佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

東京新聞社説 2014年1月4日

2014-01-05 | さよなら原発

時間を押し戻そうとするかのような北風が、年の瀬を駆け抜けました。

三度目の年頭。もう一度、心に深く刻まなければなりません。福島を忘れない。

オランダの首都アムステルダムの街を歩くと、三つ並んだ十字の印を至る所で見かけます。

赤い地の真ん中に、黒っぽい横線が一本、その上に白い十字が横に三つ並ぶのは市の旗です。

そして、二頭のライオンに挟まれて、十字が縦に三つ並ぶのが市の紋章です。

◆十文字が意味するもの

三つの十字の意味はと言えば、その昔、街を襲った三つの災い、洪水、火災、感染症を表しているそうです。

起こりうる災いの怖さを子々孫々まで語り継ぎ、常に備えを怠ることがないように、あえて十字を掲げています。

江戸時代からオランダに多くを学び、近代化の礎にしたこの国も、災厄を歴史に刻む方法までは、教わらなかったと言うのだろうか。首都東京の中心が、忘却の波に沈み始めているようです。

福島の事故現場は収束に向かうどころか、混迷を深めています。

爆発を免れた4号機では、傷ついていない核燃料の取り出し作業が始まりました。

しかし、1~3号機から溶け出した燃料は所在さえつかめません。原子炉格納容器の外に溶け落ちた恐れもある。無事故でも一基百年といわれる廃炉、解体への道は、緒に就いたとも言い難い。

汚染水は年末年始もお構いなしに流れ出ています。

熟練の作業員は、被ばく線量が限度に達して次々に現場を離れ、作業の質は低下する。

自治体に丸投げされた、有事の際の避難計画作りは一向に進みません。計画はできたとしても、目に見えない放射線からどこへ逃げれば安心なのか。

使用済み核燃料の捨て場所は、どこにも見つからないでしょう。リサイクルの計画も夢物語の域を出ていません。

十字、いやバツ印をいくつ付ければいいのでしょうか。

これだけ多くの災いの種を抱えているにもかかわらず、政府は前政権の「二〇三〇年代原発ゼロ」から一転、原発を「重要なベース電源」と位置付けました。

ベース電源とは、二十四時間、しかも安価に稼働させられる電源です。震災前は、原発と揚水発電以外の一般水力。そして石炭火力がそうでした。

◆原発こそ不安定では

電力需要時に足りない分を補うのが、ピーク電源と呼ばれるLNGや石油火力です。

原発は、出力調整が極めて難しく、一度運転を始めたら、二十四時間最大出力で、突っ走るしかありません。

今、国内に五十基ある全ての原発が、再び停止しています。

天候に左右されやすく、出力が不安定な風力や太陽光には、ベース電源の重責を担えないといわれています。

だとすれば、無限大の安全管理が必要な、扱いにくい原発こそ、最も不安定な電源なのだと考えなければなりません。

原発を動かさないと、LNGや石油火力の燃料費がかさみ、電力会社は年間三兆六千億円の負担増、百万キロワット級の原発一基を稼働させれば、温暖化の原因になる二酸化炭素(CO2)を、一年で0・5%減らせるとされています。

原発は、本当に割安なのか。

政府によれば、福島の賠償と除染、さらに廃炉や汚染水対策に、少なく見積もって約二十兆円の費用がかかります。

東電の負担なら電気料金への転嫁、国が持つなら税金です。結局つけは国民に回ります。どれだけお金を使っても、福島の人たちの暮らしや風景は、もう元へは戻せません。

現在十六基の原発が、原子力規制委員会に再稼働の申請を出しています。政権は今年を、再稼働の年にしたいのでしょう。

原発は金のかかる危険なものだということに、国民の多くはもう気づいているはずです。

温暖化対策ならば、再生エネルギーの普及の方が王道です。私たちは“太陽と風の年”をめざしましょう。

◆フクシマを心の地図に

ドイツでは、再生可能エネルギーへの転換が着々と進んでいます。総電力の約二割を賄い、温室効果ガスを一九九〇年比で二割以上減らしています。

市民自ら電力会社を設立し、再生可能エネルギーでつくった電力だけを地域へ供給するという、エネルギー自治も進んでいます。

なぜでしょう。

スリーマイルとチェルノブイリとフクシマを、心の地図にしっかりと、刻みつけているからです。

 

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ひとりで生きる~堀文子

2014-01-03 | 雑感

昨年末、友人から贈られた本です。

友人は堀文子女史が大好きだと書いていました。

私は、この本も、堀文子女史の存在も知らなかったけれど、

読んでみて、友人の言葉に納得。。

 

堀文子…1918年(大正7年)生まれの日本画家。

真の自由と自立を求め続け、

何ものにも縛られない絵の世界で飛翔し続ける女性。

 

「日本はバブルの真っ最中。恥知らずの国に成り下がり、

品位を失ったこの国で死ぬのは嫌だ」と思い、

70歳でイタリアに単身移住。

「私」という単語さえしゃべれない環境に自分を放り出す。

帰国後も、77歳でアマゾン、80歳でペルー、81歳でヒマラヤ山麓へ取材旅行。

未知の世界を求め続けます。

 

 

群れない、慣れない、頼らない。これが私のモットーです。

 

みんなひとりが寂しいといいますが、人といれば本当に寂しくないのかしら?  

人はそもそも孤独なんです。

 

私にとって、しいんと引き締まった孤独の空間と時間は何よりの糧である。

 

息の絶えるまで感動していたい。

現状を維持していれば無事平穏ですが、新鮮な感動からは見捨てられるだけです。

私は岐路に立たされたときは必ず、未知で困難な方を選ぶようにしています。

 

 

堀文子さんのような生き方は私にはとうてい真似できませんが、

これらの言葉を忘れたくなくて…ここにメモしておきます。

 

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ついてない?

2014-01-02 | 佐世保・長崎

天気晴朗にて風も無し!

初春の海を見に行こう~ 

と、夫を誘ってドライブ。

(悲しいかな。ワタクシは車の運転できませんので)

 

最初に立ち寄ったのは、黒崎教会。

1899年に建設に着手したものの、資金難で一時中断、

1920年にようやく完成したというロマネスク様式の美しい教会です。

 

そのすぐ近くにあるのが、今日の第一の目的地の遠藤周作文学館。

これまで行く機会がなくて、やっと…

着きました。

おや?

ずいぶん静か…不吉な予感が…

ガーン!

トホホ…

こいつぁ春からついてないなぁ。

仕方なく、建物の周りを散策。

テラスからは角力灘が一望できます。

夕日の絶景ポイントだとか…

次に来る楽しみにとっておきましょう。

 

もう一つ、ド・ロ神父の設計で有名な出津(しつ)教会に立ち寄った後は、

第2の目的地、崎戸へ。

崎戸島へ行くには、まず大島大橋を渡ります。

途中道を間違えたりして、やっとたどり着いた「ウォーターデッキステーション」

2回目です。

おや?またもや不吉な予感…

えー!なんで?

ドアに鍵がかかってる!?

すきまからカメラの望遠レンズで覗いてみると…

あちゃー!

デッキの床が剥がれてる!手すりも倒れ掛かってる!

通行止めにするはずだ・・

台風4号の被害を受けたせいだとか。

ウォーターデッキから沈む夕日を撮るつもりだったのに…

近くの岸壁からパチリ。

早々に引き揚げました。

 

ついてない日だな~

「そうだ!帰りにハウステンボスに寄ろうか~?」

「だめ!もうガソリンが切れかかってる!早く家に帰るぞ!」と夫。

(ガソリンとはアルコールのこと。夕方になると自分をガス欠と言います)

 

ところが、途中で道を間違えて、西海パールラインに入っちゃった~

江上を出ると目の前にハウステンボスが…

幻想的なイルミネーションが手招きしてたので、夫も観念。

フリーゾーンに向かいました。

運河の向こうは有料ゾーン。

そこには眩いばかりの光の王国があるという。

でもね、私にはこのくらいがちょうどいい感じ。

 

金色の林の向こうは…

パレスハウステンボスでした。

この建物の向こうにあるバロック式庭園では、光の噴水や光の回廊などが造られ、

音と光がシンクロした幻想的な世界が広がっているようです。

 

でも、夫のガス欠もほぼ限界のようなので、今夜はこれにて打ち止め。

帰宅の途に就きました。

 

今日のドライブは、目的のものはどちらも見れず、ついてなかったけれど、

最後に予定外の素敵な世界に立ち寄れて…結局ついてたのかな?

                                           

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2014年元旦

2014-01-01 | 雑感

 

 

あけまして おめでとうございます。

福島の現状、特定秘密保護法の成立、沖縄の基地問題…

どこを見てもおめでたいにはほど遠い新年ですが、

嘆いていても、何も解決しない。

この結果を招いたのは他でもない私たち自身。

それを忘れず、私たち自身がしっかり手綱を握り、暴れ馬に鞭をあてよう。

これ以上の暴走は許さない…

 

午後、佐世保市の亀山八幡宮に初詣。

ぎょぎょっ!

国道傍の鳥居をくぐってすぐのところから参拝の列が…

佐世保に来てから6回目のお正月。

ここへ初詣に来るのはたしか4回目。

参拝の列に並んだのは初めてです。

今までは2日に来てたから?それとも時間帯?

などと思っていたら、

すぐ後ろから「こんなに行列したことないよね~」との話し声が…。

やっぱりそうなんだ~

今年は特に参拝者が多いのかな?

なぜ?

昔からよくいいますよね、景気の悪い時ほど初詣客は多いと。

 

アレ?世の中景気が良くなったんじゃなかったっけ?

アベノミクスとやらのおかげで?

実際は全然良くなってない?

 

いずれにしても、この春の消費税増税で、弱者はますます暮らしにくい社会に…

年金は減らされ、税金は上がる…で、ほんとに心細いけれど、

せめて健康で、家族仲良くくらせますように…パン、パン。

と、お祈りしてきました。

ちなみに、おみくじは、私が小吉で夫は末吉でした。。 

 

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