一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

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300年住宅とご質問

2008年03月28日 12時45分21秒 | 300年住宅
みなさん、おはようございます。ミタス一級建築士事務所の清水です。

昨日、2008年3月27日に300年住宅の完了検査を受けました。完了検査はOKですが、簡単な外構工事や残工事、手直し工事、別途工事などがまだ残っています。
そのため、まだ完全完成ではありませんので引き続き工事を行いますが、大きな区切りの日となりました。


この同じ日の夜遅く、私のところへある男性の方から質問がメールで来ました。


質問の内容を要約すると

「半年前から家を持ちたいと思うようになりましたが、貯蓄はほとんどなく、収入から考えて家を持つことは無理ではないかと考えていました。WEBで観た300年住宅の工法に興味を持ち、ミタスの建築に対する思いや率直な内容に共感しました。質問内容に違和感があるでしょうが、率直に伺いますと、私は家を持つことができるでしょうか?」

ということです。

私には、この方が家を持つことができるかどうかの判断はできませんので、参考になればと、私がお答えできる範囲でお話します。


以前、ミタス一級建築士事務所で設計監理を頼まれて建替えた方、何人かのお話をいたします。


中古で購入した家を建替えたいと思い、それまで雑誌やテレビ、いろいろなホームページを観ていた奥様が、私のホームページをご覧になってから、他のものは一切見ることをしないで、1年以上毎日私のホームページだけを眺めていらっしゃったとのことです。

ご夫婦で相談にいらっしゃいました。費用としてはかなり厳しかったのですが、そういう思いで建替えのために節約しながら長い間過ごされてきたこと、さらにすべてお任せしますと頼まれますと、多少厳しくても私はノーとは言えません。

設計だけでのコストダウンでは限度があるので、工事業者にもお願いして、何とか予算内で完成して、現在はご家族ともに喜んで頂き、お住まいになっています。


他の例では、テレビのビフォーアフターや建築家が出てくる家造りの番組をすべて録画され、何度も観て、ご自身の家を希望通り設計してくれるのはミタスしかないと、事務所にご相談にいらっしゃった方もいます。定年退職されたご主人様で、ミタス一級建築士事務所のホームページをすべてプリントアウトされ、アンダーラインをたくさん引かれていました。

この方も予算が厳しく、比較的遠方でしたので、私は少し迷いましたが、そこまで検討されてミタス一級建築士事務所に全部お任せということであればと、それに応えることが私の使命です。これも予算内で何とか建替を実現することができ、喜んで頂くことができました。


また、4年前からご相談を頂いている方もいらっしゃいます。当時は無職の方でした。仕事をして1年経てばローンを借りることができるからと、建て替えをするために仕事を探すことから始められた方もいらっしゃいます。

現在、設計が完了し業者見積りも終わりました。後は銀行との折衝待ちとなっています。


他にも、同じような例で完成している住宅は、たくさんあります。

予算が少な過ぎるので、どうしたら良いか、引き受けるかどうか私が現在思案中の方も、いらっしゃいます。私が設計する以上、「快適な住宅」ということが実現できない限り、例え住まい手が希望されても、お引き受けすることは私自身への裏切りだと思っているからです。

ログハウスのお店を持つという夢の実現のために、若い人から相談が来ています。この女性は、その実現のために自分を追い込んでひとりで必死に働きながら資金を貯めていらっしゃいます。



私がこの方にお伝えすることがあるとすれば、

もし、家を建てたいということが夢だとすると、実現することは可能だと思います。

単なる希望であれば、いくつもある中のひとつですし、実現できないまま流れていくことも多いでしょう。


夢であれば…そのために自分を集中させることができるならば…
他の人ができていることは、大抵叶うはずです。

無理だと思ってしまえば行動しませんから、いつまで経っても実現しないでしょう。

例に出させて頂いた人は、この質問の人より恵まれた条件の部分はあるかもしれませんが、できることを精一杯努力され、実際に行動されたのです。

そうでなければ、できない理由に流されて実現しなかったかもしれません。


300年住宅の完了検査のことを本日の最初に書きましたが、

このオーナーからも、土地取得から約2年掛かりましたが、感慨深いものがありますとの感想と、私へのねぎらいのお言葉を頂きました。

この感慨深いというひと言には、本当に様々な想いと、今までの行動と決心、苦労が凝縮されて詰まっているひと言であったことが、私にはわかりました。

ミタス一級建築士事務所も、この300年住宅の実現のために一大決心をして、行動してきましたが、一時は断念しようと考えたこともありました。

4年前にイタリアへ行ってから、300年住宅のような耐久性のある石造りで、断熱性能が良くて、地震にも強いものができないかと、漠然とではあっても毎日仕事をしながら夢見ていました。

4年前は、これが実現するとは想いもしませんでしたが、吸い寄せられるように物事が進んでいきました。それでも順調ではなく、問題を解決し、障害を乗り越え犠牲も覚悟しないとできないことでしたので、

どうすれば実現できるか、答えの無いものをひとつひとつ、考えながらできるように行動していって初めて可能になったのもです。



実現する方法がわかっていて、普通にしていれば実現するものは、夢とは言いません。

どうやって実現して良いかわからない、何かを犠牲にしてでも実現したい、

それが実現するなら大変だとわかっていても、喜んで飛び込みますというのが夢だと思います。

家を建てることに関して、そういう気持ちをお持ちなら、実現できると思いますし、そのためには何をして行かなければならないかは、ご自身でも考えられると思います。


夢が大きい場合、必ずしも順調に行くとは限らず、
大きな障害やダメージを受けて、普通であれば断念しても
仕方が無いという状況に陥ることもあるでしょう。

私はこれは、その人が試されているのだと思います。

それでも諦めずに頑張り続けた人には
道が開けてきたり、助けが入ったり、偶然が起きたりするようです。

夢は人によっていろいろ異なりますが、

思い続けて行動し続ければ実現できると思いますし、

そうでない場合、実現するかどうかは私にはわかりません。




住宅 設計事務所 

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