佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

2011-01-04 | 雑感

佐世保駅はJR佐世保線の終着駅である。
松浦鉄道の終着駅でもある。

だから、普通の駅よりもちょっと大きくて、構内も広い。

私はほぼ毎日のように駅の構内にあるスーパーエレナで買い物をし、
時々A3サイズのコピーが必要になると、駅構内のコンビニに走り、
メール便を利用する時は、やはり駅構内のクロネコヤマトに向かう。
銀行のATM機は並んでいるし、キオスクに行けば新聞も買えるし、
その上、マンションの玄関から駅まではほんの2,3分。
雨の降る日も、ほとんど傘なしで行ける便利さ。

私にとって駅はほんとのコンビーニエンス!という感覚だ。

 

ところがつい先日のこと。

冷たいみぞれの降る中、小走りで駅構内に駆け込むと、なんだか暖かい!

もちろん暖房はされているので、いつも構内に入ると暖かいのだけれど、
いつもと全然違う暖かさなのだ!

なんだ、こりゃ?すごく人があふれてた!
改札口の周りに、たくさんの人が立っている。

何事?

さては雪で電車がストップしたとか?
ダイヤが乱れて、ホームじゃ寒くて皆さん構内で待機中?

でも…それにしては、みんなニコニコしてる。
笑顔が輝いて、とても幸せそう!

そうか!今日は暮れの30日。
久しぶりに帰ってくる子どもや孫や夫や、友人や恋人や…そういう人を待っている人たち?

そうに違いない。

しかし、この空気はなんだろう!
駅全体にエネルギーが満ちている感じ。
土産店やキオスクやお弁当屋のおばさんまでもにっこにこ。
笑顔がこんなに集まると、周りにも幸せと元気が伝染するものなんだ。。
明るい笑い声が響き、外の寒さとはうらはらで、ポカポカ春のように暖かい。

人ごみの横を通り抜け、いつものエレナで買い物を終え、再び改札口近くに来ると、
人の波が引いていくところだった。
待ちかねた人との再会を果たし、それぞれがバス停に駐車場にと散っていた。

幼子を抱っこしたおばあちゃんやおじいちゃんの足取りは軽く、
しっかりと手を繋いだカップルは頬を上気させ、
若い女の子たちは、いつまでも笑い転げていた。

その横を通って外に出る。全然寒くない!
さっきまであんなに寒かったのに。
笑顔の感染力とその秘めたるパワーに圧倒された。

 
あれから5日目の1月3日、再び駅構内はたくさんの人であふれていた。
今度は見送りなのだろう。

人数は同じくらいいるのに、なんだか静か…
なんとなく暗い…
人垣の後ろを通っていたら、博多行き特急電車の到着を告げるアナウンスが流れ、
急にざわざわといろんな音が聞こえてきた。

キャリーバッグを引く音、最後のあいさつを交わす声、急に赤ちゃんの泣き声も…

自動ドアを抜けて外に出ると、もう中の騒音は聞こえてこなかった。
国道を走る車の音、バスのアナウンス、信号機のガイド音…いつもの音に包まれてなぜかホッとする。

見送る人たちの想いが感じられて、早く離れたかった。
今度は寂しさに感染しそうで…
迎えた時の喜びが大きければ大きいほど、寂しさもつのる。その寂しさが駅構内に漂っていた。

そういう悲喜交々を、この駅はずーっと昔から見守り続けていたんだ…

毎日のように足を運んでいる駅を見る目が、少し変化した年末年始でした。

コメント
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