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ボストン美術館 日本美術の至宝

2012-05-25 | ちょっとお出かけ

遅ればせながら、漸く東京国立博物館の特別展 ボストン美術館 日本美術の至宝 に行ってきました
世界中から多様な時代・ジャンル作品収集が続けられ、収蔵昨品は45万点以上に及ぶボストン美術館
中でも欧米に於いて質・量ともに最高を誇るのが日本美術コレクションで収蔵品は十万点を超えます
その膨大な収蔵品から、今回日本が厳選した作品、要望がほぼ受け入れられて92点が里帰りしました

東京国立博物館 平成館内 撮影はここまで図録

入場規制の待ち時間が少し減るまでと、旧東京音楽学校(現・藝大)奏楽堂藝大美術館 へ行きました

日本初の本格的西洋式音楽ホールは中央部天井をヴォールト状にするなど音響への配慮
壁面・床下に藁・大鋸屑を詰めた層を設けるなど遮音への配慮がなされています
また、日本最古級のコンサート用パイプオルガンは現存日本唯一の空気式アクション機構

右上の写真を含め、天井にはこのように装飾が施されたものがありますが、その用途が何かは確認できませんでした

芸術の森を意識して? 上野公園の施設案内も凝っています


明治初期の日本では廃仏毀釈によって仏像や仏画など貴重な文化財が破壊され、多くの寺院が困窮を極め、現在国宝となっている奈良・興福寺の五重塔が売りに出され、薪にされそうになったなど、大寺院ですら伝統の寺宝が叩き売られる状況にありました
日本の美術に深い関心を寄せ、その収集と研究に傾倒していたフェノロサは、明治維新後の盲目的な西洋崇拝の風潮で日本の古美術品が軽視され、見捨てられている中、単に趣味としてコレクションするだけでなく、国家による保護が必要であると強く感じました
フェノロサは文化財行政に関わって古社寺の仏画や大名の旧蔵品などを手に入れる機会を得たことにより、他のコレクションには不可能なほどの優品が集まりましたが、そのコレクションはボストン美術館に寄託するという条件で明治18年(1888)、ボストンの外科医ウェルドに譲渡されました
一方、フェノロサによる古美術品の散逸と流出防止の提言は実現への道を歩んでいましたが、これは提唱者であるフェノロサに、散逸の防止としての収集活動が海外流出を生むという矛盾を自覚させるものでした
それはフェノロサの弟子で文化財行政の推進役であり、帝国博物館設立時には美術部長を務め、後にボストン美術館の中国・日本部長となった岡倉天心にとっても同じ問題となって行きます

日本にあれば、国宝・重文級のものばかりですから、どれも見応えがあり圧倒されます
それをひとつひとつ見落とすまいとじっくり鑑賞したら・・ どっと疲れが出てしまいました
でも... 機会があれば、もう一度(否、何度でも)観に行きたいッ
とくに『吉備大臣入唐絵巻きびだいじんにっとうえまき』と『平治物語絵巻 三条殿夜討巻』の 二大絵巻
曽我蕭白そがしょうはくの『雲竜図』との出会いはこの上ない感動の瞬間でした


博物館めぐり


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2 コメント

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Unknown (amesyo)
2012-05-25 10:18:26
ボストン美術館には沢山の日本の美術がありますね。建物も素敵ですね・・私も室内に入ると天井等の細工に目がいきます。
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国宝 (かっちゃん)
2012-05-25 20:06:17
奈良法隆寺でも小さな法塔の多くが売却されたと聞いています。僕の知る小さいけど由緒ある寺の宝物が坊主の放蕩のために売却されたのが発覚、寺の仕事をした僕も取り調べを受けたことがあります。
9月から10月にかけて東大寺の宝物が興福寺横の国立博物館で開催されていますが行かれました? 僕は絵画や陶器より工芸品に興味があって、特に先の敗戦で流出した日本刀が民間の手でぞくぞくと帰ってきています。お金になると知ったアメリカ人が手放しているそうですよ。 
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