五高の歴史・落穂拾い

旧制第五高等学校の六十年にわたる想い出の歴史のエピソードを集めている。

創建当時の五高の建物の写真

2008-10-30 04:44:25 | 五高の歴史
五高の創建当時の建物を撮影した写真が五高記念館第二展示室に展示してある。これは明治の熊本の写真家富重利平(1837-1922)が撮影したもので、彼は明治の熊本の風俗、建物、人物等を撮影し後世に多大なる貴重な資料を残している。五高の写真は本館の全景、立田山中腹から写した北側からの全景、第五高等中学校と名札の掛かった赤門(昭和44年国の重要文化財に指定)等々をはじめ数点の創建当時の写真がある。撮影された明治22・23年頃にはまだ広角レンズが無かったと見え写真は2枚に分けられて撮影され中央部で繋ぎ合わされている。この写真にある玄関先の2本の槙の木はまだ全くの幼木で、それから120余年を経過した現在は、建物と全くマッチして風格のある樹木になっていることは、明治人が将来の樹木の成長を予測し建物から十分なる距離をおいて植樹していることは先見の明であろう。余談になるがこの写真ではまだ2本の楠は植えられていない。この1枚の写真からでも将来を予見をすることの大切さを教えているようには考えられないだろうか、なお熊本城四百年祭で復原工事が行われたが、熊本城の富重の写真は重要なる参考になったそうである。