五高の歴史・落穂拾い

旧制第五高等学校の六十年にわたる想い出の歴史のエピソードを集めている。

教育家が観察した日清戦争

2010-01-03 03:14:04 | 五高の歴史

テレビドラマ「坂の上の雲」では日清戦争・日露戦争の場面も終わったが旧制高等学校の学生・教職員の間ではこの戦争に対する批判もいろいろあったのだろう。五高では湯原元一は(ドイツ語教授在職期間、明治27年7月31日から29年3月25日迄)教育家としての立場から日清戦争を観察し、下記のような二要点を述べている。 その一、十年以前は欧化主義流行し、壽で其反動来たり、或は国体論となり、或は美術保存論となり、所謂日本主義なる者行われ、暫らくして教育勅語喚発せられたり。されど此日日本主義が救急の場合に如何ほど効果あるやに至りては、誰も之を証言するものあらざりき。而して今日に至りて、我国粋は活動を始めたり吾人其活動を雅山に於いて又豊鴨に於いて見る。「規則に依る道は遠く、実例に依る道は近し」とセネカの云えると適切なると請うべし。 その二、教育家の職務は神聖なる事相違なしと雖も、所謂『名誉の中にある牢人』たるを免れず。されば吾人は安心を職務に求め可らず。而して事の結果は間接に現れ来るものなれども、是を決して虚栄にはあらざるなり。ビスマルク言わずや『セダンの戦勝は余とモルトケ将軍との功績あらずして、小学教師の功績なり』と             

     NHKのドラマ「坂の上の雲」が放送されていますが、この時代に合わせて日露戦争と五高と言うことで特別展が行われていますので、一度眺めて下さい。        

  期間は22年1月31日までです