河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

7/27(土)13時30分 NHK文化センター京都 ショパン「マズルカ」Op.59全曲、「バラード第3番」等

「宿題」悼・河合隼雄さん②

2007-07-21 16:43:48 | 悼・河合隼雄先生
以前、京都新聞に書いたエッセイを再録します。
ちょうどぴったり1年前、2006年7月21日掲載です。

           「宿題」  
               河野 美砂子
 
 長野県戸隠での恒例行事、「お話と朗読と音楽の夕べ」は、今年でもう8回目になる。
河合隼雄さんのお話、谷川俊太郎さんの詩の朗読、それに私のピアノ、という舞台。みずみずしい緑のこの季節、印象的なエピソードとともに、得がたい時間を過ごすことができた。

この会は、編集者だった山田馨さんという人が、戸隠の喫茶店「ランプ」を世に広めよう、と考えたのがそもそもの始まり。
山田さんが河合さんや谷川さんを巻き込んだ、という形で、今では、谷川さんは「戸隠ありったけ」という地元の会のCEO(会長)に就任するほどだ。

今年は「木」がテーマで、「木とともに生きる」(河合)、「樹木昇天」他(谷川)、武満徹「雨の樹」など(河野)、充実した内容だった思う。

2時間ほど皆がプロとしての仕事をした後、実はこの会独自の趣向があって、河合氏のフルート演奏、谷川氏は歌を披露。
最近はお二人ともそれぞれに進歩のあと著しく、今回は、私も含めて三人が一緒に演奏できるよう、「宿題」(詞・谷川俊太郎、曲・谷川賢作)を私が編曲した。

リハーサルではバッチリうまく行っていたこのトリオ。

が、私のソロの間奏がややこしかったせいか、まず谷川さんが3番の入りをトチリかけ、続いて河合さんも路頭に迷い……これはなかなかの事件で、絶句する谷川さん、あわてる河合さんの姿は、通常そんなに見られるものでない。

でも、さすが大人(たいじん)二人。
普通のオジサンが二人してオロオロしたら目も当てられないが、そこはその存在感がモノを言うのであって、お客様には大ウケだ。

来年に「宿題」は持ち越し、と谷川さんが最後に締めくくり、めでたく終わったのでした。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 悼・河合隼雄先生① | トップ | 東京芸大にて 悼・河合隼雄さん③ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

悼・河合隼雄先生」カテゴリの最新記事