三代目虎真之助blog 『森から出たまこと』

「森はいのちの源」 奥三河の森から学んだこと、感じたこと、得たものを書き記しています。

黄柳野高校インターンシップ

2015-09-21 08:10:21 | 森づくり

9/14~15と、黄柳野高校からインターンシップで3名の生徒が来社。

インターンシップの受け入れは毎年おこなっているが、

同校からは初めて。

 

NPO法人アスクネットの仲介により実現した。

http://asknet.org/

 

黄柳野高校は全国から生徒が集まっているが、これまで地元との結びつきが少なかった。

地元企業へのインターンシップを通じて、地元との関係性もつくっていきたいとのこと。

 

ちょうど、設楽原の戦いの時に、織田信長が本陣を構えた茶臼山公園にて仕事があったため、

地元の歴史も紹介しながら林業体験をしてもらうことに。

伐採前の立木調査を実施中。

 

「うわぁー、ダニがくっついた!」

「あぁ~~~、でかいクモがいるーーー」

 

まさに、現場は、映画「Wood Job」さながら。

 

こんな体験に、林業はもう懲り懲りかなと思いきや、

研修後、「楽しかった」と。

 

何がと尋ねると、「ボーボーに生い茂ってる中を、突き進んでくのが」と。

 

そうだ! 人生と同じだ! 見えない先を切り拓いていくのは自分自身なんだよ!!

とは、あまりに説法臭くて言わなかったが、この体験で何か心に残ってくれれば、うれしい。

 

こちらは、現場からみえる、新東名の長篠設楽原PA。

開通に向け、着々と進行中。

 


森ではたらこう

2015-09-15 08:48:56 | 森づくり

9/11(金)、「あいち山村振興ビジョン2020」の策定に関する業務の一環で、

高山市にある株式会社長瀬土建の長瀬社長を訪問。

 

長瀬社長とは、建設トップランナー倶楽部でご一緒させていただいたり、

昨年、一昨年と2年続けて、たかやま林建協同組合が施工された欧州型林道を

視察させていただいたり、とお世話になっている。

 

建設トップランナー倶楽部

http://kentop.org/

 

今回も多岐にわたる示唆に富んだお話を伺えたが、

なかでも印象深かったのが、人材確保に関する岐阜県での取り組みについて。

中高生向けの就職相談会だが、その構成が素晴らしい。

単に企業がブースを並べてそれぞれが個別に自社の説明をするのではなく、

「森で働く」という共通のキーワードの下、

行政、素材生産業者、製材業者、工務店など、川上から川下までの企業が集まって、

求職者が、森林に関わる仕事をトータルで知ることができる設えとなっている。

 

中高生に限らず、森林に関わる仕事というのは、一般の求職者の方にはみえにくい。

昨今、なんとなく「森で働いてみたい」、「環境に良い仕事がしたい」、

そんな志望動機で、林業の企業説明会に参加される求職者の方も多いが、

そこに出展しているのは、森林組合と素材生産を行う民間事業体のみであることが多く、

企業規模の違いや事業所の所在地が異なるだけで、求職者にとっては選択の余地があまりない。

 

それに比べ、「森で働く」ということを広くとらえたこの説明会は、

漠然としたイメージしかなかった求職者に、

自分のやりたいことを具体的にイメージしてもらうことができ、選択の幅も広がる。

それだけでなく、本来、林業というものは、

川上から川下までがつながったかたちで営まれるものであることを、

求職者のみならず、出展する企業自身が改めて再確認する場ともなり、そこからネットワークも生まれる。

 

ぜひともこうした素晴らしい取り組みを、あいちの山間地域でも行えるよう提言していきたいと思う。

 

なお、さらにスゴイのが、これをクラウドファンディングを活用して開催しているということ。

愛知県でも、今年からクラウドファンディングに力を入れる動きがあるが、岐阜は一歩先を行っている。

 

 

ヒアリングの後は、せっかく高山まで来たのだからと、

欧州型林道の最新の現場を見せていただいた。

今回の道は、既設の林道を、欧州型に転換した道。

 

暗渠排水もゼロ勾配にすることで、実際に魚が遡上しており、環境にも十分配慮されている。

ちょっと見にくいが、左のカエデの根廻りには、浸食防止のため石が積まれている。

 

今年に入ってから、林野庁長官をはじめ、関係省庁の方々が、多数視察に訪れているそうだ。

日本の林道基準が、近いうちに、ここから変わるかもしれない。

 

 


第7回千郷地域協議会

2015-09-14 11:16:36 | 奥三河の紹介

先週の9日(水)に、第7回千郷協議会が開催された。

メインの議題は、平成28年度の千郷地域自治区予算(1276万円)の使途の決定。

これまで2ヶ月にわたり計3回の協議を経てきた。

 

第4回(7/9)地域の課題抽出と改善策の提案

第5回(8/5)候補事業の仕分け作業(A:継続協議 B:積算 C:関係機関と調整)

第6回(8/23)積算に関する基準の統一(市補助制度事業との住み分け)

 

結果、当初候補に上がった44事業から、20事業へと絞り込まれてきた。

このうち3事業は、絶対必要経費(AEDの年間リース料ほか)のため、

残る17事業から、予算枠(1276万円)に収まるように事業選択することとなる。

 

が、大きな問題が……。

 

17事業の積算結果は、16,657,000円。

絶対必要経費(1,159,000円)を除いた、平成28年度事業予算は11,607,000円。

その差、なんと5,050,000円!

 

これを、今回の協議会で解決しなければならない。

当然、それぞれの事業にはそれを提案された方の想いもあるし、

その事業の必要性については、これまでの協議会で協議もしてきている。

だが、予算が超過している以上は、優先順位をつけて取捨選択するしかない。

 

誰にとっても、一番、辛い作業だ。

 

事務局としては、この作業をできるだけ明確に、そして遺恨を残さないかたちで行いたかった。

そこで、担当者より各事業説明をプレゼン形式で行った後、

各協議会委員に、17事業の内、優先度が高いと思う事業を10個、選んでもらった。

その場での挙手だと、周囲の人の目も気になり、選択に迷いが生じるため、

これを、グループワークではよく使う「シール」を用いた手法で行った。

 

結果はこのように。

予算の枠内で上位から選んでいくと、以下の6事業の採択となる。

・青パト隊結成のための帽子とベストの支給

・千郷西こども園への防犯灯設置

・防災備品の貸与と購入に対する補助(購入費の1/4)

・千郷東こども園へのエアコン設置

・地域安全灯設置に対する行政区への補助(設置費の1/2)

・AEDの設置

 

多数決ということであれば、これで決定だ。

残額の2,557,000円は、優先順位第7位のカラー舗装の工事費に充てることになり、

残りの10事業については、来年度の事業化を見送ることとなる。

 

果して、本当にそれで良いか?

 

ここから、また協議が始まった。

上位事業からその中身について、再度、精査してみようと。

 

真っ先に協議会長から、自身の行政区のAEDは先送りして、

他の事業を優先させても良いと発言があった。

この会長の英断がきっかけとなり、防災備品の貸与個数の縮減、

カラー舗装の複数年計画化などが次々と提案され、

結果、15事業が採択されることに。

 

それぞれの事業を少しづつ見直すことで、

つまりそれは、各委員が譲れるところを譲り合ったことで、

より多くの事業が実施されることとなった。

 

常々、安直な「多数決=民主主義」のような考え方に、違和感を覚えていた。

行き過ぎた数の力の正当化は、熟議をないがしろにする。

 

だが、千郷協議会では、多数決による結果をひとつの参考にしながら、

少数意見にもしっかりと耳を傾け、より多様性に富んだ結果を導き出した。

 

この結果に、協議会委員全員が100%納得したわけではないかもしれない。

それでも一定の合意を得たことは、この進め方に少なからず妥当性を見出してくれたのではないかと思う。

 

何が正解かは分からないが、

これからも、100%納得はできなくとも、互いに理解をし合いながら、ことを進めていきたいと思う。

 


現場進捗状況

2015-09-10 15:02:18 | 土木

久しぶりの晴れ間に、現場は一安心。

 

工事名:公共下水道工事

工事場所:新城市石田地内

発注者:新城市

法務局の前の道から変電所に向かう細い道にて、下水道管を埋設しています。

日中、一部通行止めとなります。

また、工事が進むにつれ、通行止め区間が変わっていきます。

何かとご不便、ご面倒をおかけしますが、何卒ご協力よろしくお願いします。

 

 

工事名:歩道設置工事

工事場所:新城市牛倉地内

発注者:愛知新城設楽建設事務所

右側の車線に歩道帯を設置します。

途中、大宮川を越えていくため、難工事となります。

安全施工に努めてまいりますので、何卒ご協力のほどよろしくお願いします。


児童クラブ視察

2015-09-09 11:40:06 | 日記

今年の4月1日から、新城市役所に非常勤で勤めていると、

以前に、このブログに記したものの、

それ以来、何をしているのか書き記したことがなかった。

 

自治振興事務所の主要業務の1つである「地域活動交付金の審査会」が終わり、

もう1つの「地域自治区予算の建議」についても、概要がおおよそ固まってきたので、

これからは少しづつ、自分自身のメモ代わりも兼ねて、その活動内容を書き記しておきたい。

 

昨日、新城自治区の地域住民の方で構成される地域協議会委員の皆さんと、

新城小学校内にある放課後児童クラブを訪れた。

目的は、児童クラブの現状把握のためだ。

 

この訪問のきっかけとなったのは、来年度の自治区予算建議に向け、

自治区内の各層からヒアリング行っていた際の、こども園の保護者の方々からの発言だった。

それは「新小の児童クラブが2箇所に分かれているため、友達同士がバラバラになってしまうのに加え、

両施設ともに設備上の問題があって不安」とのこと。

 

新城児童クラブ、旧用務員室を利用しているため、建物が狭く古い。トイレも1つしかなく不便。

 

中央児童クラブ、小学校から余裕教室を利用させてもらっているが、エアコンがなく暑い。

 

つまり、「児童クラブを1つにして、エアコンを設置して欲しい」という保護者からの切実な要望だ。

無論、市の担当課(こども未来課)もこのことは以前より十分に承知している。

だが、すぐに有効な手立てがうてないのが現実だ。

 

上記の要望に対する満点回答は、「児童クラブの新設」である。

だが、新城小学校の児童数は年々減少しており、市の公平性の立場からすると、

児童数が多くかつ減少率も低い、千郷小学校や東郷西小学校等の方が新設に関しては優先度が高く、

実現できるのが、いつになるか分からない。

 

ここで、児童数が少なければ、いずれ1つの余裕教室に集約されるので、

そこにエアコンを新たに付ければいいだけじゃん、思われるかもしれない。

 

だが、共働き世帯の増加によって、児童数の減少と児童クラブの利用率は反比例しているのが実状だ。

そのため、現行の教室1つでは全然キャパが足りない。

定員40名に対し、通年利用者が54名、夏休みとなればさらに20数名が増加する。

 

では、その隣の教室を新たに借りるという手は?

こちらは、現在はたおり教室として使用されているとともに、

そもそも、現在のかたちが「一時的に教室を借りている」状態であり、

トイレ等の配置の関係上、間仕切りも簡易的なため、

児童クラブ利用者も、まだ授業中の児童も互いに出入り自由な状態となり、あまり好ましくない。

平たく言えば、「収拾がつかない」ということだ。

 

さて、困った。

 

しかしながら、見学後は協議会委員からは様々な意見が飛びかった。

・やっぱり現行の新城児童クラブを取り壊し、同敷地に2階建てのプレハブを建てたらどうか?

・道を挟んだ向かい側に空き家があるので借りたら?

・学校給食がセンター方式になれば、給食室が空くのでそこを改修したら?

・学校使用スペースとの間に間仕切りをし、トイレを新たに外につくって児童クラブを独立させる。

 

様々な立場の地域住民で構成される地域協議会だからこその、柔軟かつ多様な意見。

これこそが地域協議会の最も重要な役割だ。

 

もちろん、これからまた1つ1つのアイデアを精査していけば、

行政的には「できない」理由が新たに出てくるのであろうが、

そこをまた、みんなで知恵を出し合い、乗り越えていきたいと思う。