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鎮守の杜から

葛木御歳神社神職が、神道についてや、日々感じたことなどを思いつくままに綴った私的なページです。

〔御歳神社のご神木〕No.150

2006年10月13日 | 御歳神社の奥山


今朝は珍しく深い霧の朝でした。
11/23に行われるコンサートの案内に使うために木の写真を撮りたいと思っていました。
載せたいのは、御歳神社のご神木「シイの木」。
御歳神社の境内や御山には樹齢数百年の木々があります。
その中でも、ひときわ心惹かれる木がこのシイの大樹です。

神職になろうと思って本殿の奥の御山に入った時、
優しく温かく迎えてくれたのはこの木でした。
神々しさに感情が噴き出す思い。
「かたじけなさに涙こぼるる」と詠んだ西行法師の心境です。

手水を作ってくださった方々のお一人が、初めてこの木を見た時に
「この木、夢で見た木です!」と驚いておられました。
私も驚きましたが、今なら、この木が夢に現われて彼女にメッセージを送ったなんていう話も、ああ、ありえるかも?と思います。

御歳神社の杜に集まる方々皆が大好きな木。

今日は霧の中、この世のものとは思えないような幻想的な空間の中で
別の表情を見ました。

いつもは、優しく温かく受け容れてくださる木。
今日は少し角度を変えて眺めました。
ああ、なんと力強く雄雄しいお姿なのでしょう。
あの、いつもの優しいお姿だけでなく、
これほど、力に満ちた表情をお持ちだったのですね。

「大丈夫。すべてよし」
ああ、そうかもしれない。
この木々たちが存在してくださっていれば、
きっと見守って下さっているはず。

何百年も此処で人々のありようを見ていらした木々。
これからも、ずっと。。。

*写真をクリックすると拡大します。

〔御山へのゲート〕 No.143

2006年09月05日 | 御歳神社の奥山



言葉が出ないくらいいい写真でしょう?

御歳神社の奥山に入口の鳥居を作ろうと、春頃から計画していました。
ついに9月3日に作りました。
12名のご縁のある友人が集まり、朝からワイワイアイデアを出し合って
こんなに素敵な鳥居が出来ました。
感激に浸っています。

写真は鳥居を作った翌朝の御山です。
私も含め皆が大好きなシイのご神木が輝いていました。
シイの大樹の周りに光の輪が渦になって出来ています。
神々しいってこういう風景だなあと思いました。




何がこんなに幸せを感じさせてくれるのか、説明できませんが、
御山を通る風も、降り注ぐ光も、皆さんの笑顔も、何もかもが歓喜を呼びました。

ずっと以前からここにあるべき姿であるように、
鳥居を立てて注連縄を張ると、どっしり凛と存在していました。



入口と、皆が大切に思っている手水へ流れる小川につながる池のところにも鳥居を作りました。
光が注いで輝いています。
ああ、良かった。
ああ、きっと神様の御心にかなうものが出来たのだと確信しました。
みなさん、ありがとう。
一緒に働いてくださる素敵なお仲間がいてくださることが、何より幸せです。
もう少し待ってくださいね。
頂上まで形が出来れば、公開したいと思います。
楽しみに待っていてくださいね。
(写真をクリックすると拡大します)


〔奥山の山桜と山つつじ〕 No.113

2006年04月15日 | 御歳神社の奥山
感激しきり!
もう、なんて美しいの!と言葉がなかったです。。。

ここは、御歳神社の奥山。昨年から整備している道です。
山桜を見たくて今日は奥山へ入りました。
山桜と山つつじが見事でした。

この山全体を包む優しい「気」は何なのでしょう。
たくさんの精霊さんが、春を楽しんで新緑の山に遊んでいるよう…
山の気配が変わりました。
冬から芽吹きの春へ。
springとはよく言ったもので、まさに飛び跳ねているような楽しげな山。



山つつじも山桜も美しく咲き競っていました。
ああ、春はいいなあ。
本当に本当に心が躍る奥山探訪でした。



まだ、道の整備が終わっていません。
きちんと形にしたら、公開したいと思っています。
もう少しお待ちくださいね。

*ここをご覧の皆さま、ご興味がありましたら、日程を合わせて頂ければご案内致します。ただし、ご神域および私有地でもあり、許可なく入山はご遠慮くださいね。よろしくお願いします。

〔御歳神社の奥山〕 No.106

2006年02月26日 | 御歳神社の奥山
御歳神社の奥、御歳山を囲むように背後に扇形の山が広がっている。
まさに、御歳神社とそのご神体山の守りの山である。
50年ぐらい前にはこの背後の山に祠があったと云う。
そして、古代祭祀の形とも取れる磐座(いわくら=神が降り立つ場所として祭られる場所。神社の原型)があると云う。
その、磐を探しに、昨年から、何度も奥山に入っている。
昨年12月、ついに発見。背後の山の一番高い峰、「カナ山」にいくつかの岩があった。
中腹にもとても惹かれる岩がある。
年配の方に聞くと、山頂と中腹に確かに祠があったそうだ。
きっとここだろうという場所も見つけた。

御歳神社の歴史は大変古い。文献に現れる奈良時代以前や創祀は不明だが、仁徳天皇の頃、すでにこの地は重要な土地であった。また、神話の世界に踏み入る時代にも、この地の伝承は多い。だとすれば、神社の前段階の磐座祭祀があっても不思議ではない。三輪山付近に政治の中心が興るより前に開けた場所だとも考えられるのだ。

それほど、大昔の話をしなくても、祠があったのなら、つい最近まで祭られていたわけである。村の方にお聞きすると、昔は道があって、かまどの柴を取りによく入ったという。春には「さなぶり」といって、豊作祈願のため、山の神様にご挨拶に行ったとも聞く。

この50年、里山は人々の生活から切り離されてしまった。柴を取りに行き、子供の遊び場になり、しいたけを栽培したり、山菜取りに行ったり、田の祭りのために山の神をお迎えに行くような祭祀も随分消えてしまった。植林された杉も手入れされる事なく放置されてしまうと、木は弱ってしまう。山の荒れようは必然である。

自然を征服するのではなく、共存する事こそ、東洋人の気質を育んだように思う。森や木々は間違いなく人を癒してくれると感じる。日本の神社はそういう場所にこそ、あったのだと思う。そういうものに惹かれるのは、人間本来の感覚なのだろう。森や木々はその感覚を呼び覚ましてくれるように思う。

「森へ帰ろう!」…キャッチコピーのような言葉が木霊する。


昨日、また、新たな一歩をしるした。
この荒れ放題の奥山に50年前の道を通そうというのだ。
これまでに、磐座を確認して、注連縄を張って、場所の特定も地図と照らし、ポータブルGPSのお世話にもなり、把握する事が出来た。神社の持ち山以外の山は、持ち主に話をして、許可を得た。そして、昨日。

チェーンソーや鎌を持って昔の山の道を通すために第一歩を踏み出したのだ。
天気予報は雨だった。山の神様がOKなら、晴れると嬉しいなあと思いながら、この日を迎えた。
ああ、快晴!絶好の山歩き日和!
作業も思っていた以上にうまくいった。
結果に大満足。
この調子なら、奥山の一番峰「カナ山」を巡る一周コースは出来そうだ!
嬉しい確信を持つ事が出来た。
何よりこの気持ち良さは何だろう!
人が本来必要な空気をこの場所は持ち続けているように思う。
心の底から歓喜が湧き上がるような幸福感。。。

まだまだ、端緒である。
これからも、道の整備は続く。
奥山でのお祭りもしたいと思う。
「血が騒ぐ」というのはこういうことかもしれない。


一緒にこの空気を感じたい方、ぜひやりましょう。
神域に敬意を払いつつ、自然の恵みを頂きましょう。







〔奥山探訪〕 No.93

2005年12月04日 | 御歳神社の奥山
今日、御歳神社の奥山へ12人のお仲間と入りました。
ずっとずっと行きたくて夏から心待ちにしていた奥山探訪でした。夏場はマムシの巣になり藪がすごいので、入れません。で、蛇が冬眠する時期を待っての探訪でした。
しかし、朝から冷たい小雨が降っています。今日は無理かなあと思いつつ、皆さんの到着を待ちます。でも、来る人皆さん、行きましょうと、行く気満々。。。奥山へは昔は道があったのですが、30年ぐらい殆ど人が入っていないので、完全な藪の中です。藪を払い、倒木をのこぎりで切って行く事になります。皆さん揃ったら早速コースを練ります。いざ、出発。

御歳神社の御神体山は御歳山です。綺麗な円錐形の典型的な神奈備山(御神体山)です。標高は216m程。その背後に御歳山を取り巻くように扇形の山が広がります。その一番高い峰がカナ山です。標高は350m程。カナ山の語源ははっきりしませんが、この山から、南に広がる一帯は鉄と銅の取れる鉱山でもあり、鉄の山=カナ山なのかもしれません。また、太古このあたりは渡来人が住んだ地域です。渡来系の名の響きのように感じると言う方もあります。

このカナ山も信仰の山だったようです。御歳神社から南の船宿寺、東は大穴持神社までの一帯は峰と谷の連なる人の住まない山の地です。その中で一番高く頂上がちょうどお碗をふせたようなこのカナ山は遠くからも見える特徴のある峰です。
事実、山の頂上と中腹に祠があったと年配の方のお話です。そして、神さまが降りる場所である磐座(イワクラ)があるという話も聞いていました。

そんな中、神職講習で聞いた話に驚きました。「昔の神社は神奈備山を背後に持ち、その後に、神奈備山をとりまく『守りの神山』があるのが、最も古い神社の形態である。典型的なのは春日大社。神奈備山の春日山は円錐形の山でその奥に屏風のように奥山(ちょうど奥山ドライブウェイの山々)が守っている」と聞いて、規模は違いますが、御歳神社の山の形と同じだ!と感激していたのです。

祠や磐座があるのなら、ぜひ行かなければ!とずっと思っていました。そして、今日を迎えたのです。素敵なメンバーが揃いました。奥山探訪に心強い面々です。

磐座見つけましたよ~!ずっとずっとお待ちになっていたように思いました。
ああ、やっと来れた!…「やっと来たね。待ってたよ」と言われたような気がしました。
みなさん、感激でした。もう、充足感。。。
山の持ち主の方にも、事前に危険箇所など、教えていただき、どうぞ思うようにやってくださいと許可を頂きました。

さて、これから、どう流れていくか楽しみです。
今日、参加のみなさま、本当にお疲れ様でした。
でも、楽しかったですね。次はいつ行きましょうか?!

(奥山は鉱山の採掘跡の穴がたくさんあいています。垂直に10mの穴が藪の中に隠れている危険もあります。どうか危険ですし、個人の持ち山ですから、許可なく入らないでください。)

〔御歳の森の奥深く。。。〕 No.72

2005年07月14日 | 御歳神社の奥山
今日は、中学生の息子とお池を見に行って、そのまま、川の上流まで軽装のまま行きました。500mほど遡ると大きな砂防ダムのよう壁が現れ、その先は自然のままです。二つの谷が合流しています。
この先までは行きませんでしたが、探せば岩の間からの湧き水があるかも?あればいいのにと思いました。この先もぜひ行きたいと思いました。水はあまり多くありません。水生植物の間を縫って水が流れています。そこから帰路は沢から離れて、御歳山の東裏にある山の尾根を上がりました。息子と二人で山を歩くというのは、母にとってなんとなく幸せですね。大きくなった息子は私を気遣ってくれます。「そこ、気いつけて降りや。」などと。だんだん寡黙になる年頃ですが、植物や昆虫に詳しい息子は色々説明してくれました。

山は案外下草がなく、シダが生えているくらいでした。尾根を上がってその向こうに下りると山仕事用のような道が現れました。その道が御歳山の真裏の山の頂まで続いています。頂は日の光がきらきらしています。これは登りたいと上がっていくと遥か眼下に国道が見えました。そして、葛城・金剛山のビューポイント!風の通り道のようで、木がみんな一定方向に少し傾いていました。

その山を降りて、御歳山との谷がまた感激。広いのです。谷というより平地。長いこと人が歩いていないので、土がふかふかです。ここも下草なし。水もなし。夏でも余裕で歩けます。例えるならキャンプ場のような感じ。不思議な空間でした。私もここは初めて訪れる場所でした。御歳山を裏から眺めました。御歳山は植生が違います。私はくすのきだと思い込んでいたのですが、ご神体山の大木はシイの木だそうです。なんとも迫力の木。樹の一本一本に神さまが宿っているようでした。

ちょっと山と水場にご縁のあるこの頃です。無性に行きたくなる感じ。そうして御歳神社まで戻って、取水口を見ると、そこの土嚢の上に小さな蛇がとぐろを巻いて鎮座ましましていました。

いい体験でした。

〔長い充実した一日でした〕 No71

2005年07月10日 | 御歳神社の奥山
今日は、以前、手水舎を作ってくださった565さんとその友人の方々と、ネットで知り合った加賀見さんご夫妻、それからはーもにーさんとお子さんで、本当に充実した一日を過ごしました。

朝、隣町の五條で山ノ神として祭られている「高姫さま」の年に一度のお祭りへ行きました。金剛山の尾根沿いに南へ数kmほどの所、ほぼ山の頂上に祭られていて、片道40分位の登山の末にたどり着きました。途中、遅れて来られたはーもにーさんが道を間違えて出発地点まで引き返すトラブルもありましたが、村の方々のご厚意で山頂到着まで、待っていてくださいました。
こういう時は携帯よりも山彦ですね。
無事お祭りに参加して、来年は、祝詞を上げることになりました。
(たぶん、ジーンズ姿で祭典です(^^;)
苦労して登ったかいがありました。素敵な場所。
雨も降らず、涼しい風が吹き渡っていました。その後、水場へ。「沢の森の神さま」と地元で呼ばれています。そこでも村の方がお供えをして、無事お祭り終了です。こんこんと清水の湧き出る水源の森。9人で歓喜していました。

お昼に御歳神社へ戻って、さて、手水舎の小川の上流にあるお池掃除。
10年ほど前、土石流対策のダムを作ったところに泥が堆積していて、水の流れが悪くなっていました。現場に着いて、迷っていたアイデアにGO!
ダムの堰70cmほどを取っ払ってたまった泥を押し流す作戦!大量の堆積物で沼状態だったものを陸地に変身させました。

これで、方向は決まり。池の広がりすぎた面積を3分の1程度を池にして、その他は陸地+小川に変貌させました。

見違えました。
写真では伝わらないかもしれませんが、いい感じになりました。澱みが消えてきれいに流れました。

それから、手水の取水口まで、落ち葉や流れ出た堆積物を引き上げる作業…かなりの重労働でした。
取水口には土嚢を積んでその中に炭を入れて、今日は無理でしたが、植物も植えていけば浄化に一役するかとの発想です。
みなさまお疲れ様でした。

陸地になった池の部分には、これから、カキツバタや菖蒲などを植えて、池にはスイレンか、ハス、ホテイアオイなどを入れてみるとか…そうして土の流失を防ぎたいです。

まだ、これからもプロジェクトは続きそうです。
まずは、うまく滑り出したと思いました。

お天気も最高!雨もほとんど降らず、涼しくて気持ちのよい中で作業ができました。
でも、皆さん、汗だくになって働いてくださいました。
感謝感謝!本当にうれしい限りです。

このプロジェクトへの今後の参加者、大募集です!!
まだまだ人手が必要です。(^^;
これからもどうかよろしくお願いします。

そして、今日来てくださった皆さん、本当にありがとうございました。

写真は今日、お池から見上げた御歳山の光です。