いよいよ夏本番ですね。一週間前に梅雨明けしたここ宮崎でも、蒸し暑~い日々が続いております。
蒸し暑~い日が続き、体に疲れが溜まってしまっている状態だと、ちょっと読書への意欲が衰えがちになってしまいますね。こういう時期だからこそしっかりと美味しい食べもので栄養をつけて、疲れも適度に取りながら、読書への意欲を極力落とさないようにしなければいけないなあ•••と、ここ一週間読書への意欲が衰えているわたくしは思うのであります。ふう。
そんなわたくしのことなんぞには関係なく、来月8月刊行予定のいろいろな新刊文庫の刊行予定が出揃っております。その中から個人的に気になる書目(いつものようにノンフィクションのみですが)を6冊+αピックアップしてご紹介したいと思います。この中から、なにか「これは!」と引っかかる本がありましたら幸いです。
刊行データについては、書店向けに取次会社が発行している情報誌『日販速報』の7月14日号の付録である、8月刊行の文庫新刊ラインナップ一覧などに準拠いたしました。発売日は首都圏基準ですので、地方では1~2日程度のタイムラグがあります。また、書名や発売予定は変更になることもあります。内容紹介については、「『BOOK』データベース」などを参考にさせていただきました。
『遺伝子はダメなあなたを愛してる』 (福岡伸一著、朝日文庫、7日発売)
「最も役に立つ生物を挙げるとしたら何ですか?」「ゴキブリは絶滅してほしいと思うのは間違いですか?」「モノを捨てるのが苦手です。『片づけられない女』は生物としてダメですか?」などなど、身近な疑問や人生のお悩みにユーモアたっぷりに答えながら、生命と科学の知見から意外な結論へと導いていく。
福岡さんは名著『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)以来、書き手として注目している存在でもありますが、本書は気楽に楽しみながら、アタマも刺激されそうな一冊のようですね。ゴキブリ嫌いとしては「ゴキブリは絶滅してほしいと~」に対する回答が知りたい(笑)。
『世界飛び地大全』 (吉田一郎著、角川ソフィア文庫、25日発売)
同じ国に属しているにもかかわらず、他の国や地域によって隔てられた場所に存在している「飛び地」。世界各地に存在するそんな「飛び地」を網羅し、それぞれに秘められた謎を世界史、地理、国際関係学からとことん探っていくという一冊。
『消滅した国々』(社会評論社)など、ちょっと変わった視点から世界の国々と国際関係を眺める趣向の本を出している著者。「飛び地」という意表を突く、でも考えてみれば実に不思議な存在にスポットを当てた本書もなかなか興味をそそられます。8月刊行分では一番気になる一冊であります。
『絢爛たる悪運 岸信介伝』 (工藤美代子著、幻冬舎文庫、5日発売)
長州の政治家血族として生まれ、39歳で満州の経営に乗り出すも、終戦後はA級戦犯として巣鴨プリズンに拘留される。釈放後は自民党の初代幹事長、第56代首相へと登りつめ、60年安保改定を単身闘っていく。家族には決して怒らない優しい素顔を持ちながら、上長であっても斬り捨てる一面も。情と合理性、そしてしたたかさを併せ持った昭和の傑物政治家の生涯を描き出したノンフィクション。
その経歴から毀誉褒貶ある岸信介ですが、人となりについては知らないことが多くある人物でもあります。なので、本書にもけっこう興味が湧きますね。
『恐竜の骨をよむ 古脊椎動物学の世界』 (大塚則久著、講談社学術文庫、11日発売)
地中から発掘されるバラバラとなった恐竜の骨から、巨大な骨格はどのようにして復元され、生前の姿を推定することが可能になるのか。最新の知見にもとづき、「復元」という視点から恐竜の運動能力や生活のさまを明らかにする。
われわれがよく知る恐竜の姿は復元をもとにした推定によるものですが、その復元と推定の過程は意外と知らなかったりいたします。なので、恐竜好きの端くれとしては気になりますね。
『シンメトリーの地図帳』 (マーカス・デュ・ソートイ著、富永星訳、新潮文庫、28日発売)
自然界はもちろん、音楽や美術、建築、さらには異性に対する好みにも現れる「対称性」。その “シンメトリーの素数” を網羅した「地図帳」を完成させようと奮闘した数学者たちの姿をユーモラスかつ感動的に描く。
同じく新潮文庫から出ている『素数の音楽』の著者による数学ノンフィクションです。数学は大のニガテながら、数学者というちょっと変わっていて、その実すごく純粋でもある人種をめぐるエピソードには興味があったりいたします。なので、これも楽しみです。
『本人伝説』 (南伸坊著、文春文庫、6日発売)
顔全体で「本人」になりきる「本人術」の達人・南伸坊さんが、浅田真央から松田聖子、橋下徹にスティーブ・ジョブズなどなどの有名人になりきった写真に、いかにも「本人」が言ったかのような(?)なりきりコメントとで構成。わたくしは単行本で大いに楽しませてもらいましたが、無駄なまでに(笑)完成度の高い「スティーブ・ジョブズ」や「荒木経惟」「茂木健一郎」は必見かと。一方で「橋下徹」や「浅田真央」「宮里藍」あたりはちょいと無理筋だったりしますが、それもまた大いに笑えます。
もう一点。ちくま学芸文庫から刊行予定の『居酒屋の誕生 酔っ払いが変えた江戸時代』(飯野亮一著、6日発売)は、まだ詳しい内容はわからないのですが、書名だけでもなんだかそそられるものがありますので、楽しみに刊行を待ちたいと思います。
蒸し暑~い日が続き、体に疲れが溜まってしまっている状態だと、ちょっと読書への意欲が衰えがちになってしまいますね。こういう時期だからこそしっかりと美味しい食べもので栄養をつけて、疲れも適度に取りながら、読書への意欲を極力落とさないようにしなければいけないなあ•••と、ここ一週間読書への意欲が衰えているわたくしは思うのであります。ふう。
そんなわたくしのことなんぞには関係なく、来月8月刊行予定のいろいろな新刊文庫の刊行予定が出揃っております。その中から個人的に気になる書目(いつものようにノンフィクションのみですが)を6冊+αピックアップしてご紹介したいと思います。この中から、なにか「これは!」と引っかかる本がありましたら幸いです。
刊行データについては、書店向けに取次会社が発行している情報誌『日販速報』の7月14日号の付録である、8月刊行の文庫新刊ラインナップ一覧などに準拠いたしました。発売日は首都圏基準ですので、地方では1~2日程度のタイムラグがあります。また、書名や発売予定は変更になることもあります。内容紹介については、「『BOOK』データベース」などを参考にさせていただきました。
『遺伝子はダメなあなたを愛してる』 (福岡伸一著、朝日文庫、7日発売)
「最も役に立つ生物を挙げるとしたら何ですか?」「ゴキブリは絶滅してほしいと思うのは間違いですか?」「モノを捨てるのが苦手です。『片づけられない女』は生物としてダメですか?」などなど、身近な疑問や人生のお悩みにユーモアたっぷりに答えながら、生命と科学の知見から意外な結論へと導いていく。
福岡さんは名著『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)以来、書き手として注目している存在でもありますが、本書は気楽に楽しみながら、アタマも刺激されそうな一冊のようですね。ゴキブリ嫌いとしては「ゴキブリは絶滅してほしいと~」に対する回答が知りたい(笑)。
『世界飛び地大全』 (吉田一郎著、角川ソフィア文庫、25日発売)
同じ国に属しているにもかかわらず、他の国や地域によって隔てられた場所に存在している「飛び地」。世界各地に存在するそんな「飛び地」を網羅し、それぞれに秘められた謎を世界史、地理、国際関係学からとことん探っていくという一冊。
『消滅した国々』(社会評論社)など、ちょっと変わった視点から世界の国々と国際関係を眺める趣向の本を出している著者。「飛び地」という意表を突く、でも考えてみれば実に不思議な存在にスポットを当てた本書もなかなか興味をそそられます。8月刊行分では一番気になる一冊であります。
『絢爛たる悪運 岸信介伝』 (工藤美代子著、幻冬舎文庫、5日発売)
長州の政治家血族として生まれ、39歳で満州の経営に乗り出すも、終戦後はA級戦犯として巣鴨プリズンに拘留される。釈放後は自民党の初代幹事長、第56代首相へと登りつめ、60年安保改定を単身闘っていく。家族には決して怒らない優しい素顔を持ちながら、上長であっても斬り捨てる一面も。情と合理性、そしてしたたかさを併せ持った昭和の傑物政治家の生涯を描き出したノンフィクション。
その経歴から毀誉褒貶ある岸信介ですが、人となりについては知らないことが多くある人物でもあります。なので、本書にもけっこう興味が湧きますね。
『恐竜の骨をよむ 古脊椎動物学の世界』 (大塚則久著、講談社学術文庫、11日発売)
地中から発掘されるバラバラとなった恐竜の骨から、巨大な骨格はどのようにして復元され、生前の姿を推定することが可能になるのか。最新の知見にもとづき、「復元」という視点から恐竜の運動能力や生活のさまを明らかにする。
われわれがよく知る恐竜の姿は復元をもとにした推定によるものですが、その復元と推定の過程は意外と知らなかったりいたします。なので、恐竜好きの端くれとしては気になりますね。
『シンメトリーの地図帳』 (マーカス・デュ・ソートイ著、富永星訳、新潮文庫、28日発売)
自然界はもちろん、音楽や美術、建築、さらには異性に対する好みにも現れる「対称性」。その “シンメトリーの素数” を網羅した「地図帳」を完成させようと奮闘した数学者たちの姿をユーモラスかつ感動的に描く。
同じく新潮文庫から出ている『素数の音楽』の著者による数学ノンフィクションです。数学は大のニガテながら、数学者というちょっと変わっていて、その実すごく純粋でもある人種をめぐるエピソードには興味があったりいたします。なので、これも楽しみです。
『本人伝説』 (南伸坊著、文春文庫、6日発売)
顔全体で「本人」になりきる「本人術」の達人・南伸坊さんが、浅田真央から松田聖子、橋下徹にスティーブ・ジョブズなどなどの有名人になりきった写真に、いかにも「本人」が言ったかのような(?)なりきりコメントとで構成。わたくしは単行本で大いに楽しませてもらいましたが、無駄なまでに(笑)完成度の高い「スティーブ・ジョブズ」や「荒木経惟」「茂木健一郎」は必見かと。一方で「橋下徹」や「浅田真央」「宮里藍」あたりはちょいと無理筋だったりしますが、それもまた大いに笑えます。
もう一点。ちくま学芸文庫から刊行予定の『居酒屋の誕生 酔っ払いが変えた江戸時代』(飯野亮一著、6日発売)は、まだ詳しい内容はわからないのですが、書名だけでもなんだかそそられるものがありますので、楽しみに刊行を待ちたいと思います。