先週の金曜日、森林整備加速化・林業再生事業新愛知県協議会主催による
「林業専用道の計画と設計検討会」が、豊田市内にて開催されました。
国はいま、森林・林業再生プランの中で、
木材自給率の50%を目指し、路網の整備を進めています。
http://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/saisei/pdf/saisei-plan-image.pdf
しかしながら、奥深い山の中に安価で崩れにくい道を造るのはなかなか困難なことです。
そこで、林野庁の指導のもと、このような研修会が開催されています。
計画・設計がメインのため、参加者は自治体職員の方がほとんど。
民間事業体は当社1社のみでした。
はじめに、昨年完成した林業専用道陣手線の見学。
路面は耐久性向上のため、アスファルト再生骨材で仕上げられていました。
法面高が5mにもなる箇所もあり、「もう少し道のセンターを谷側に移した方が良かったのでは?」
との指摘もありましたが、谷側には民家があるため、安全対策上、やむなく山側に移したとのこと。
実際の線形を決める際には、周辺環境や山林所有者の意向等も考慮しなければならないため、
机上での理想どおりにはいかず、限られた条件の中で最善の選択をすることが必要となります。
林業専用道開設後、実施された列状間伐。
光も入って気持ちの良い山となりました。
山林所有者の方もとても満足され、他に所有する山でもやって欲しいとの声も出てるそうです。
次に視察したのは、現在開設中の林業専用道山角線。
はじめに地元森林組合が伐開しながら道をあけ、その後、建設業者が道を整形していきます。
ご覧のように、これまで道がなかったために、長年、手入れがされていなかった山は、
木の生育も悪く、真っ暗です。
こうして道を一本開けることによって、山の手入れが進み、木材自給率の向上に繋がります。
まだ未開設の部分もあり、そこもみんなで歩きながら、線形について意見交換をしました。
各国の木材自給率は、ドイツで87%、オーストリアでは100%だそうです。
日本の場合、地形的な問題、森林所有の問題、木材品質(枝虫材)の問題等々もあり、
路網整備だけでは解決できない問題が多々ありますが、
当社では、これまでの土木工事での経験を活かし、
路網整備を通じて日本の木材自給率の向上に寄与してまいりたいと思います。