ぽれぽれ百綴り

犬好きおばさんのんびり雑記。

ケニアの旅 6.ナクル湖サファリ~マサイの女~

2011-10-05 10:26:23 | Singapore/たび・現実逃避

相方のパソコンからの更新です。

日本から来てくれる友人が今、空港でチェックインしたとの電話が入りました。
会えるのが、待ち遠しいです。

彼女の滞在中、夕ご飯は彼女と一緒に食べるので、相方の夕食はリクエストによりおでんを。
朝早く納豆作りを終えたばかりのあきらクンの尻をたたいて、
引き続きおでんを作りました。
日本から持ってきた貴重な最後の生芋こんにゃくも使って、炊き出しさながら大量生産。
いったい何日おでんを食べさせるつもりなのでしょうか?

 

それでは、ケニアの旅、
昨日から続くナクル湖サファリにもう少しおつきあいください。

Mさんのガイド顔負けの解説は素晴らしいものでした。

そして、特筆すべきはマサイの女。
Mさんが驚くほど動物に詳しいなら、彼女は驚くほど動物を見つけるのが早い。
 
「ほら、あそこにイボイノシシがいるわ」
指差す方向を見ても、私にはただの野っ原。
私にも見えるようになるまでには、サファリカーはさらに500mほど接近することになるのです。
     
サンコンさんみたいに、彼女も視力5くらいあると思います。

「群れの後ろのバブーン、赤ちゃんを連れているみたいね」
赤ちゃん!
どれ、どれ、どれ!?

サファリカーがぐんぐん近づいて、通り過ぎるくらいのタイミングで、う~んと凝視してやっとそれらしき粒が。

「あら、茂みの中にほろほろ鳥だわ」
ただの草むらと思ったら、ず~っと見ていたらなんだかガサゴソ動いてます。
  
あ、本当だ、水玉模様の鳥だ。アタマは水色。
イタリア料理教室で使ったほろほろ鳥、こんなにカワイイ配色の鳥だったんだ。

なんであんなにはるかかなたにいる動物も、
隠れている動物も、彼女には見えてしまうんでしょう?
マサイの女、エヴァリン。
おそるべし。

彼女とMさんがいたので、私の初サファリは楽しさ倍増でした。

サイ、バッファロー、シマウマ、トムソンガゼル、グラントガゼル、インパラ、レイヨウ、ハイラックス…
ナクル湖に生息するという草食動物は、ほぼすべて見られた模様。
これってとてもラッキーなことなんだそうです。
でも、どれがどれだか、私にはよくわからず、写真も撮ってなかったり。

マサイの女、エヴァリンは動物を見つけるのが早いだけではありません。
 
Mさんの動物の特徴とか生態についてのありがたい解説に続いて、
エヴァリンの、「あれ、おいしいのよ」とかいう貴重な情報が。
え?
おいしいって…?
マサイにとって野生動物は見て楽しむのではなく、食べて楽しむもののようです。
マサイの女、エヴァリン。
おそるべし。

ところで、ガゼルやインパラ、レイヨウなどは、立派な角を持っていて、体つきもシカみたいですが、
Mさんによるとみんなウシの仲間なんですって。
アフリカにシカの仲間はいないそうですよ。
知らなかった。
エヴァリンには、「あの辺はみんなヤギね」と、くくられていました。
エヴァリン、それはのことですね?

    マサイの女、エヴァリンにひとくくりにされたみなさん。
      
     
               
             シマウマは食べてないって。食べる部族もあるけれど。
             近くで見ると短足でずんぐりした体つきのシマウマ、マサイの言葉では、シマロバだそうですよ。
                          うん、そっちのほうがぴったり。
 
 
それにしても、本当に今日は大豊作だったようで、特に私が感激したのがこちら。
 
  

キリンです!!
わ~、こんなに間近で見られるなんて!
しかもあっちにも、こっちにも、ざっくざく。
大きいなあ。きれいな模様だなあ。
           
長い舌で上手に高いところの木の葉も食べるんだなあ。
              
ああ、まつげばさばさでかわいいなあ。
                      
 
私が興奮してバシャバシャ写真を撮っているその後ろで、
 
エヴァリンの低いささやき声が。

 
あれ、おいしいわよ

マサイの女、エヴァリン。
キリンも食べました~。

苦笑いのMさんが、シリアスな顔を作って彼女に迫りました。
「マダム、国立公園に住み、そこで働く私たちの使命は、動物の保護なのでは?」

それに答えて、エヴァリン、ふっと鼻で笑って、
あら、私、マサイの女よ」。
その余裕の微笑と優雅に視線を流す姿は、まるで美川憲一。
マサイの女、エヴァリン。
おそるべし。

ダチョウも遠目ながら見られたし、最後にはライオンも。
                  
こちらは、昨夜の雨で鉄砲水状態、大暴れのマカリアの滝。
  
川はナクル湖に注ぎこみます。
ナクル湖から流れ出る川はないので、湖の水質はアルカリ性で高塩分濃度に保たれています。
だから独特なプランクトンがたくさん繁殖して、それを食べたフラミンゴがピンクに染まる、と。
自然の摂理って、すばらしい!

ああ、充実の一日。

初サファリでこんなに楽しめるなんて、私ったら果報者。

孤独にひとり楽しむつもりだったナクル湖サファリ。
そんなわけで、
ガイドを兼ねるドライバーさんも口をはさめないほど動物に詳しいふたりにはさまれて、
感動するのにも笑うのにも忙しいくらい、大いに楽しんだのでした。

しかもMさんには、ドライバーさんへのチップの支払いまでしてもらっちゃいました。

Mさん、エヴァリン、どうもありがとう。
野生動物の生態と、両方のレクチャーを受けながらサファリを楽しめたのは、
めったにできない体験だったと思います。

Mさんと昨夜ご一緒してくれた彼女のご友人に、豪華なエチオピア料理をご馳走になり、
お土産まで持たせてもらって、一路、ナイロビへ。
     
   左の魚は淡水魚のティラピア。大地溝帯には湖が多いのです。
   右のお料理の下に敷かれたクレープみたいなのが、主食のインジェラ。テフというイネ科の穀物を
   発酵させたもので、すっぱい味がします。煮込み料理と相性がいいです。

名物の凄まじい渋滞に巻き込まれて、ナイロビ着は夜。
ひとりはぐれた小動物さながらのびくびくさで、
でも小動物とはかけ離れた、まったく優雅さにかけるどんくささで、
マタツ乗り場で色んな集金人につかまりながらも、
家路を急ぎ、
なんとか友人の待つサイタマまで帰り着きました。