旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

武見記念賞授賞式

2011-12-19 16:26:05 | 学会活動

本日11時から大手町の銀行倶楽部で行われました。

故武見太郎先生のご子息武見敬三先生からもお言葉をいただきました。

父が提唱した生存科学の生存とはhuman well beingを意味している。人間の生き方を科学するということだろう。専門分化した医学のみでは限界があると感じてのことだった。医学の社会的適用を医療と考えていたが、そこには自然科学では解決できない問題がある。

父は社会科学の本を相当読んだ。そしてマッキ―バーのcommunityという言葉に出会った。そこから地域医療を発想した。人間が生きる地域共同体を対象とする医療である。

そして、共同体を形成するfamily、家、家族を考えていた時に命尽きた。

・・・・・・・もしかして、武見太郎先生があと5年生きておられたら、日本に家庭医制度ができたのでは・・・・・

武見奨励賞を受賞した藤沼康樹先生とともに、神妙に聞き入りました。

ぼくは受賞者挨拶の中で、「プライマリ-ケアの医学は臨床医学の本質を追及するものであって、臓器医学の入門の結合であってはならない」(武見太郎先生編著『プライマリ-ケア医科学』1982年朝倉書店の序)を引用し、今後ますますプライマリ-ケアが重要になり、総合医関連の制度を定着させる政策論を追及したい旨、抱負を述べました。