先週の9日(水)に、第7回千郷協議会が開催された。
メインの議題は、平成28年度の千郷地域自治区予算(1276万円)の使途の決定。
これまで2ヶ月にわたり計3回の協議を経てきた。
第4回(7/9)地域の課題抽出と改善策の提案
第5回(8/5)候補事業の仕分け作業(A:継続協議 B:積算 C:関係機関と調整)
第6回(8/23)積算に関する基準の統一(市補助制度事業との住み分け)
結果、当初候補に上がった44事業から、20事業へと絞り込まれてきた。
このうち3事業は、絶対必要経費(AEDの年間リース料ほか)のため、
残る17事業から、予算枠(1276万円)に収まるように事業選択することとなる。
が、大きな問題が……。
17事業の積算結果は、16,657,000円。
絶対必要経費(1,159,000円)を除いた、平成28年度事業予算は11,607,000円。
その差、なんと5,050,000円!
これを、今回の協議会で解決しなければならない。
当然、それぞれの事業にはそれを提案された方の想いもあるし、
その事業の必要性については、これまでの協議会で協議もしてきている。
だが、予算が超過している以上は、優先順位をつけて取捨選択するしかない。
誰にとっても、一番、辛い作業だ。
事務局としては、この作業をできるだけ明確に、そして遺恨を残さないかたちで行いたかった。
そこで、担当者より各事業説明をプレゼン形式で行った後、
各協議会委員に、17事業の内、優先度が高いと思う事業を10個、選んでもらった。
その場での挙手だと、周囲の人の目も気になり、選択に迷いが生じるため、
これを、グループワークではよく使う「シール」を用いた手法で行った。
結果はこのように。
予算の枠内で上位から選んでいくと、以下の6事業の採択となる。
・青パト隊結成のための帽子とベストの支給
・千郷西こども園への防犯灯設置
・防災備品の貸与と購入に対する補助(購入費の1/4)
・千郷東こども園へのエアコン設置
・地域安全灯設置に対する行政区への補助(設置費の1/2)
・AEDの設置
多数決ということであれば、これで決定だ。
残額の2,557,000円は、優先順位第7位のカラー舗装の工事費に充てることになり、
残りの10事業については、来年度の事業化を見送ることとなる。
果して、本当にそれで良いか?
ここから、また協議が始まった。
上位事業からその中身について、再度、精査してみようと。
真っ先に協議会長から、自身の行政区のAEDは先送りして、
他の事業を優先させても良いと発言があった。
この会長の英断がきっかけとなり、防災備品の貸与個数の縮減、
カラー舗装の複数年計画化などが次々と提案され、
結果、15事業が採択されることに。
それぞれの事業を少しづつ見直すことで、
つまりそれは、各委員が譲れるところを譲り合ったことで、
より多くの事業が実施されることとなった。
常々、安直な「多数決=民主主義」のような考え方に、違和感を覚えていた。
行き過ぎた数の力の正当化は、熟議をないがしろにする。
だが、千郷協議会では、多数決による結果をひとつの参考にしながら、
少数意見にもしっかりと耳を傾け、より多様性に富んだ結果を導き出した。
この結果に、協議会委員全員が100%納得したわけではないかもしれない。
それでも一定の合意を得たことは、この進め方に少なからず妥当性を見出してくれたのではないかと思う。
何が正解かは分からないが、
これからも、100%納得はできなくとも、互いに理解をし合いながら、ことを進めていきたいと思う。