読んで、観て、呑む。 ~閑古堂雑記~

宮崎の某書店に勤める閑古堂が、本と雑誌、映画やドキュメンタリー、お酒の話などを、つらつらと綴ってまいります。

陰鬱になりがちな気持ちを和ませてくれた岩合光昭さんの写真展「こねこ」と、美味しい天ぷら定食のこと。

2022-02-27 17:20:00 | 宮崎のお噂
宮崎県総合博物館にて、先週末(2月19日)から開催中の、岩合光昭さんの写真展「こねこ」、本日(2月27日)観覧してまいりました(会期は4月10日まで)。




岩合さんが日本各地、そして世界各地で捉えた、数多くのこねこたちの写真を集大成した展覧会。県立博物館では2016年にも、岩合さんの写真展「ねこ」が開催されたことがあります(そのときのことは、こちらの拙ブログ記事に記しました)。今回も前回同様、午前中の早い時間帯に観覧したのですが、会場内は家族づれを中心に多くのお客さんで賑わっておりました。
岩合さんのカメラが切り取ったこねこたちの愛らしさに、猫好きのわたしは魅了されっぱなしでした。母ねこの頭上をぴょんと飛び越えたり、水面から飛び跳ねた瞬間を捉えた写真も実に見事で、まさに岩合マジックといったところであります。
こねこはどの表情も仕草も愛らしいのですが、とりわけ母ねこのそばで安心しきって目を閉じているときの表情(閉じた目が逆八の字型になってるのね)が、もうたまらなくってたまらなくって。目の前にいるこねこを、さも愛おしそうに眺めているイヌの写真にも、種族を越えた親愛の情が感じられてほんわかした気持ちになりました。一見いかつい感じのメキシコのおじさんが、こねこがクルマに轢かれないようにと見守っている写真にもほのぼの。
写真に映り込んでいる、各地の風景・風物との取り合わせも興味をそそりました。青森のりんご農園や、「猫島」として知られる宮城県・田代島の漁港。漁のときに腰掛ける「竹馬」が海面いっぱいに立てられているスリランカ・ゴールの海岸。スイスの山あいの村と草原。ペルーの湖に浮かぶ草を編み込んだ浮島。エジプトはルクソールの古代遺跡・・・。
それぞれの場所の風景と風土の中で生きるこねこたち(そして、彼ら彼女らとともに生きるヒトたち)の暮らしぶりに思いを馳せるのも、また楽しいのであります。こねこを抱きかかえて喜んでいるエジプトの少年の素敵な笑顔も、実に印象的でした。
いつまでもダラダラと続く「コロナ禍」ならぬコロナ騒ぎ禍やら、ウクライナでのキナ臭い動きやらで、ともすれば陰鬱になりそうな気持ちを、岩合さんが捉えたこねこたちが和ませてくれました。いろいろと難儀な世の中だけど、このこねこたちのようになんとか頑張って生きていかなくっちゃな・・・そういう思いが湧いてきたのでありました。



観覧後は、博物館から伸びる、街中とは思えない鬱蒼とした森の中の道を通って、久々に宮崎神宮へ参拝。早くコロナ騒ぎ禍が終わってまともな世の中に戻るよう、祭神である神武天皇に祈ってまいりました。きょうは天気が良かったこともあってか、神宮への参拝客も思いのほかたくさんおられました。

宮崎神宮へ参拝したあとは、神宮前の通り沿いにある天ぷらのお店「江戸っ子 神宮店」さんで、お昼ごはんをいただきました。


宮崎市中心部にある老舗の天ぷら専門店「江戸っ子」の姉妹店で、今回が初めての入店となります。けっこう人気のあるお店のようで、お昼どきの店内はお客さんで賑わいを見せておりました。カウンターの中には、注文された天ぷらのタネに次々と衣をつけ、テキパキと揚げておられるご主人の姿が。





カウンターについて天ぷら定食を注文。天ぷらはエビ2尾をはじめ、ふんわりした食感のハモ、大葉の香りが心地よいタイの紫蘇巻き、さらにかき揚げ、レンコン、まいたけ、ナスの全7品。それら揚げたての天ぷらひとつひとつがまことに美味で、ごはんも進むこと進むこと。「ごはんのおかわりどうですか?」というお店の女性の勧めについつい、かなり久しぶりにごはんのおかわりまでしてしまいました。ふと気づけば、カウンターのお隣で同じく天ぷら定食を召し上がっておられた女性客も、ごはんをおかわりしておられました。やはり美味しいものには男女を問わず、食欲が刺激されるものなんですねえ。
ついてきたお新香もなかなか美味しく、食を進ませてくれる名脇役といった感じ。おかげさまで、大いに満腹&満足いたしました。今度はぜひとも、一杯やりながら堪能してみたいものだのう。繁華街の路地の奥にある本店にも立ち寄ってみたくなってきたねえ。
美味しい天ぷら定食もまた、なんだかんだで陰鬱になりがちな気分を和ませてくれたのでありました。