新城設楽生態系ネットワーク協議会フォーラム
「樹を活かす、地域を活かす、森のちからと人の営みが調和する奥三河」
基調講演「美しい森づくりが地域の可能性を広げる」
講師:田中淳夫氏(森林ジャーナリスト)
」」
・木に保水機能があるわけではなく、土壌にある。その土壌は草と落ち葉が守っている。
・見た目が美しい森は、生態系的にも健全。美しい森をたくさん見て、感性を磨いてほしい。
・「森林美学」 H・フォン・ザーリッシュ 1868年出版「技術的合理性のある森は最高に美しい」
・恒続林思想 アルフレート・メーラー 「もっとも美しき森は、またもっとも収穫多き森である」
・将来的に必要な人工林面積500万ha以下。樹種、伐期等の再構築が必要。
協議会構成機関報告「新城市内ニホンジカ生態調査報告」
講師:高橋啓氏(NPO法人穂の国森林探偵事務所 理事長)
・この10年で奥三河地内に爆発的にニホンジカが増えている。
・ニホンジカが増えた理由の1つは、人間がシカが住みやすい環境をつくってしまったこと。
・奥三河地内のシカの生息数は約20000頭。年18%の伸び率で増加。
・三重の速水林業では、間伐材をあえて等高線上に並べずシカが歩きにくい状態をつくり獣害を防ぐ実験をしている。
・獣害対策とジビエをつなげると、市場の論理で捕獲が動くようになり、結果、獣害対策に支障が生じる。
他にも、協議会の活動報告として「人工林の広葉樹林化」などの話もあったが、
美しい森づくりのためには、獣害対策が一番のネックとなる。
これは、単に捕獲の問題のみならず、人の営みや国土のグランドデザインの問題でもある。
今後も当協議会を通じて、この問題の議論を深めていきたい。