マンデラ氏の逝去を世界中の数多くの人々が悼みました。
「これまでの人生をアフリカの人々の闘いに捧げてきた。白人の独占支配とも、黒人の独占支配とも闘ってきた」
「全ての人々が調和と平等な機会の下に暮らせる民主的で自由な社会という理想を抱いてきた」
「黒人や白人ら全ての南ア人が、いかなる恐怖心も抱かずに胸を張って歩けて、人間の尊厳が保障された社会を建設することを約束する。これは(多人種で構成された)『レインボー・ネーション(虹の国』だ」
凄い人ですね。
凄いところはたくさんありますが、今のギスギスした世の中と比べて、この人が凄いのは、仮想敵を作らなかったことかもしれないと思いました。
何か闘争をする時は、仮想敵がいる方が戦いやすい。わかりやすい簡単な図式にするほうが民衆を煽りやすいからです。
すり替えられることもよくあります。
マンデラ氏は、白人支配、白人だけが「悪」としなかった。
白人と黒人という安易な線引きで民衆の憎悪をぶつけることをしなかった。
敵と味方という図式にしなかった。
「白人も黒人も恐怖心を抱かず、胸を張って歩ける社会」を理想とした。
「白人の支配とも黒人の支配とも闘ってきた」
そう宣言することで、「虹の国」を目指したのですね。
この精神を見習えば、世界中の衝突や小競り合いが消えるのではないかと思います。
マンデラ氏に比べて、なんと心の狭い人が多いことでしょう。
ヒトは本来闘争本能を持つ動物だと思います。
他者より優位に立ちたいと思いますし、下位になることへの恐怖を持つ動物だと思います。
南アはその本能に勝る叡智が人々の心に響いた稀な成功だったのかもしれません。
でも、マンデラ氏が成し遂げたことなのですから、出来ない事ではないと思います。
大多数が「不可能」と思ったことでも、成し遂げられることもあるのですね。
まずは願うこと。それが力になる瞬間がきっとあるはずです。
世界中がいつか、「虹の国」になりますように祈ります。
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