一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

窓枠への手摺棒取付け

2021年09月04日 16時50分31秒 | 住宅ノウハウ・実例
▲パイプ受け金具  窓の手前の枠内にT字で落下防止の木製パイプを付けました。


既存サッシをカバーリング工法で断熱性の良いサッシとガラスに交換しました。

そこは階段の踊り場で、窓から落ちる可能性のある高さのため
以前は花台が外壁にあったのです。

それを既に取っ払ってしまっていたため
窓の内側に落下防止の手摺をというご希望でした。

窓にはロールスクリーンも付ける為、
窓枠の内側からはみ出ないように手摺を付けないといけません。

取り付けにあたって、この金具でどうか?

と打診があり、

シルバーやクロームメッキはちょっと合わない、
さらにステンレス棒ではなく木製の丸棒でしなるので
もう少し長い方が良い、私が探すということで、

▼ブロンズ色のこれを提案しました。


この金具を端の3カ所に、真ん中にT字ジョイントの同じ色の製品で、
とお願いをしておきました。

ところが、カバーリングサッシを付けてみると
枠内の寸法が当初より少なくなり、

指定した金具の直径が大きいため、「ビスを打てない、はみ出してしまう」
ということがわかりました。
手摺棒をそれ以上細くすると強度の問題があります。

枠内に収めるには、金具を何センチ以内でと連絡がありました。

それではと、

▲この写真のインナータイプの金具で探そう、ということになりました。

このタイプは、金具の中にビス穴があります。
外寸さえOKであれば取り付け可能です。


クロームやシルバーは、木部色がこげ茶のため目立ちすぎます。
目立つ必要のない金具ですので、
良い物はないかと探しましたが、ブロンズ色が見当たらないのです。

探しているうちに、無垢の真ちゅう製が見つかりました。
ゴールド色ですが、無垢の真ちゅうなのでい、やらしさもありません。

それを注文して取り寄せ、実物を確認して
これならと金具を支給して、3カ所に付けてもらうことにしました。

真ん中のT字ジョイントは真ちゅう製は無かったので、

▲真ちゅうに合わせてブラス色T字ジョイントの金具を使いました。
真ん中に1本立てるのは、手摺棒の強度のためです。

しかし、窓枠が装飾のため段差が付いていたため、
金具が途中で少し浮いて隙間ができます。

現場監督は、「サッシのツバに被せましょう」
と提案しましたが、

「いや、それはやっちゃダメ。何かの時に良くない。」
と却下。

幸い、腕も良く私の面倒なお願いを
いつも嫌な顔をせずやってくれる大工さんなので、名案が。


上の写真のように真ちゅう金具の下の浮いた部分の段差に
円弧の木材を加工してピタッと入れてもらいました。

これで、やっと想定していたように設置できました。


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建具用のスプリング戸当り

2021年09月01日 09時01分22秒 | 住宅ノウハウ・実例
▲ これが、スプリング戸当りです


建具の戸当りは、最近の標準的な戸当りは



が一般的です。
床に取り付け、使っていない時は薄く邪魔にならず
建具が開いた時だけマグネットで留める、
さらに風が吹いても良いようにロックもできます。

ですが、これが付けられない状況が出てきます。
その場合、建具の上部に付ける戸当り金具がいくも種類があります。
例えば



シルバーに白ゴムもあれば、
この写真のようにブロンズに黒のゴムもあります。
シンプルですね。
しかし、建具を見た時にどう感じるかということもあります。

今回もイレギュラーな建具が出て、現場監督に伝えましたが
「???」だったので、自分で3種類取り寄せて、現場で検討しました。
スプリング戸当りもそうです。

最初にアップした写真は、シルバー色にホワイトですが
ブロンズ色にブラックもあります。


このスプリング戸当りは、私も海外視察で
泊まったバンクーバーのホテルで初めて見ました。
写真に撮って記憶していました。

どうやって使うかというと、
建具がぶつかる巾木部分にこれを付けるのです。

横に飛び出していたら、足がぶつかったら痛いですよね。
その時に、横にグニャと曲がるので、痛くないのです。
海外で見たのは、今回私が購入したのよりも
下記のようにもっと柔らかかったのです。


▲▼海外のホテルで見たスプリング戸当り、軽くグニャと曲がります。


建具のレバーが壁にぶつかる前に、これで建具を受け止めてくれるのです。

戸当り金具を工務店任せにすると、シルバー色にホワイトを常備していて
それを使うことが多いので、目立っておかしいこともあります。
色を含めて検討してみてください。



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基礎コンクリートのコーナー部分

2021年08月29日 17時33分43秒 | 住宅ノウハウ・実例
▲基礎立上りのコーナー部分 


建物の構造や耐震性を考えるときに、上から下への力の流れを考えます。
間取りのプランを創るときも、それを考えながら創ります。

耐震性を考えて1.5倍以上の耐力壁を設置すると
建物の四隅は、引抜き力が掛かるため、いくら分散しても
ほぼ確実に、そこにはホールダウン金物は必要になってきます。

コンクリートは圧縮には強いのですが、引張にはかなり弱いです。
それを補うために鉄筋を入れます。
鉄筋は引っ張りに強く、圧縮には弱いのです。

昔は木造住宅の基礎に鉄筋が入っていなかった時代がありました。
古い家の無筋基礎では、基礎の割れが生じていたりしますが

最近の住宅基礎で割れを見ないのは、鉄筋があるからです。

さて、2021年8月29日(日)に基礎コンクリートの完成状態を
確認にしてきました。
日曜日でしたが、朝から型枠をばらしてくれましたので。

建物の四隅は左右2方向からの力が、
台風時、地震時に複雑に加わります。

写真の基礎では、コーナー部分のコンクリートを斜めにして
幅を太くしています。

強度上、ここまで必要はないのですが、
ここは2方向から力が加わるので安心感がありますね。

ここまで指定はしていないのですが、
ここの工務店はいつもこの方法をしてくれます。

今回の住宅は敷地の関係で平面的に斜め壁があります。
その場合、私が心配するのは、柱に梁が僅かしか掛からない
箇所が必ず生じることです。

その心配を解消するために、
この基礎の角のふかしではありませんが、

外れやすい梁を受けるためだけに柱をプラスすることです。
意味がわならないと思いますので
上棟が終わってから、写真と説明をアップします。

これも必修ではなく、
こんなことをわざわざ考えて設計は私以外
見たことがありません。

でも、阪神大震災、小千谷地震で倒壊した現場を見て考えれば
これが必要だと賛同してくれるでしょう。

在来工法の構造計算では、
木造接合部分はピン構造と設定して、壊れないことを前提に
それはスルーして計算しているのですが、

計算しないというより、どう力が加わるのか
実はわからないので計算できないのです。

通常の直角の建物ですと、それで問題は起こっていないので
経験上、それで良いと思います。

変形している斜め壁の場合は、私は必要だとアナログ的に
考えてしまいます。

机上の設計では、どうやって接合されている意識していない
設計者も多いでしょう。

実際に梁が柱にどうやって接合されているか
斜め壁の場合はどうなのかを知ったなら

私の不安とその柱を加算する理由を理解して頂けると思います。

ウッドショックの影響で、指定木材が手に入らす
大変なことになっていますが、来月の半ばにはやっと
上棟ができそうです。

 

▲斜めの外壁ができます。柱に対して斜めに掛かる箇所が出てくるので
その梁が外れたりしないように、梁を受ける柱を設けます。
上棟後に、また説明しましょう。
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土地購入時の注意

2021年08月27日 16時08分46秒 | 不動産のお話
▲ 隣地の擁壁でも法的に制約を受けることがあります


土地を購入するときのアドバイスとしての注意事項は
たくさんあります。

その中から宅建士や弁護士さんとは少し違う
建築士からの知られていない大事な視点をお話しします。

横浜市、特に青葉区などは土地の高低差が多いので
擁壁が多く、さらにはブロック積みも問題になってきています。

「なんだ、そりゃそうだ」と思うかもしれません。
しかし「隣地の擁壁やブロック塀でも同じように問題になることがある」

ということはご存知でしょうか?
もっといえば、隣地より離れていても法的に影響を受けることがあります。

あなたが家を建てるときに制約ができてしまい

「思った広さの家を建てられない」
「工事費用が想定以上に割り高になって、建てられない」
「平地だけど、隣地のブロック塀が問題で協力してくれない」
「ブロックの擁壁だが、隣家が建っているのでやり直し工事ができない」

ということも起こります。

「それなら、重要事項説明に書かれているはずだ」

と詳しい人なら思うかもしれませんが

隣地のことは、大手不動産屋さんでも
要求しないと調べてくれませんし
隣地が協力してくれるかどうかまでは、聞いてくれません。

たくさん土地の候補が出ても、私が現地確認して
そういうリスクの指摘を行ったことで、その土地を見送る例も
珍しくないのです。

知っておくべきことは、自身の土地の擁壁だけでなく
最低でも接している隣地の擁壁やブロックが法的にOKかどうかを
確認すべきです。

また、さらに拡げて影響が出そうな斜面や崖がないかも
確認しましょう。

それだけでも、実はまだ足りないのです。

大阪での地震でブロック塀が倒れたことで
ブロック塀の違反に対して厳しくなっています。

許可を受け、検査済を受けた擁壁の上に
ブロックを積んで土留めをしている事例は
坂のある青葉区などではよく見かけます。

しかし、それが合法的に行われているかというと
そうではない例の方が多いのです。

そのまま中古住宅で住めば指摘されることは稀ですが
建て替えとなると、その部分への対応が必要になります。

横浜市では、通学路にあるブロック塀で違反状態にある塀を
数年前から全て個別に調査して、現状の説明と補強のお願いをしています。
それだけ厳しくなっているのです。

隣地に面しているケースまでは調べていませんが
建て替えのときには、チェックが入ります。

単に塀であれば、費用を負担すれば壊してやり直しできますが、
土留めというよりブロックの擁壁になっている場合

最悪、家を壊さないとやり替えできない、
または自宅を壊しても、隣家があるのでやり替え工事ができない

という場合さえ、横浜市では見かけます。

そういう土地を購入してしまうと
少々安く買っても、それを上回る費用が掛かることがあるので
注意しましょう。

中古住宅を安く買ってリフォームして住もうと思っていた方が
ハウスメーカーのリフォーム案と費用を信じて中古購入したら、

基礎も床も折れていて、
それを直すのに予算をはるかにオーバーする費用が掛かる、
どうにもできないと購入してからわかった人もいます。

これは建築本体のことになるので、今回の話とは別の話なのですが
自分の目で、よく確かめていれば気付けた例です。

しかし、
「擁壁、ブロックは、自分の土地だけでなく
隣地も100%影響してくる、さらには隣地以外の場所でも影響することがある」

ということは、一般の人は知らないと絶対に気付きませんので
注意してください。

横浜市でも土砂崩れがあったり、大阪では擁壁と一緒に家屋が倒れました。
逗子ではマンションの擁壁が崩れ、熱海の土石流もありました。

こういう事故が起こるたびに、今まで法的に少し問題があっても
厳しく指摘を受けなかったケースが、厳しくなっていきます。

これらも確認して、問題があった場合はどういうリスクがあるか、
どういう対応方法があり、それは実際に可能か
費用はどのくらいか、ということを具体的にわかった上で
土地や中古住宅を購入してください。



▲これは、ブロックの擁壁の上に家屋があります。ブロック擁壁です。


▲擁壁の上に土留めとしてのブロックがあります


▲ブロック塀です。隣地にあっても指摘を受けることがあります。


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メディアへの対応

2021年08月21日 13時26分48秒 | ユーザーの方へ
▲昨年末、テレビの「クイズ距離感カジノ」 という番組で少しだけ解説 


メディア関係、雑誌やテレビ等の問合せがある場合は、
できるだけ対応するようにはしています。
(広告宣伝は受け付けませんので)

ニュースになる建築関係の事故やトラブルが起きた時とか、
分かりやすい例ですと以前、新東京タワーのエレベーターが強風で止まった時とかも
電話でテレビ局から問合せがありました。

私が不在の時が多いので、その場合はスタッフではコメントできませんが
私がいる時でも、電話での話の後に「明日、スタジオに来て解説して下さい」
と突然言われて、予定を崩せないのでお断りすることはあります。

テレビの場合は、1~2時間取材を受けても、そのうちの
数十秒だけカットされて終わりという場合も当然あります。

TVのビフォーアフターの番組では、
毎日現場撮影をしていましたが、
張りきって毎日現場へ入っていた職人さんでも
全く映らなかった場合がほとんどでした。

それらをわかった上で対応しているのは、建築関係の
テレビニュースなどの解説を見ていて「う~ん、違うなあ」と
思ってしまうことがあるからです。

これは、裁判や建築紛争でも同じです。

それまでの建築紛争の経過を読んで、
裁判官等にアドバイスする仕事もしていますが、
片方の建築士の指摘が間違っていたり、
極端に偏っていたりする場合があります。

間に入らないとそれが正しいかどうか
誰も判断できなかったり、指摘もできないからです。
裁判官が全く反対の理解をしていたこともありました。

メディアでも同じで、一級建築士が述べていれば、
偏った意見でも一般の人は正しいと思ってしまうので
私が理解できる内容の場合は、対応するようにしています。

これは、一級建築士事務所という立場もありますが
ゼネコンでの現場監督の経験や、

机上の住宅の設計だけでなく
毎日のように現場をみて、実際はどうやって工事がなされているのか
その場合の問題点を感じたり、指摘することが多いためです。

そういえば、以前、ダイヤモンド社から取材を受け LIXILの「住人オンライン」というWEBサイトでは、1カ月以上前に4回連載でアップされていました。

メディア関係のまとめをホームページでまとめようと思いながら
既に10年以上手付かずで、資料がどこにいったかわからないものも
出てきています。いずれまとめたいと思います。


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