佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

100万回生きたねこ

2011-01-18 | 雑感

「100万回生きたねこ」の話、皆さんはご存知ですか?

知ってるよ!と言う方、多いでしょうね。

何しろ180万部を超すロングセラーだそうです。

30年ほどかけて。

 

わっ!とヒットして、すっと消えてしまう、そんなベストセラーではないんですね。

 

ところが私は読んだことがなかったのです。

作者の佐野洋子さんのお名前さえ知りませんでした。(一瞬、小説家の佐野洋の子どもかと思った…汗)

 

つい最近、本屋でお目当ての本を探しているとき、ふと目にとまりました。

 

ああ、これが、昨年11月に亡くなった佐野洋子さんの絵本なのか。

どれどれ・・・

 

表紙のとらねこのチャーミングなこと!

グリーンの瞳がしっかり私を捉えました。

1ページ…2ページ…3ページ…ここまでくると、

もう私は最後まで読まずにはいられないと思いました。

 

読み終えて、買わずにはいられないと思いました。

裏の値段をちょっと見て、ちょっと躊躇しましたが、すぐにレジに向かいました。

 

どんなお話かって?

 

それは皆さん、買ってお読みください。

などと私は申しません。

佐野洋子さんの身内でもなければ、講談社の社員でもありませんから。

それに、絵本のコーナーのある図書館なら、どこにでも置いてあるでしょう。

 

それはね、題名通り、100万回生きたネコのお話なんです。

つまり100万回生きて、100万回死んだんです。

つまり99万9999回生まれ変わったんですね~

 

あるときは王様のネコとして、

あるときは船乗りのネコとして、

あるときはサーカスの手品つかいのネコとして、

あるときは泥棒のネコとして、

あるときは一人ぼっちのおばあさんのネコとして、

あるときは小さな女の子のネコとして、

大事に飼われ、とても愛されていました。

 

だからそのネコが、戦場で矢に当たって死んだり、

海に溺れて死んだり、

のこぎりで真っ二つにされて死んだり、

犬にかみ殺されて死んだり、

年老いて死んだり、

おぶいひもが首に巻き付いて死んだりすると、

飼い主は皆とても悲しみ泣きました。

でも、そのネコ自身は、泣いたことがありませんでした。

 

あるときネコは、誰のネコでもなくて、ノラネコでした。

ネコがどんな素敵なネコ人生を生きたか…

それは、やはり原文で読んで頂きたいですね。

 

そしてネコは、共に暮らした白いネコが、静かに亡くなった時、初めて泣きました。

夜になっても朝になっても泣き続け、100万回も泣き続けました。

そして、ある日、泣きやみました。

 

そう。白いネコの隣で冷たくなって、もう、けっして、生き返りませんでした。

 

 

こんなお話の絵本です。

原文を読むと、秘められたメッセージが伝わってきます。

生きることの深い何かが感じられます。

 

検索すると、エッセーもたくさん書かれたようで、その内容もある程度知ることができました。

また、佐野さんのプロフィールや作家仲間からの評や、読者の感想もたくさんありました。

 

それらを読むにつれ、私は、

佐野洋子さんと「100万回生きたねこ」が重なってきました。

 

佐野洋子さんは、100万回生きた人間で、

今回やっと生き返ることなく永遠の眠りにつけたんじゃないかな~

 

なんだか、そんな気がします。

 

佐野洋子さん、素敵な絵本をありがとうございました。            合掌 

 

コメント
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