一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

ご質問から…

2008年11月13日 20時09分57秒 | 建築家の日記
▲ バンクーバーの郊外住宅


みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。

本日、下記の質問がメールでありました。

……………………………………………………………………………

「はじめまして。○○の学生のものですが、建築について質問があり、
メールさせていただきました。
以前サブプライム問題での日米の住宅についての考え方について
お書きになっていましたが、そのことについて詳しくお話が聞きたく
思っています。

なぜ日米は住宅の考え方について違いがあるのでしょうか?
また、日本ではサブプライム問題は起こりえないんでしょうか?
お答えお待ちしております。」

……………………………………………………………………………

これは、 2008年8月29日 のブログで書いたものに関しての質問のようです。


「なぜ日米は住宅の考え方に違いがあるのか」 というご質問ですが
歴史を勉強してみてください。

アメリカへ開拓者達がヨーロッパから渡っていって、家はどうしたのでしょう。
バラックからはじまり、ログハウスとなり、現在の2×4工法へと進んでいきま
した。誰が造っていったのでしょう?大工さん?
開拓者の中に大工さんが何人もいたでしょうか?


ヨーロッパの家を調べて下さい。
ブログやホームページでも紹介していますが、
石の家が多いですね。しかも何百年も経ったものが
当たり前のように建っています。


なぜ外壁の厚みが60センチもあるような石の家なのでしょうか?
ドイツでは木の家でさえ、外壁の厚みが36センチもありました。
その理由は?歴史を勉強して考えてみてください。


日本に現存する多くの住宅は、戦後に建てられました。
しかも、東京オリンピックや大阪万博などの高度成長期のときにです。

そのときに造られた家は、どういう考えで造られたのでしょうか。
社会背景はどうだったのでしょうか?

生まれていないと思いますが、考えてみてください。
北京オリンピック前の中国がヒントになるかもしれません。

また、欧米と日本の住宅の寿命を考えて下さい。
日本の住宅がなぜ先進国に輸出されないのかも考えてみてください。

これらを考えれば、なぜ日米の住宅の考えが違うのかを
理解できると思います。

学生であれば勉強が仕事ですから、これから先は
ぜひ、ご自身で調べて考えてくださいね。




次に「サブプライム問題は、日本では起こりえないのでしょうか?」
というご質問ですが、1990年からバブルが崩壊して、似たような状況は
日本でもありました。

本来、日本の銀行は担保を取っても、返済能力があるかどうかを調べてから
貸し出します。でも、バブルのときは、土地などの不動産があれば、返済能力を
無視してどんどんお金を貸してくれました。

不動産がどんどん値上がりしていったので、イザとなれば売却すれば良いと
考えたのです。この点はサブプライム問題と似ています。

サブプライム問題と同じように、「ゆとり返済」を選んだ人は、
月々の返済が突然アップしたときに返せなくなる人が出てきました。

バブルが弾けて、土地の値段も一気に下がりましたが、売却しても
多額のローンだけが残ることになりました。
でも、日本では債務は破産などをしない限り、借りた本人にあります。


サブプライム問題ほど酷くはないですが、似たような状況になりましたから、
日本でも遠い将来、今後も無いとはいえません。


ですが、以前のブログでも書いたように、日本と違い米国は、
金融機関がすべての負債を負うため、リスクの前提が異なります。

アメリカでは値下がり時には、金融機関や機関投資家が負うリスクが
大きいのです。

これは、アメリカでは中古の住宅でも価格は上昇を続けていくという
過去の事実からくる考え方が前提にあったからす。

日本では、土地の価格は上がっても、中古住宅の価格が上がっていくという
ことは、通常は考えられませんね。




横浜市 住宅 建築家  

ALL contentsCopyright R 2008 mitasu




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする