五高の歴史・落穂拾い

旧制第五高等学校の六十年にわたる想い出の歴史のエピソードを集めている。

創設当初の阿蘇道場の様子

2009-01-30 05:44:03 | 五高の歴史
阿蘇道場も昨年二月の紀元の佳節に同窓会有志の方々を代表する建設委員会から、旧龍南会に贈呈されて以来もう一年近くになる。同四月には老夫婦を家番として委嘱し、心配していた水も具合よく堀り当てて、相当多量に程遠からぬ処から樋で引かれるようになり、その他内部の設備も暫時整って夏休み直前には旧龍南会総務部から道場を利用するように一般会員へ掲示された。七月から九月にかけて夏休み中ささやかな集まりではあったが、五日間づつ三回の合宿を試みることが出来た。
後に外輪山を控え前に阿蘇五岳を一望に見渡す道場にとって秋はとりわけ良い季節である。九月二十二日には秋日和に恵まれて屋外の国旗掲揚柱下に道場開場式が行われた。鉄道運輸の都合で会員全部が参列し得る運びにはなれなかったが、少数の代表のものの外に熊本より徒歩、式に列した数十名の有志会員があったことは誠に心強く感ぜられた。
その後大抵毎土曜団体で泊りがけの道場行が行われている。
かくして十一月にはいって旧龍南会は発展的解消を遂げ龍南学徒報国団が誕生し阿蘇道場も報国団の一部として一つの役割をつとめる事になった。そして僅か二週間に過ぎない此の冬休みにも前に五日、後に六日、二回に渡って合宿研修を子p頃見ることが出来た。
以上一通りの経過を述べるたに過ぎないが道場本来の使命を十分に発揮するということは短日月では勿論不可能であり、かすに長月日を以てしてもそう容易く出来ることではない。私はここで切に諸君の哀情に訴え度い)(飯島教授 報告より)