高校生の頃に憧れたキューバの革命家、チェ・ゲバラ 当時は今以上にアメリカ一辺倒の日本にいて 何を思い、遠い異国の、それもアメリカの敵である革命家に憧れたのか... 振り返ると若者にありがちな、自分を格好よく見せる手段だったような気もする 数十年を経てゲバラの名前すら忘れていた今、彼の革命家になる以前の映画に出会った アルゼンチン・ブエノスアイレスの裕福な家庭に育ち 喘息と言う持病にもかかわらずラグビーやサッカーなど激しいスポーツを好み アレルギーの研究を志し、ブエノスアイレス大学医学部に入学したゲバラ 憧れていたわりには、革命家である以外には何も知らなかった自分が恥ずかしい ゲバラは大学を休学して古びたバイクで友人と南米大陸縦断の旅に出る チリ、ペルーと旅していくうちに 彼にとって単なる貧乏旅行ではなくなってくる それは瀕死の老女を目の前にして無力である自分 警察から逃れながら職を求める共産党員夫婦 先住民でありながら虐げられているインディオ 当然のごとく隔離されているハンセン病患者らに直面することによって 彼の胸の奥深くに眠っていた何かが呼び覚まされた 「この長い旅の間に何かが起きた。その答えを見つけたいんだ。…ひどい世の中だ」 友と別れるシーンで彼が言った言葉は革命家への変貌を暗示する 私にとっては... 懐かしい友人に期せずしてめぐり会い、改めて彼の素晴らしさを認識したような映画でした 機会があれば、また観たい、また彼に会いたい! |