日刊ゲンダイ2018年4月27日
安倍政権は嘘ばかり 国民が知りたい南北会談の裏と今後<1>
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安倍政権は嘘ばかり 国民が知りたい南北会談の裏と今後<2>
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安倍政権は嘘ばかり 国民が知りたい南北会談の裏と今後<3>
■北朝鮮の非核化、これが現実的なシナリオ
「平和実現に向けて段階的で歩調を合わせた措置を取るなら半島の非核化は実現できる」――。金正恩は中国の習近平国家主席との首脳会談で、こう断言した。
カギは「段階的で歩調を合わせた措置」のくだりだ。これは中国が主導した6カ国協議で、朝鮮半島の非核化と平和構築について明文化した2005年9月の共同声明に盛り込まれた〈約束対約束、行動対行動で段階的に進む〉を意味する。つまり、金正恩は「段階的な非核化」であれば実現可能であり、過去には米国や韓国、日本も同意していたではないか――というメッセージを発しているのだ。
元韓国国防省北朝鮮情報分析官で拓大客員研究員の高永テツ氏はこう言う。
「この『段階的な非核化』が時間稼ぎではないか、と批判的に見られているワケですが、現実問題として、いきなりのCVID(完全かつ検証可能で、不可逆的な非核化)の実行は難しい。IAEA(国際原子力機関)の査察受け入れから始まり、具体的なロードマップを作り、一歩ずつ進むしかありません。そうして共同声明の『約束対約束、行動対行動』の原則に沿って、北への経済支援なども行う。そうやって南北関係だけではなく、米中日ロが北との信頼関係を醸成し、平和体制を構築する以外に現実的な非核化のシナリオはありません。北にとっても大きく経済成長するチャンスであり、体制維持のためにも悪い話ではないはずです」
「北は絶対に核を手放さない」との声もあるが、中国国内では、中朝国境に北の核を保管、封印する倉庫をつくり、5カ国共同で監視する――といった意見も広がっている。いずれにしても、金正恩が「もはや核を持つ必要はない」と思うまで地道な協議を続ける以外にない。
■北が核放棄、平和条約となれば日本の安全保障はどう変わる?
南北会談で非核化と並ぶもうひとつのキモは、1953年に米軍中心の国連軍と朝鮮人民軍、中国人民義勇軍の3者が調印した「朝鮮戦争」の休戦協定に区切りをつけ、平和条約へと転換する道筋をつけられるか、だ。
仮に北が核放棄、平和条約締結をスンナリ受け入れた場合、これまで北に対して「対話のための対話はしない」「最大限の圧力が必要」と拳を振り上げてきた日本の安全保障はどう変わるのか。
元外交官の孫崎享氏は「まず、休戦協定の当事者は南北だけではなく、平和条約までこぎ着けるには米国の同意が欠かせない。核放棄と同様にハードルが高いでしょう」と前置きした上で、こう続ける。
「北が平和体制の構築へとカジを切れば、日本の安全保障も当然、見直しを余儀なくされるでしょう。これまで『北の脅威』を理由に迎撃ミサイルや在日米軍などを拡充してきたわけですからね。本来は日本も早い段階で北との対話交渉に乗り出すべきですが、安倍政権は圧力一辺倒を主張してきたため、対話のルートを何も持っていません。
今後、どう展開していくか分からない朝鮮半島情勢に対して明確な外交方針も戦略もない。頼みの米国も『日本は黙っていろ』というスタンス。ポンペオCIA長官と金正恩との会談が日本政府に対して事前に何ら知らされていなかったのが証左です。対米従属の日本の安全保障の仕組みを見直すべき時が来ているのです」
「困ったときの北頼み」の安倍無策外交も終わりだ。
■それでも予断を許さない悪夢のシナリオの可能性
「非核化するまで補償はない」。強硬路線から対話路線にカジを切った北に対し、トランプ政権が繰り返し言い続けているのが、核放棄先行、補償は後――という「リビア方式」の受け入れだ。
リビアのカダフィ大佐は2003年、米英両国との水面下での交渉を経て、核を含む大量破壊兵器の放棄を宣言。核施設の公開や弾道ミサイル廃棄に応じた。ところが、カダフィは11年、米欧が支援する反政府勢力によって殺害された。
北の機関紙「労働新聞」は〈米国の誘惑と軍事的恐喝によって銃床を下ろすことが、どれほど残酷な結果を招くかはイラクとリビアの悲劇的現実が物語る〉と報じていた。米朝会談で北が主張する「段階的な非核化」が受け入れられなければ、たちまち「交渉決裂」となりかねない。そうなれば、どんな展開が待ち受けているのか。外交評論家の小山貴氏はこう言う。
「トランプ大統領は北に対して綿密な外交戦略を持っているわけではありません。米側の要求が金正恩委員長に早々に突っぱねられて感情的に陥り、『軍事行動だ』などと言い出す可能性は十分あります」
駐豪大使に指名されていたハリス太平洋軍司令官が急きょ、駐韓大使に起用される見通しになったのも不気味だ。「米軍はいつでも動ける」という北へのプレッシャーとも受け取れるからだ。
「交渉決裂の場合、11月の中間選挙を控えたトランプが低迷する支持率の回復を狙って北の空爆に踏み切るかもしれない。当然、北は反撃し、韓国、日本も巻き込まれるでしょう」(高永テツ氏=前出)
言うことが全く信用できない安倍政権が続く限り、交渉からは蚊帳の外で、戦争リスクだけが高まっていく。悪夢のシナリオを回避するには安倍退陣が最低条件だ。
長くなってしまうので<3>だけを掲載しました。気になる方は直接ご覧ください。
さて、いよいよゴールデンウイークです。楽しい休日をお過ごしください。北海道の農家にとってこの時期は一番忙しい時です。
ヤチブキ(エゾノリュウキンカ)
まだ小さかったけれど、葉っぱを少し摘んできました。今夜お浸しにして食べます。少しぬめりがありホーレンソウより食べやすい。
こちらは雪の下から出てきたイタリアンパセリ。
昨年春に定植したもので、これから初夏にかけて食べられます。