鎮守の杜から
葛木御歳神社神職が、神道についてや、日々感じたことなどを思いつくままに綴った私的なページです。
 



 27日に奈良県神社庁主催のお伊勢参りツアーに、氏子さんと一緒に参加しました。寒い時期ですが風はなく穏やかな日和でした。特急電車を貸切にしてのツアー。行きの車内から宴会です。神社関係は必ずお酒がついてきます。伊勢の外宮を参拝して、内宮へ。この順序が正式だそうです。

 豊受大神宮(外宮)は豊受大御神(とようけのおおみかみ)をお祭りしています。古事記では、豊宇気毘売神(とようけひめのかみ)で、この「気-ケ」は食、饌(ケ)で、食物の意で、天照大御神のお召し上がるになる大御饌(おおみけ-食物)の守護神であり、穀物、産業の守り神として信仰を集めています。内宮に比べて、こちらは自然の森の趣きです。

 皇大神宮(内宮)の正宮には言うまでもなく、天照大御神をお祭りしています。入り口の宇治橋に二つの大鳥居がありますが、これは遷宮の際の内宮と外宮の旧正殿の棟持柱(むなもちばしら)が用いられています。間近で見上げると、正宮の大きさを改めて感じます。

 天照大御神をお祭りしている正宮にはいつもたくさんの人が参拝されていて、どうしてもあわただしく参拝する事になってしまいがちです。ただ、この内宮にあっても静かな場所があります。荒祭宮と風日祈宮です。

 氏子さんとお神楽を奉納して、正宮参拝、楽しく昼食の宴会を済ませて、買い物へ行かれる氏子さん方と別れて、私は再び宇治橋を渡りました。目指すのは荒祭宮と風日祈宮。荒祭宮(あらまつりのみや)は正宮の裏手にあります。ここは天照大御神の活動的、積極的な神霊である荒御魂(あらみたま)をお祭りしています。ただ、周囲の雰囲気は荒々しさというより、とてもゆったりと穏やかな包み込むような感じです。そこから裏参道を下ると御池があり、鯉や鴨が優雅に泳いでいます。この裏参道は表参道が大変な人の時でもひっそりとしていて、神域を感じます。御池を左に折れてまっすぐ進み表参道を横切ると、風日祈宮橋です。

 風日祈宮(かぜひのみのみや)へはこの橋を渡ります。45mほどもある橋の付近からいっそう静かな凛とした佇まいになります。私が参拝した時は他に人がなく、ただ、自然の中に溶けるような幸福感を味わいました。ここの余韻に浸るには、風日祈宮橋を渡りきった所で左に折れてひっそりとした木々の間を下ります。五十鈴川に出る所に五十鈴川の水の神である滝祭神をお祭りしている場所があります。ここは社殿はなく、御垣の中にちょこんと鎮座まします石神(石)をお祭しています。

 これで満足。にぎやかな参拝と静かな参拝の二通りの参拝をして、娘たちにちょこっとお土産を買って帰りました。

神宮のURL(内宮の地図・説明・写真など)

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 1月も下旬になり、まだまだ寒さはこれからですが、冬至の頃に比べて、太陽の光はずいぶん力強くなりました。 こちらへ嫁いで来て何より感じたのは、自然の光です。今の季節、風は冷たくても、太陽の光が格段に明るくなってきています。もう少し経つと目に見えて木々の様子が変わりますが、まだ、今は春のかすかな予感です。それがなんとも嬉しいのです。もうすぐ立春。昔の人も、この微妙な変化に幸せの予感を感じて春の訪れの日としたのでしょう。これから、陽の光に促されて、山が徐々に膨らんでいきます。緑はまだですが、木々の芽吹きが山をふっくら見せるのです。そこまでくればもう一息。そうしていっせいに瑞々しい緑とともに桜が開花します。待ちわびて咲く桜。春のクライマックスです。本当に待ち遠しいです。

 もう一つ、こちらに来て敏感に感じられるようになったのは、夜の月明かりと闇です。街中にいて、いつも街灯がついていては、真の闇も月の光の美しさも見えません。ここでは、満月と新月の違いが歴然です。満月の夜は、影までくっきり見えて、まるで昼間のようです。そんな宵の神社もこの頃好きになりました。拝殿の瓦が青白く光ってなんとも凛々しいお姿に浮かび上がります。昼間よりまして厳かな濃厚な空気を感じます。

 都会でこの雰囲気が感じられなくなったのはちょっと残念な気がします。神社でなくても自然の中に包まれて、その変化を肌で感じられるのは幸せなことですね。春の暖かさの前の控えめな予感。まだまだ寒いですが、季節は確実に歩みを進めています。

(朝の水分を含んだ空気に光が差して、美しい光の帯が見られました。 1月29日撮影)


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 1月14日、吉祥草寺のとんど(茅原のとんど)の準備しているところを見に行きました。 吉祥草寺は御歳神社から北へ5kmの所(御所市茅原)で、役行者の生誕地とされる場所です。とんどの起源も古く、村の方の話によると634年(701年?)から始まったそうで、とんど発祥の地だそうです。オス・メス2つのとんどが作られ、オスは高さ7m重さ1.7t ほどあるそうです。写真はひとまわり小さいメスのとんどです。村の人たち200人くらい総出で作られます。

 とんどは、左義長とも呼ばれ、正月の松飾りを焼く行事として、全国的に見られます。お正月にお迎えした年神様に、松飾りを焚き上げることでお帰り頂くという行事です。
 茅原のとんどは一説には役行者が流罪を許されて戻ったことを喜んだ村人たちが神様への感謝のしるしに大たいまつを燃やして喜んだのが始まりとも言われ、また、雨乞いのために14日間火を燃やし続けた故事によるとの説もあるそうです。色々な理由で火祭りが行われていたものが、全国的に「とんど」「左義長」の名で正月の行事に吸収されたような経緯もあったのではと思われます。
このあたりではとんどは村のお寺で行われることも多いですす。私の村もとんどはお寺で行います。

下記のページに燃えているとんどの写真があります。
http://www.narayaku.or.jp/narayaku/narayaku/05.html


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 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 御歳神社の歳旦祭は一月一日午前0時より行われました。前日の大晦日、一瞬のうちに雪が積もり、雪が残る月明かりの中のお祭りでした。真夜中の神社は、なんとも荘厳な雰囲気でした。時折、風が大きく木々を揺らし、山全体が大鳴りしているようでした。境内に浅く掘られた直径1.5m程の場所で大きな薪を燃やします。火のぱちぱちいう音が響き渡ります。真夜中の祭典に感動。普段の日常とは別の時間軸にいるようでした。

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