三代目虎真之助blog 『森から出たまこと』

「森はいのちの源」 奥三河の森から学んだこと、感じたこと、得たものを書き記しています。

新城設楽生態系ネットワーク協議会フォーラム

2014-11-29 17:19:45 | 森づくり

新城設楽生態系ネットワーク協議会フォーラム

「樹を活かす、地域を活かす、森のちからと人の営みが調和する奥三河」

 

基調講演「美しい森づくりが地域の可能性を広げる」

講師:田中淳夫氏(森林ジャーナリスト)

」」

・木に保水機能があるわけではなく、土壌にある。その土壌は草と落ち葉が守っている。

・見た目が美しい森は、生態系的にも健全。美しい森をたくさん見て、感性を磨いてほしい。

・「森林美学」 H・フォン・ザーリッシュ 1868年出版「技術的合理性のある森は最高に美しい」

・恒続林思想 アルフレート・メーラー 「もっとも美しき森は、またもっとも収穫多き森である」

・将来的に必要な人工林面積500万ha以下。樹種、伐期等の再構築が必要。

 

 

協議会構成機関報告「新城市内ニホンジカ生態調査報告」

講師:高橋啓氏(NPO法人穂の国森林探偵事務所 理事長)

・この10年で奥三河地内に爆発的にニホンジカが増えている。

・ニホンジカが増えた理由の1つは、人間がシカが住みやすい環境をつくってしまったこと。

・奥三河地内のシカの生息数は約20000頭。年18%の伸び率で増加。

・三重の速水林業では、間伐材をあえて等高線上に並べずシカが歩きにくい状態をつくり獣害を防ぐ実験をしている。

・獣害対策とジビエをつなげると、市場の論理で捕獲が動くようになり、結果、獣害対策に支障が生じる。

 

他にも、協議会の活動報告として「人工林の広葉樹林化」などの話もあったが、

美しい森づくりのためには、獣害対策が一番のネックとなる。

これは、単に捕獲の問題のみならず、人の営みや国土のグランドデザインの問題でもある。

 

今後も当協議会を通じて、この問題の議論を深めていきたい。


Workshop Table 3

2014-11-26 17:55:07 | 森づくり

「Workshop Table 3」

運搬性を考慮し、脚の仕様を4本の組み立て式に変更。

誰でも簡単にネジで取り外しができるように改良中。

合わせて、イスの製作も始める。

まだまだ、イメージ先行で実用性に乏しいですが……。

 

協力者のお2人。

(左)キムラ工業(安城市)の木村さん

(右)今泉建具工業(新城市)の今泉さん

 


地方創生と人材育成

2014-11-24 11:30:01 | 日記

一般社団法人奥三河ビジョンフォーラム決算総会記念講演会

講師:井上貴至氏(地域のミツバチ.社会の触媒)

 

講師の発言「人は人に集まる」の言葉通り、多くの皆さまにお集まりいただいた。

会員以外の方、それも奥三河のみならず、蒲郡や豊橋からも。

 

 これまで地方創生のカギは情報の発信力にあると思っていた。

だが、本当にオモシロいこと、楽しいことを地域でやり続けていれば、

今の時代、SNS等で誰かが勝手に情報を発信してくれ、拡散していくこともあるんだなと思った。

 

また、講師の発言「作り手目線の商品開発は失敗する。顧客目線でなくては」を借りれば、

情報発信も同様に、自分たちの地域を自分たちでいくら良いものだと発信しても、

受け手には、なかなかそのまま言葉通りには届かない時代が来ている。

むしろ、第三者が発信したくなるような仕掛けを講じる方が効果的だと感じた。

そしてそれが、「誰」であるかが重要かと。

 

もう1点。

講師は若干29歳。

この若者の言葉を、どのように受け止めることができるかがカギかと。

若者を拒絶する地域にも、若者にすがる地域にも、未来はない。

若者を育むことのできる、「寛容力」のある地域こそが生き残ると感じた。


新城地域自治区大茶話会2014

2014-11-18 08:42:54 | 日記

11/16、森林の仕事ガイダンスを途中で抜け、名古屋から新城へ急いで戻る。

表題にある、大茶話会に参加するため。

この大茶話会、目的は平成27年度の地域自治区予算に地域住民の声を反映するためだった。

そのため当初は8/10に予定していたのだが、台風によりやむなく延期。

地域自治区予算の建議は日程の関係上、9/末に終わってしまったが、

それでも今後に向けて、新城自治区内の課題を洗い出すことは重要であるため、改めて開催された。

 

40名ほどの地域住民と市役所の地域支援活動員が参加。

先日の市民まちづくり集会同様に、ワールドカフェ方式にて、

「10年後の理想の自治区に近づけるために、いますべきことは?」について話し合われた。

 

結果を抜粋すると、

・桜淵公園に、春の桜の時期以外にも楽しめる仕掛けが必要。四季折々の花や手作り遊具など。

・こども園になって保育料が下がるなど、新城は子育てしやすいまち。もっとそのことをPRしたら?

・空き店舗を利用して、高齢者の方に駄菓子屋をやってもらったり昔の遊びを教えてもらったら?

・夜間救急で断られた経験が。事情を聞けば納得できる。嫌な思いをする前に市民への周知を。中高生のインターンシップを活用しては?

・新城駅の不便さを逆にPRしては? 鉄道マニアが集まってくるかも。

・Sバスに乗ってみたら、運転手さんも親切で使いやすかった。もっと利用促進のためのPRを。

 

地域自治区制度は、広いエリアを有する新城市で、地域ごとに異なる事情に対して適した施策を打ち出すために創設された。

新城自治区は、まさに他の自治区とは異なることが結果からも一目瞭然。

「桜淵公園」「新城駅」「病院」など、実はどのグループにも共通して挙がっていた課題だ。

これらは新城自治区内だけの課題ではないが、これら市全体に関わる主要施設の多くが新城自治区内にあるためだ。

実際には、これらは自治区内で解決を図るものではなく、市全体の計画に組み込んでいくものである。

 

が、少し考えてみると、ここに新城自治区の施策のポイントがあるのかもしれない。

新城自治区には、毎日、そうした施設を利用するために自治区外からも多くの方が訪れる。

その方たちも感じている不便さの解決と、自治区内固有の課題の解決を合わせて図れないだろうかということだ。

例えば、電車の本数が少ないため待ち時間が発生することと、駅前に空き店舗が多いこととを同時に解決するアイデアとか。

これは、通学・通勤で駅を利用する、学生や会社員の方にヒアリングしてみると、何か見つかるかもしれない。

 

あるいは、桜淵公園の再整備と新城自治区内にこどもが遊べる公園が少ないということを合わせて考えるなど。

桜淵公園については、いま市民参加型のワークショップが開催されているが、意外と知られていない。

また、現実的には実際に公園を利用したいお母さんたちは、まだ子どもが小さく、ワークショップに参加しにくいだろう。

園児をもつ母親に聞くと、子どもをこども園に預けている間の時間が一番自由がきくそうだ。

とすると、その時間帯に母親たちの声を聞く仕組みをつくってもいいのかもしれない。

鯖江のJK課に対抗するわけではないが、MM課(ママ課)などがあるとオモシロいかもしれない。

 

長くなったが、いろんな立場や考えの人の話に耳を傾けると、いろんな考えやアイデアが浮かんでくる。

新城自治区大茶話会は、4年に1回の開催ということとなったが、

こうして多様な人が集まって話をする機会は、何回あっても良いのかと思う。