私たち夫婦が九州で一番気に入っている温泉宿、「黒川温泉御処 月洸樹」。全8棟の離れは統一感がありながらも各棟に際立つ個性(コンセプト)がある風情たっぷりの宿です。各棟にある、他の宿にはない大きな露天風呂や、これも他の宿にはない大きな総檜の内風呂も各離れの❝顔❞となっています。
私たちは、昨年9月に「月洸樹」と出会い、その後、違う離れに泊まっては楽しんでいます。
・「有明」(2020年9月)
・「風待」(2021年2月)
・「十六夜」(2021年4月)
・「夢見」(今回)
・「佳月」(今回)
・(参考)「天空」(貸切露天風呂)(毎回)
まだ泊まっていない離れは、「天心」、「宵待」、「弓張」の3棟となりました。
チェックイン時刻を5分程過ぎて到着。
既に他のお客さんが到着しているようで、少し車の中で待って、フロントに案内されました。
(右の囲炉裏は待合になっています。左のフレーム外に小さなフロントがあります。離れへは、左奥のエレベーターで1階上がり、渡り廊下を進んで、出た所が各離れへの坂道のスタート地点となります。)
「月洸樹」では、チェックイン・チェックアウトともに宿の方がコントロールしてくれますので、宿泊客が会うことはまずありません。(私たちもこれまで宿の人以外とは会ったことはありません。)
簡単なチェックインを済ませて、「夢見」へ。
(カートで上がっていきます。)
今日泊まる「夢見」、明日から連泊する「佳月」の位置はこうなっています。
(「門」から「佳月」に向かって上り坂です。「佳月」はまさに最高峰。)
玄関を入って三和土からの景色です。
(「夢見」には茶室がありますが、囲炉裏の背景の壁の色と埋め込みの飾り棚にテイストを感じます。)
次の間は和室。
(左にはベッドルーム。)
和室とリビングを仕切る大きな障子戸を引くと、満月に薄っすらかかる雲。ここにもテイストを感じます。
(既に雰囲気満点でテンションが上がります。「月洸樹」の離れは毎回この時間も至福です。)
和室に立ってベッドルームと、リビングを見ます。
(リビングに茶室が作り込まれているのが分かります。)
こちらが茶室。リビング側に「躙り口」があります。
(左側の洗面所に続く廊下側に「茶道口」があります。)
リビングは全開口で露天風呂のあるウッドデッキにつながります。
ウッドデッキから今進んできた室内を見た景色。
洗面所です。
洗面所には内風呂の出入口があります。総檜の内風呂。
(大きさが分かりにくいですが、湯舟は2畳強の広さはあるでしょうか。)
温泉は透明に近い微妙な濁りですが、私には少し緑がかっているように見えます。
(さらりとしていますが、いい泉質ですよぉ~。)
さて、露天風呂です。まず、全開口を閉めた状態。
開け放つと、リビングと一体化。
露天風呂をまじまじと見る時間、これも至福です。(笑)
ウッドデッキからの眺望です。
(西方向に向いているようなので、夕陽を見ることができるかも。)
露天風呂からリビングと内風呂(の出入口)を見た景色。
恒例では宿の方に「今日は『天空』(貸切露天風呂)はどうされますか?」と聞かれますが、3連泊ですし、これまで毎回「天空」には入っているので、今日は「夢見」の露天風呂を楽しむことにしました。
私だけ一風呂浴びて、その後、妻にお願いしてお茶を立ててもらいました。
私は一切作法を知りませんが、真似事をやってみたくて、躙り口から入ってみます。
(床の間の御軸「一期一会」。大好きな言葉です。)
茶道具一式は完備されていて、お湯だけフロントにお願いすると沸いたものをすぐに持って来てくれます。
(茶釜が入っている風炉には電熱が仕込まれていますが、湯を沸かすには時間がかかるので。)
全く作法にかなっていませんが、何も入っていない茶碗(2種類)をじっくり鑑賞して、どちらの茶碗でいただくか考える。(笑)
茶道の経験がある妻があれよあれよという間に抹茶を立てましたので、私もチャレンジ、、、泡がうまく立ちません。茶筅の動かし方を教えてもらって、どうにかこうにかそれっぽいものができました。
(妻とお点前の交換。(笑))
この後、もう一服。自分で立てた抹茶を自分で飲んで飲み比べ。やはり、妻が立てた抹茶の方が美味しい気がする。ごちそうさまでした。
時間は進んで、夕暮れ時となってきました。
「夢見」にあった「月洸樹」の写真はがき。
(上の1枚は散策路にある展望所「雲海」からの眺望。下の1枚の右に写るのはレストラン「ルーナ・ピエナ」。)
この写真はがきにも負けない、雰囲気のある夕暮れ時のワンショット。
そして、見たかった夕陽と絵のような遠景。
(この後食事タイムとなり、日没までは見届けませんでした。)
本日の夕食の献立です。
今日は妻とスパークリングワインで乾杯。スペインの「フレシネ・コルドン・ネグロ」という1本です。
■先付と小鉢:豆乳豆腐・焼き目白子、河豚皮煮凝り、クレソン胡麻和え、蟹新丈
■割鮮:伊勢えび、雅鯛、虹鱒、中とろ、烏賊、馬刺し
(魚は天草産。)
ここで「月洸樹」オリジナルビールにチェンジ。
■温物と焼物:百合根ひろうす、山女魚唐揚げ
(山女魚の唐揚げの横の❝団子❞はトウモロコシのかき揚げ。)
■強肴:豊後牛、肥後赤牛、焼き野菜
(お米は小国米ひのひかり、止椀は赤出汁仕立て、伊勢海老入り。)
■デザート:月洸樹オリジナル大吟醸ショコラ、洋梨のソルベ、熊本の西瓜、コーヒーブランマンジェなど
今回も美味しかったです。3連泊ですから、夕食も3度あります。まず初回はいつもの組み立てで旬の食材をいただきました。
食事の終盤だったでしょうか、料理長がわざわざ来られて、翌日からの夕食で食べたいものを聞いてくださいましたので、「旬の野菜とジビエが食べてみたいです。」と言ったところ、イノシシやシカ、フグでいい食材が入っているとのことで、あとはお任せしました。楽しみです。
少しお腹がこなれてから、ひんやりした夜気の中、露天風呂に浸ります。
今日は一日中風が強かったですが、夜も風は吹き続けています。月がまだ昇らない星だけの空と、風と葉ずれの音。最高です。
私は短く数度温泉を楽しんだ後、日が替わる前に就寝。宵っ張りの妻が月の写真を撮ってくれていました。
(雲に隠れ気味だったそうですが、きれいに撮れています。部屋の障子戸のデザインを思わせる、朧月、、、かな。)
ライブで見ることができれば感動すると思いますが、眠気には勝てず。(笑)
いつものように、翌朝は、寝起きの一風呂。
(この新緑の美しさ。今朝は、その間から遠くの山並みも見えます。)
朝食です。
野菜中心の小鉢はバリエーション豊かな出汁でそれぞれに違った上品な味が付いています。
(何度見ても楽しくて、何度食べても美味しさに感動する朝食です。)
朝食もいつものように炭火焼きが出されます。
焼物は定番の、サーモン、ソーセージ、厚切りベーコン、硬豆腐の田楽、季節の野菜。(オリジナルソーセージは周辺のとある工房から取り寄せているそうです。)
そして、この自家製豆腐の豆乳鍋が絶品。
(豆乳鍋、豆腐や野菜はもちろんですが、鍋の汁も一滴残さずいただきました。うまい!)
「月洸樹」では焼物のおかわりも聞いてもらえます。私は朝食のサーモンにはまっていて、おかわりをお願いしました。(笑)
(このサーモンが本当に美味しい。炭火で皮をパリッと、身の方もやや焼き過ぎが私好み。)
デザートのヨーグルトが美味しいと思ったら、地元小国のジャージー牛のヨーグルト。
(ヨーグルトに入っている季節のフルーツ、特にオレンジが超甘でした。)
今回の発見です。デザートの皿を見ていただくと、2ヶ所「金継ぎ」されています。「月洸樹」の食器はどれも素敵なものばかりで、それも食事の楽しみです。今回金継ぎを発見して、すごく興味が湧きました。
食事の後は再び温泉三昧。
晴れ間が出たり小雨が降ったりと、お天気が安定しませんが、今日は「佳月」に❝部屋替わり❞。11時半頃に「夢見」を出て、14時半頃「佳月」に入ります。
その間の過ごし方を宿の方に相談すると、「くじゅう花公園」でネモフィラが見頃とのことで、行ってみることに。
「夢見」。「夢見月」とは旧暦3月の異名で、今の暦だとちょうど今の頃だとか。まさに夢を見ているようなひと時でした。
それでは、「くじゅう花公園」へちょっとお出かけ。宿の方に「行ってらっしゃいませ。」と送られる心地良さ、これが旅で訪れる温泉宿に連泊する魅力なのかもしれません。
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