「100万回生きたねこ」の話、皆さんはご存知ですか?
知ってるよ!と言う方、多いでしょうね。
何しろ180万部を超すロングセラーだそうです。
30年ほどかけて。
わっ!とヒットして、すっと消えてしまう、そんなベストセラーではないんですね。
ところが私は読んだことがなかったのです。
作者の佐野洋子さんのお名前さえ知りませんでした。(一瞬、小説家の佐野洋の子どもかと思った…汗)
つい最近、本屋でお目当ての本を探しているとき、ふと目にとまりました。
ああ、これが、昨年11月に亡くなった佐野洋子さんの絵本なのか。
どれどれ・・・
表紙のとらねこのチャーミングなこと!
グリーンの瞳がしっかり私を捉えました。
1ページ…2ページ…3ページ…ここまでくると、
もう私は最後まで読まずにはいられないと思いました。
読み終えて、買わずにはいられないと思いました。
裏の値段をちょっと見て、ちょっと躊躇しましたが、すぐにレジに向かいました。
どんなお話かって?
それは皆さん、買ってお読みください。
などと私は申しません。
佐野洋子さんの身内でもなければ、講談社の社員でもありませんから。
それに、絵本のコーナーのある図書館なら、どこにでも置いてあるでしょう。
それはね、題名通り、100万回生きたネコのお話なんです。
つまり100万回生きて、100万回死んだんです。
つまり99万9999回生まれ変わったんですね~
あるときは王様のネコとして、
あるときは船乗りのネコとして、
あるときはサーカスの手品つかいのネコとして、
あるときは泥棒のネコとして、
あるときは一人ぼっちのおばあさんのネコとして、
あるときは小さな女の子のネコとして、
大事に飼われ、とても愛されていました。
だからそのネコが、戦場で矢に当たって死んだり、
海に溺れて死んだり、
のこぎりで真っ二つにされて死んだり、
犬にかみ殺されて死んだり、
年老いて死んだり、
おぶいひもが首に巻き付いて死んだりすると、
飼い主は皆とても悲しみ泣きました。
でも、そのネコ自身は、泣いたことがありませんでした。
あるときネコは、誰のネコでもなくて、ノラネコでした。
ネコがどんな素敵なネコ人生を生きたか…
それは、やはり原文で読んで頂きたいですね。
そしてネコは、共に暮らした白いネコが、静かに亡くなった時、初めて泣きました。
夜になっても朝になっても泣き続け、100万回も泣き続けました。
そして、ある日、泣きやみました。
そう。白いネコの隣で冷たくなって、もう、けっして、生き返りませんでした。
こんなお話の絵本です。
原文を読むと、秘められたメッセージが伝わってきます。
生きることの深い何かが感じられます。
検索すると、エッセーもたくさん書かれたようで、その内容もある程度知ることができました。
また、佐野さんのプロフィールや作家仲間からの評や、読者の感想もたくさんありました。
それらを読むにつれ、私は、
佐野洋子さんと「100万回生きたねこ」が重なってきました。
佐野洋子さんは、100万回生きた人間で、
今回やっと生き返ることなく永遠の眠りにつけたんじゃないかな~
なんだか、そんな気がします。
佐野洋子さん、素敵な絵本をありがとうございました。 合掌