく思います。
外観を望むだけで、いろんなインスピレーションが湧き起こりそうです。
※幻庵 http://ishiyama.arch.waseda.ac.jp/www/worksfile/gen_an.html
動画 http://www.youtube.com/watch?v=LYQ7DR_HJqc (2009年)