三代目虎真之助blog 『森から出たまこと』

「森はいのちの源」 奥三河の森から学んだこと、感じたこと、得たものを書き記しています。

ドイツ視察研修10

2018-05-31 10:07:36 | 森づくり

ドイツグルメのつづき。

 

4日目 昼食。

州庭園博覧会の中に設置されている簡易な飲食スペースで。

ドイツは3度目となるが、これは初めて食べた。

カレーソーセージ。この地方の名物らしい。

結構辛いがおいしい。

昼間っからビールを飲んでるのがバレてしまうが、それも視察の1つということで…。

ドイツではそれぞれの地域地域に地ビールがあり、地元民がまるでお茶代わりに愛飲している。

 

4日目 夕食。

ホテル近くのスパニッシュ系レストランで。

旬のホワイトアスパラを使ったピザ。

このホテルのあるまちは、先にも書いたが、人口約20000人。

新城市の半分以下だ。

それでも、こうした地元のレストランがやっていける。

市民が、地元をホントに愛していることの表れだろう。

 

5日目 昼食。

シュバルツバルトの森を案内してくれたフォレスター(森林官)のランゲ氏の地元のレストランにて。

ビーターバッハ村。人口わずか数千人の村だ。

それでも、こんな素敵なホテルとレストランがある。

「今日は鹿があるけど、食べるか?」と聞かれ、迷わず注文。

どんな料理が出てくるかと思ったら、予想を裏切るかたちの一品が登場。

まさか煮込んであるとは!

日本では、鹿は火を通し過ぎると固くなるとよく言われるが、全然そんなことはない。

これは肉も柔らかくておいしかった!! 付け合わせのベリー系ジャムとの相性も抜群。

ぜひ、今度、地元の鹿肉をいただいたら真似してみたい。

 

5日目 夕食。

最後の晩餐は、ホテルのレストランで。

このホテル、食事が有名で、日本でいえば料理旅館のようなスタイル。

最後の夜に、その味を堪能する。

これは、ちょっとうる覚えだが、やはり地元料理の1つらしい。

奥にみえるのは、ポテトのお好み焼きのようなもの。

それに、手前の豚肉ときのこのソースをかけて食べる。

これが、またおいしい。

日中の研修は結構ハードなのだが、この食事のおいしさで疲れが癒される。

 

 

ところで、「ドイツといえばソーセージ」という固定観念は、

「日本食といえば、寿司と天ぷら」というようなものだろうか。

では、新城を訪れた外国人旅行者に、何をふるまうのが良いか。

いろいろ考えさせられるドイツグルメの数々であった。


ドイツ視察研修9

2018-05-30 11:38:30 | 森づくり

今回のドイツグルメをご紹介。

この視察ツアーは参加者が少人数で、

かつ現地在住のコーディネーターが行程を組んでいるため、

いわゆる観光客向けのレストランではなく、

地元の方々が通う本当においしいお店に行けることが魅力の1つ。

 

2日目 朝食。

まだみんなと合流する前のため、1人でターミナルにあるカフェでモーニング。

ドイツといえば、やっぱりプレッツェル。

ここは、ドイツ鉄道(DB)のSバーン(長距離鉄道)のターミナル。

そのため、大きなキャリーバックをもった観光客やビジネスマンで溢れかえっている。

いかにも旅に来た感じがして、気分も高揚する。

 

 

2日目 昼食。

かの文豪ゲーテも通ったという1700年代創業のレストラン「Zum Storch am Dom」。

注文したのはフランクフルトプレート。

スモークポークにフランクフルト、ミートローフなど数種類の肉料理が1つのプレートに盛られている。

付け合わせは、ザワークラウト(キャベツの漬物)。

量も多くて、ドイツ感満載。

ここまでは1人旅だったため、ちょっとミーハーな食事。

 

2日目 夕食。

今回の参加者のみなさんと合流。

フランクフルト空港からホテルまでは、アウトバーンを使っても3時間ほどかかる。

そのため、途中にあるホテルのレストランで食事。

シュニッツェル。

ドイツやオーストリアで定番の子牛のカツレツ料理。

だいたいどのレストランにもあるので、これまでも滞在中は必ず1度は口にする。

もうこの日はホテルに行って寝るだけなので、ワインもいただく。

シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)。

https://www.vinello.de/tag-fuer-tag-spaetburgunder-trocken-1-liter-frankhof-weinkontor

1本1,000円もしないが、かなりおいしい。

ドイツワインというと、甘い白ワインを思い浮かべる方もいるかと思うが、それも固定観念。

ピノ・ノワールもドイツを代表する品種の1つ。

 

3日目 夕食。

この日は行程がタイトで、昼食はヴォーバン地区のカフェで簡単にパンとドリンクのみ。

写真も撮り忘れるほどの慌ただしさ。

その代わりに、夕食はフライブルグ市街が一望できる山の上のレストランで優雅にディナー。

ドイツ名物の旬のホワイトアスパラのスープとラム肉の香草焼きをチョイス。

料理に合わせ、この日は地元BADEN地方のカベルネ・ソーヴィニヨンをいただく。

 

なんだか、こうしてグルメばっかりでくくると、本当に研修してるのかと思われそうだが、

そこは、ここまでに書いてきた日記を合わせてご覧ください…。

 

3日、4日のグルメレポートは、また明日。


ドイツ視察研修8

2018-05-24 08:24:45 | 森づくり

州庭園博覧会。

都市の空き地を多目的公園として造成し、半年間にわたり開催される緑のイベント。

イベント後も都市のグリーンインフラとして多目的に利用される都市計画でもある。

 

バーデン=ヴュルテンベルク州での今年の開催地はLahr。

http://landesgartenschau-lahr2018.de/

人口4万4000人あまりだから、新城市より少し小さいぐらい。

 

敷地面積はおよそ30ha(確か……)

ぐるっと回るだけでもゆうに2時間以上かかる。

 

会場入り口を入ると目に飛ぶ込んでくるのは、斬新な「小屋」の数々。

さすが、クラインガルテンの本場だけある。

 

これは、一家4人が暮らすのに必要とされる畑の規模も合わせて示した展示。

 

これらの展示スペースは、イベント終了後には実際にクラインガルテンとして活用される。

イベント期間中でも、すでに売り出されている区画もある。

ここはすでに契約者が決まっており、これから小屋や周辺を契約者が自分でアレンジしていくそうだ。 

 

以前、新城市の市民まちづくり集会で「座れるまち」の提案があった。

その際に、知人よりドイツでの事例をご紹介いただいたことがある。

この会場でも、様々なスタイルのベンチの提案があった。

これは最近ドイツで人気があるという、パレットを用いたベンチ。

 

 敷地内には幼稚園も建設されており、すでにオープンしている。

 

 さて、次の展示、これは何でしょう?

これは、墓地の提案。

近年、ドイツでも墓地の管理の問題が増えてきており、新しい墓地のスタイルが試みられている。

 

樹木葬も人気。

これはビーンハウスに故人の名前を刻む共同墓地スタイル。

 

こちらは、実際に樹木を植え、周囲に葉を模したオブジェを配置し故人の名前を刻むタイプ。

この展示スペースも、イベント終了後には、実際に墓地として区画販売される。

 

それ以外にも様々な展示物があり、家の外構やガーデニングを考える際のヒントがたくさんある。

 

 健康遊具の展示。

日本でも一時期、公園に健康遊具を設置することが多かったが、

ドイツのそれは、かなりスタイリッシュ。

 

見どころはたくさんあり、なかなか面白いのだが、ネックは日影がないこと。

実は4月12日にオープンしたばかりで、まだこれから樹木が成長していくからとこのこと。

 

イベント終了後には、きっと緑あふれる心地よい市民公園になっていることだろう。

 こうして毎年、各州のどこかの自治体で庭園博覧会が開催され、

単にイベントで終わらせることなく、グリーンインフラが整備されていく。

実に、よく考えられた仕組みだ。

 


ドイツ視察研修7

2018-05-21 14:14:36 | 森づくり

3回目のドイツ視察となるが、今回も前回同様に集合日の1日前にドイツ入りした。

この視察は、現地集合・現地解散のため前後に自由が利くのも魅力。

フライトは自分で手配しなければならないが、ネット社会では特になんの不便もない。

簡単にできてしまうだけに、旅行会社の経営の厳しさを逆に実感する。

 

今回は、前日発の方がドイツでの1泊のホテル代を含めても翌日発よりトータルで安く、

前日が土曜日であり、仕事への差しさわりもないため、迷わず前日のフライトに。

 

とはいえ、ドイツでは日曜日は基本的に法律でお店はすべて休み。

働き改革が叫ばれる日本だが、ここまで大胆な政策を打ち出せるだろうか??

 

そこで、日本ではあまり足を運ぶことはないのだが、美術館巡りをすることに。

 

◇シュテーデル美術館

200年前に開館した歴史ある美術館。

700年前の作品から現代アートまで幅広い作品が常時600点以上展示されている。

ヨーロッパの美術館は、写真を撮っても良いとのこと。

なぜ、日本はダメなんだろう??

Peter Paul Rubens

Pablo Picaso

MAX BECKMANN

 

所蔵コレクションの素晴らしさもさることながら、美術館自体のつくりもオモシロい。

美術館って、こんなにカラフルだっただろうか?

でも、この壁の色彩によって、どんどん奥の部屋へと引き込まれていく。

 

地下はがらっと変わってモダンアートの世界。

難解だ……。

 

もう1軒訪れたのは、そのモダンアート専門の美術館。

こちらは、勝手には撮影できないが、受付で申請すればOK。

ここにサインしろと言われてしたが、但し書きになんて書いてあったかは不明……汗

 

◇モダンアート美術館

いきなりとまどう…。

それでも、いかにもモダンアートという作品も並ぶ。

Andy Warhol

 

一番難解だった作品はこれ。

パンに羽がついて列をなして飛んでいる…。

しばらく見入ったが、まったく分からなかった。

 

古典の名作から、現代美術まで、なかなか楽しめた初日であった。


ドイツ視察研修6

2018-05-18 08:48:54 | 森づくり

研修2日目。

いよいよ森に入ってのフィールドワークだ。

この写真、今回自分が一番気に入っているものだ。

道を境にして、右と左の森の違いがお分かりになるでしょうか?

実はこの森は兄弟で所有しており、左が兄、右が弟。

15年前に同時に間伐を実施し、施業したのはどちらも弟の息子。

唯一の違いは、選木の仕方。

左の森は森林官のランゲ氏に依頼し、不均質な選木が行われた。

右の森は弟の息子が自ら選木し、均質な選木が行われた。

結果はご覧の通り。

兄の山。

弟の山。

 

不均質な選木・間伐を実施すると、林内に入る光の量も不均質になる。

そのため、陰樹と陽樹のどちらもが、その林内にて成長するようになる。

一方、均質な選木・間伐を実施すると、林内に入る光の量も均質となる。

そのため、単一種だけが、その林内にて成長するようになる。

 

15年経つと、これだけ林内の樹種の構成に違いが出る。

もちろん、単一種だけを育てるプランテーション型の林業のやり方もある。

愛知県内でみられる森林の多くは、このやり方だ。

 

しかし、プランテーション型は市場の変化に弱い。

その樹種の需要が減少した時には、林業経営が立ち行かなくなる。

まさに、今の日本だ。

 

一方、多様な樹種の構成となっていると、そのときの市場に合わせて出材ができる。

つまり、安定経営ができるというわけだ。

 

むろん、利用(木材生産)目的ではなく保養(レクリエーション)目的で森を見た場合に、

どちらがより好まれるかは、一目瞭然だ。

 

前述の森林、15年を経て、次の間伐に向けた選木を行うこととなったが、

右の森林所有者である弟は、今度はランゲ氏に依頼したそうだ。

 

ランゲ氏曰はく、「山主は頑固」。

そのため、いくら言葉で伝えようとしても伝わらないことがある。

それならば、共感してくれた人の森で「モデル」をつくって見せた方が理解が早いと。

 

この山には、ランゲ氏が手掛けた森がいくつもある。

どこをみても不均質な間伐により、多様な樹種が育っていた。

森林官には、ゆるぎない信念とそれを裏付ける豊富な知識と粘り強い性格が求められる。