三代目虎真之助blog 『森から出たまこと』

「森はいのちの源」 奥三河の森から学んだこと、感じたこと、得たものを書き記しています。

新城地域先進的林業機械緊急実証・普及事業 現地検討会

2014-01-28 17:55:13 | 森づくり

本日、新城市愛郷字猪藪地内にて、表記の検討会が開催された。

主催は新城森林組合。

 

以前、愛知県では、3点セット(スイングヤーダ・プロセッサー・フォワーダー)による列状間伐を推進していたが、

山によっては、そのシステムがそぐわない場合もあるため、新しい林業機械による新しいシステムが開発された。

その勉強会。

 

岐阜県や長野県からも林業関係者が参加しており、あまりの人の多さにうまく写真が撮れなかったが、

これまでのスイングヤーダーとの違いは、主索用ウィンチをそなえており、アームを元柱として利用することで、

100m先まで集材できるという点。しかも、横取りもでき、魚骨状間伐を可能にしている。

また、線はワイヤーロープではなく、軽量の繊維ロープを使用している。

これにより、従前の3点セットによる列状間伐システムの際に生じた、

「急傾斜地で路網開設費用が高い」 (3点セットの場合、50m先までの集材となるので路網密度を高くする必要がある)

「列状間伐への理解が得られにくい」 (列状間伐の歴史が浅いため、昔から山をよく知ってる方は懐疑的)

「労働強度が高く、負担が大きい」 (ワイヤーは重量があるため傾斜地を引っ張って移動する際に作業者の負担となる)

等の課題が改善されている。

 

特に、繊維ロープの使用は、取り扱いやすく作業者の疲労の蓄積を抑えることができる。

昨年ドイツ視察にいった際に、「安全作業のためには、作業者が快適に動ける軽量かつ強靭な防護服が必要」との教えがあり、

それは作業システムにおいても同様のことがいえる。

ちなみに、今回デモを担当してくれた写真の2人は、まだ20代の、それも兄弟だそうだ。

頼もしい。

 

繊維ロープだが、引っ張られると10mmぐらいの細さに締まる。

それで8トンまで耐えられるそうだ。

唯一の難点は、岩等の鋭角なものでこすれると切れやすいこと。

だが、開発した企業の担当者曰く、「切れた際でもワイヤーよりも、その後の編み込みが楽」とのこと。

元は漁業用のロープからヒントを得たそうだ。

林業機械並びに作業システムはどんどん進化している。

 

課題は、山ごとに形状が異なり、1つのシステムですべてに対応するのが困難なこと。

となると、複数のシステムと機械が必要となるが、林業機械はかなり高額。

(今回の機械も1台2400万円とか・・・)

1つのシステムとそれに必要な機械を保有して、集材作業に特化したかたちで、

奥三河及びその周辺地域も含めたぐらいの広範囲で請負営業していく、

そんなスタイルが求められるのかもしれない。


エアレーション

2014-01-21 14:08:07 | 土木

新城総合公園陸上競技場の芝生修復のため、エアレーション作業中。

昨秋、開催された新城ラリー。

4万人を超える来場者があり、大成功に終わったわけだが、

実は競技場内は、台風27号により当日朝まで降り続いた雨の影響で最悪のコンディション。

 

結果、芝生が踏み固められてしまったことにより、根の生育環境が相当悪化し、来春の芽吹きに支障をきたしていると判断。

 

芝生修復のため、コアリング(芝生の古い根を抜き取り、土壌の通気性・透水性を改善する作業)と肥料散布、

そして、目土散布(芝の上に薄く均一に砂をまき、凸凹の修正やほふく茎の保護により芝生の発育を促進させる作業)を行うことに。

 

コアリング作業中。

トラクターのような機械で、3~4cmの穴をあけていく。

デモンストレーションコース下は特に固く、これ以上は刃が入りにくい。

コアリング作業完了後、肥料散布、目土散布と続く。

作業面積は約9000平方メートル。

本作業は、今週いっぱいかかる見込み。

後は、来年の芽吹きを祈るばかり……。

 


火災現場解体工事

2014-01-20 18:14:48 | 土木

昨年暮れに発生した火災現場の解体工事を本日から着手。

作業中、通りすがりの方たちから、「2~3日ぐらいかかるの?」と聞かれる。

 

重機を使用して何もかもいっしょくたんに片づけてしまえば早いと思われているようだ。

でも、今はそういう時代ではない。

 

例えば、火災当日に家屋から一時的に運び出したこれらのもの。

これだけでも、「紙・布類」、「木端」、「木材」、「炭化した木材」、「金物類」、「瓦」、「陶器類」、「廃プラスチック類」等々、

複数の分別が必要である。

また、分別したものを運搬する先も、別々である。

市の焼却炉には、「紙・布類」、埋め立て施設には「木端」や「陶器類」「廃プラ類」等しか持ち込めない。

これら以外のものは、民間のそれぞれ処分に関する許可を有する施設にしか持ち込めない。

「炭化した木材」などは、豊川市内の処理施設まで運ぶこととなる。

今回の被災面積はおよそ800平方メートル。

おそらく、すべての解体撤去には1ヶ月半~2ヶ月ぐらいかかると見込んでいる。

被災された方の気持ちや、周辺の方の不安を思うと、できる限り早く完了したいとは思う。

だが、こうした事情があることも是非ご理解いただきたい。

 

何卒よろしくお願いします。

 


林業専用道落ノ沢線

2014-01-13 16:07:01 | 森づくり

新城市大野地内にて、林業専用道を開設しています。

 

既存林道の拡幅

既存林道の終点から新たに専用道を開設

予定より土量が多いため土捨て場を新たに開設

拡幅及び開設に伴う伐倒木は建築用材とチップに分別して出材

 

現場は急傾斜地に加え、破砕帯と呼ばれる断層も周辺で見られるため、かなりの難工事となりますが、

安全施工を心掛け、当地域の林業再生の一助となるよう務めてまいります。

 

なお、本日の午前中は作手の現場へ。

11時過ぎでも、陽の当たらない道路には雪が残っていました。

同じ新城地内でも、ずいぶんと違うものです。