本日、新城市愛郷字猪藪地内にて、表記の検討会が開催された。
主催は新城森林組合。
以前、愛知県では、3点セット(スイングヤーダ・プロセッサー・フォワーダー)による列状間伐を推進していたが、
山によっては、そのシステムがそぐわない場合もあるため、新しい林業機械による新しいシステムが開発された。
その勉強会。
岐阜県や長野県からも林業関係者が参加しており、あまりの人の多さにうまく写真が撮れなかったが、
これまでのスイングヤーダーとの違いは、主索用ウィンチをそなえており、アームを元柱として利用することで、
100m先まで集材できるという点。しかも、横取りもでき、魚骨状間伐を可能にしている。
また、線はワイヤーロープではなく、軽量の繊維ロープを使用している。
これにより、従前の3点セットによる列状間伐システムの際に生じた、
「急傾斜地で路網開設費用が高い」 (3点セットの場合、50m先までの集材となるので路網密度を高くする必要がある)
「列状間伐への理解が得られにくい」 (列状間伐の歴史が浅いため、昔から山をよく知ってる方は懐疑的)
「労働強度が高く、負担が大きい」 (ワイヤーは重量があるため傾斜地を引っ張って移動する際に作業者の負担となる)
等の課題が改善されている。
特に、繊維ロープの使用は、取り扱いやすく作業者の疲労の蓄積を抑えることができる。
昨年ドイツ視察にいった際に、「安全作業のためには、作業者が快適に動ける軽量かつ強靭な防護服が必要」との教えがあり、
それは作業システムにおいても同様のことがいえる。
ちなみに、今回デモを担当してくれた写真の2人は、まだ20代の、それも兄弟だそうだ。
頼もしい。
繊維ロープだが、引っ張られると10mmぐらいの細さに締まる。
それで8トンまで耐えられるそうだ。
唯一の難点は、岩等の鋭角なものでこすれると切れやすいこと。
だが、開発した企業の担当者曰く、「切れた際でもワイヤーよりも、その後の編み込みが楽」とのこと。
元は漁業用のロープからヒントを得たそうだ。
林業機械並びに作業システムはどんどん進化している。
課題は、山ごとに形状が異なり、1つのシステムですべてに対応するのが困難なこと。
となると、複数のシステムと機械が必要となるが、林業機械はかなり高額。
(今回の機械も1台2400万円とか・・・)
1つのシステムとそれに必要な機械を保有して、集材作業に特化したかたちで、
奥三河及びその周辺地域も含めたぐらいの広範囲で請負営業していく、
そんなスタイルが求められるのかもしれない。