goo blog サービス終了のお知らせ 

鎮守の杜から

葛木御歳神社神職が、神道についてや、日々感じたことなどを思いつくままに綴った私的なページです。

文明と文化と。守りたいもの。

2011年03月31日 | 思うこと
祝島の原発反対運動を20年以上続けている住民の様子を細やかに撮ったドキュメンタリー映画を通して、
監督の纐纈(はなぶさ)あやさんとも親しくなりました。
この島の豊かな自然とここで行われる祭りは素晴らしく、
知人を誘って、反対運動の署名もしました。
「祝の島」http://www.hourinoshima.com/
でも、村は原発推進反対で真っ二つに分かれてしまって、村の人間関係も難しいようです。

反対運動が続き、ついに実力行使に漁船を繰り出しての反対運動も叶わず、
とうとう原発建設に動いた矢先、この事故。。。

これで、しばらく凍結になりそうです。
あの美しい島が原発の異様な姿にさらされずに済んで良かったと今は単純に思います。

>原発新設の「白紙」検討=被災者支援、支給額引き上げ―菅首相 (時事通信社 - 03月31日 17:03)


これからどうやって行くのか、本当に難しい決断に迫られます。
しかし、原子力がいくら夢のエネルギーでも、制御するのは難しく、
まさしく神の領域に手を出すような気がしています。

素晴らしい技術があれば、それを産業に取り入れ、暮らしを豊かにしてきたのが今までの200年です。
これからの200年をどうしていくのか、真剣に考えるべき時なのかもしれません。

便利さを手放すのは容易ではありませんが、
便利さのために失ってきたものもたくさんあるような気がします。

神職をしていると特に考えます。

便利は合理的思想を生み、村の祭りは簡素化する傾向が止まりません。
しかし、文明が文化を殺すことになっては、私たちのアイデンティティーを放棄しかねないことになります。
文明は、文化を生かし共存しなければ、文明すらも滅びる気がします。

エネルギーを考えることは、私たちの在り方を考えることにもなります。

さて、人間は自身の智慧で自制出来るのでしょうか。
やはり、人間はどこまでも上を目指して、たとえ暴走しても止まれない性を持っているのでしょうか。

そろそろ価値の転換を突き付けられているのかもしれませんね。

とりとめもなく。。。

明日は月次祭です^^もう4月!!

おとしだまの森倶楽部の総会をします!

2011年03月30日 | 御歳神社の奥山
まずはおとしだまの森倶楽部の総会のご案内です。

4月16日土曜日朝から作業して、お昼に総会の予定です。
時間など詳細は改めてUPします^^
ご参加の方は必ず連絡してくださいね^^
初参加も歓迎します^^
ただし、会の趣旨に賛同の上、関わってくださる方です^^

色々事務手続きが終わって一段落です^^
まずは、県への報告が終わりました。
色々結構大変でした~
ようやく検査も終わって正式に補助事業として認められました。

それから、昨年度の活動をまとめて、社叢学会の学会誌に掲載頂きました。
「社叢学研究9号」です。
http://www.shasou.org/
山整備と1300年祭事業の奥山登拝のことを書きました。


今日、でーっかい看板が到着!!
大きすぎて一人で休憩所まで運ぶのに、引きずっていきました~
かなりしっかり埋めて固定しないと!!



もう数日中に桜が咲きそうです^^
御所駅近くの桜は1分咲きのところもありました!!

桜が開花したら、気分がぱっと変わります。
空気が解放されます。
今日は若干ハイテンションでした!!

イチゴのケーキを買って帰りました♪

ベストの動き方と流れるままの動き方

2011年03月30日 | 理ーことわり
今日は県からおとしだまの森倶楽部の補助事業のための検査に来られて
一緒に奥山の途中まで登りました。
頂上まで行きたかったんですが、分岐点で折り返しました。

降りてから拝殿に座ると、光が眩しい。
春がもうそこまで来てますね。
光が沸き立つ感じでした。

震災があったから余計考えるのかも?ですが、
神社に関して思っていることがあります。

神社を維持するのってものすごく大変です。
もし、大きな災害で神社が倒壊したらどうすれば良いのかと思ったりします。

でも、今は、あまり心配をしていません。

だって物事は流れるように流れるのだから。。。
その流れのままで良いのだと今は思います。
流れの中で自分自身は、考えて考えて、ベストだと思う動き方をする。
その姿勢さえ忘れなければ、きっとうまく行くと思っています。

最近、結構予測が出来るようになりました。
というより、未来にあるであろう動きに自分を合わせられるようになりました。

そうなると、ある意味何も憂えることはないのです。

何が起ころうと、自分が出来る範囲でやればよいと思うと、
ものすごく気が楽になります。

抱えられないものを抱えたって、どうにもできないのですから、
目の前の出来ることをやればよいのだと思います。

それが、未来を作っていくのですもの。。。

タイトルの「ベストの動き方と流れるままの動き方」って同じ事なんですよ。
それが分かると本当に楽です。

神社が倒壊したらどうするか。。。
以下は私ではなく、大阪の神社の神職さんであり、神職講習会の講師だった方の意見なのですが。。。

「神社が火災や地震、雷等で倒壊したら、更地にして、白砂を敷き詰めるのです。
結界には、印の石を並べて、その中央に磐座を配置するか、依り代の木を植える。
そこに神様をお招きして祭りを行うのです。
白砂の中で、庭上祭祀を行うのです。
これこそ、古代の祭祀ですよ。
何がなくては祭りが出来ないというのは、既成概念に捉われた考え方です。
何もなくても心があれば、祭祀は出来るのです。」


この言葉に目からうろこでした。
いざという時のために、資金が溜められたらそりゃ、それに越したことはないです。
でも、何もなけりゃ、何もないままでその空間を心で満たせばよいのです。

それぐらいの気概で居れば、反対に不思議に物事はさらさらと良い方向に動くものです。
がんじがらめになれば、動くものも動かない。

ふふふっ。何の憂いが必要でしょうか。。。。
未来はいつでも描く通りに明るいのですから。。。
命さえ流れるままに。。。
すべては流れるままに。。。

拡大し続ける経済と置き去りにされるもの

2011年03月27日 | 思うこと
2年前ぐらいにも書いたのですが、
GNPがずっと伸び続けるって変だと思う。
人口はこれから減少します。
明治の文明開化(?)から戦後の復興とずっと右肩上がりで伸び続ける経済。
おかしいんじゃないかな?

便利になることの反面、大切なものを置き去りにしてきた気がします。

私が子供の頃、夜はもっと暗かったです。
夜道は多少危険でしたが、少年たちが真夜中までコンビニの前に座っている姿はなかった。

お正月は店も会社も一斉に閉まっていた。
お正月の7日まで市場も休み。
皆一家団欒でおせち料理を食べて市場の開くまでを過ごしてた。
三が日は神社の初もうでや親戚ん家へ行ったり、運動場で凧揚げしたりした。
そんな風景もいつのまにか消えた。

町の巨大スーパーは、昼間から煌々と明かりを灯す。
そうして深夜まで営業する。
コンビニも24時間営業。
遊園地もナイター営業。
都会は眠らない夜を演出している。

確かに便利になったけど、
忘れものもたくさんしてきた。

夜の漆黒の闇も心地よい。
夜は暗く、朝はまぶしい。
当たり前のサイクルがおかしくなってきた。

今さら、行燈で過ごせるわけはないけど、
もう少し、あるがままでいても良いように思う。

原子力発電無しで、成り立たない世の中になってしまった。
何よりエコでコストが安い。二酸化炭素を放出しない。
電力需要はますます増大するばかり。
だからこその原子力。

需要があるから供給が加速する。
供給があるから、需要が増える。

店の営業時間を増やしたら、儲けが増える。
コストとのバランスで動く。
で、無駄な時間がなくなり、人は働くために生きている。

コストとしての人件費が抑えられるならと賃金は抑えられる。
そうして、電気にお金を使う。
ひどいデフレの中で、少しでも利益率を上げるために稼働時間を増やして実質賃金を切り下げる。

豊かになったようで、実は「幸せ度」は確実に減りつつある。

こんな世の中をだれが望んでいるのでしょうか?
望まない世の中を変える術はないのでしょうか?

お正月とお盆は特定の業種以外は休みでした。
家族は家族としてあることができました。
一家揃って食事ができる家庭はどのくらいあるのでしょう。
会話は減り、言葉は退化してきています。
言葉が退化すると文化が死にます。

皆が忙しくなると無駄なことをやめようと考えます。
村の行事が縮小して、コミュニティの結束が衰退して、
家族の絆もほどけてくる。

このままでいいのかともう一度考え直すきかっけになっている気がします。
このままで良くないと思います。

インターネットを通してのグローバル化は素晴らしい。
しかし、グローバル化は、個々の文化を守ってこその世界市民的共通認識。
個々の文化を認め合う関係でなければ意味がない。

このまま、まだまだ便利を追求するのでしょうか?
文化を置き去りにしてどこへ行くのでしょうか?

電気には環境税をかけてコストを上げればよい。
真夜中に煌々と電気をつけて営業しても儲からない仕組みになれば良い。
長時間労働をしなくても、生きていける仕組みが出来ればよい。

コストパーフォーマンスより、人の幸せを。



あはは。。。思い切り優等生的意見ですが、ちょっと本気で考えてみたくなりますね。
今、この状況では…ねっ!

祈りましょう。今日が正念場ですね。-原発事故

2011年03月17日 | 理ーことわり
いよいよ今日、これから、ヘリコプターからと高圧放水車で水を放水するようです。

放射線量と気象条件などの条件が整えば作業開始だそうです。

どうか、成功しますように、まずは祈りましょう。
強風が吹きませんように。水が確実に入るように無風でありますように。


昨夜遅く、保安院の会見で、「漏れている放射線量が、どういうわけかあまり数値が上がって来ないようです。」
「はっきりは云えませんが、漏れている穴が思ったほど大きくないのかもしれません。」
と、少し安堵の表情というか、久しぶりにほんの少し嬉しそうな様子で会見されていました。
凄い緊張の連続の中、ほんのひと時でしょうけど、安堵の色が見えました。

もし、そうなら、これって、神様に感謝せなねえ~とテレビを見ながら思いました。

今、ヘリコプターから水が投下されたようです!!

イメージの中では、安全に成功しそうなイメージなんですが。。。
御歳神社の風は優しいんですが、このまま、横やりが入らないように、
祈りましょう!
どうか祈ってくださいませ。
祈りはエネルギーになると信じて^^

真夜中の祈願

2011年03月15日 | 思うこと

今日(14日)、お昼に東京の知人からメールが来ました。 

ぜひとも御神威の強い御歳神さまに、原発事故が無事安全に収束しますように 

ご祈願をお願したいとのことでした。 


午後から塾で準備がまだなので、ちょっと時間がないので、 

まずは取り急ぎ平服でお祈りしてきました。 


で、塾が終わる10時半頃テレビをつけたら、まだまだ予断を許さない状況。 

これは、明日まで待って、もし大惨事でも起こったら、本当に後悔しますので神社へ向かいました。 


メールの後、塾の準備をしながら、急ぎ祝詞を作成。 

祈願内容と思いをメールで丁寧に頂き、その気持ちが私の気持ちととても近かったので、 

思いを伝えるべく祝詞を作りました。 


祝詞を書きながら、神様に何をお願いしたいのか、何が神様にお願いすることなのか、そんなことをいつも考えているんですね~。 

ですので、祝詞を書き終えるといつもすっきりした気持ちで祭典に臨めます。 

祝詞を書く作業が私にはとても大切なのだと改めて思いました。 



今回の未曾有の大惨事をどう受け止めたら良いのか、本当に心が痛みます。 


亡くなられた方のご冥福を祈らずには居られません。 

しかし、あまりに悲惨すぎて現実のものと思えない自分が居るのも事実です。 

これ以上、被害が広がらないように、もう津波が発生しませんようにとまずは神様に毎日お祈りしています。 


今回、原発事故が大惨事にならないように懸命に働いておられる方がいらっしゃいます。 

きっと命を賭けても安全を取り戻そうと働いておられる方がいらっしゃる事でしょう。 

しかし、原子力は、やはり、人の叡智を以ってしても制御できない、人智を超えた代物なのだと感じています。 

これを機にきっとエネルギーの転換への議論も始まることでしょう。 

間違ったことは、正せばよいのです。 

昔から日本人はそうしてきました。祝詞にもあります。 

「過チ犯ス事ノアランヲバ神直ビ大直ビニ見直シ聞キ直シマシテ…」 


ですので、これ以上、大惨事になりませんように。。。 

きっともう十分学んでいるはずです。 

もちろん、まだまだ何度も過ちを犯すのも人間ですが、それでも、少しずつ学びますから。。。 

「もんじゅ」などという神の名をカタル原発もありましたが。。。 


そんな思いで、祈って参りました。 

ああ、でも、日記を書きながら、テレビを聞くと、かなり危機的だと云います。 

ああ、なんとか、収束しますように。。。もう祈るしかないです。 


夜の闇の中の神社は好きです。 

空気がとても澄んでいます。 

音が遠くまで響きます。 


祝詞を読んでいると空気の塊が細い束になって私を包みます。 

それを御神威であり、御神意だと私は受け止めます。 


御歳神さまはお優しいです。 

(怒られたら怖いですが…^^) 

なんとか、恐ろしい大惨事にならないように、どうかどうかお取次ください。 


今、あまりに電気に頼りすぎた生活をしています。 

それを見直すきかっけにもなったと思います。 

人間は愚かですが、それでも、それほど愚かではありません。 

きっと、大地とともに、地球とともに生きていく道を見つけることができます。 

なので、どうか、道を間違えないように、お導きください。 

どうか、神様の御神威で照らしてくださいませ。 


私たちはそれに応えるだけのものを持っているはずです。 

神様の御神意に報いられるだけの智慧を持っていると思います。 

ですので、どうかどうか、お導きくださいますように、伏してお願い申し上げます。 


まずは、原発事故が収束しますことを、心をこめて祈って参りました。