佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

全面広告!

2011-01-20 | 石木ダム

1月19日、長崎新聞の9面です。

全面広告!です。 

石木ダムの必要性を検討しているこの時期に、

検討主体(=石木ダムが本当に必要かどうかの検討をするリーダー)の長崎県が、

佐世保市民と川棚町民の生活を守るには石木ダムしかないんだと言ってるんです。

決めつけているんです。 

いいんでしょうか?そんなことして。

それでは、これから検討する意味がないのではないでしょうか?

 

裁判で言えば、検討主体の県は、裁判長みたいなものです。

裁判長は公平に、原告・被告、双方の言い分に耳を傾け、証拠物件・書類なども精査して、

その結果、判決を下すわけですよね。

初めから判決を口にするような裁判長は有り得ないし、即罷免でしょう。

 

いえ、裁判に例えるのは無理がありました。

裁判長は、原告にも被告にも関わりのない第三者だから、公平に話が聞けるのですが、

今回のダム検証は、国交省の頭の悪ーい(本当は頭の良過ぎる)役人が提示した、

とんでもないシステム(検討主体がダム事業者本人という有り得ない体制)によって、

被告と裁判長が同一人物みたいになってしまうので、

これはいくらなんでも例えが悪過ぎました。

 

そう、言ってみれば、国会の衆議院議長と同じです。

衆院議長は第1党から選出されるので与党の人です。

でも、議長になった時点で所属会派を一時的に離党、無党派になりますよね。

そうして、本当は仲間である与党議員が出してきた法案や予算案を審議していくのですが、

そこでは、議長として中立な議事運営をするはずです。

少なくとも議論を尽くす前から、これは与党案のほうがいい、これしかない!などとは言いません。

 

長崎県は、その議長の立場をすっかり忘れて、

与党議員の立場でばかり物を言い、「石木ダムしかない!」と言い続けています。 

 

初めての「検討の場」が開かれた頃には、民法テレビ4局を使って、

石木ダムの必要性を5週間にわたって流し続けました。

それが、やっと終わったと思ったら、この全面広告です。 

 

テレビの放映料がどれだけかかっているか、私は知りません。

新聞の全面広告は、数百万~数千万円だそうです。

一番高い日経新聞で5000万円、

4大紙と言われる読売・朝日・毎日・産経で、2~4000万円、

スポーツ紙や地方紙では数百万円だそうです。

長崎新聞は地方紙だから数百万円なのでしょうか。

 

それにしても、その広告料は、わたしたち県民の税金です。 

県民の多くが同意しているわけでもないのに、あなた方の考えを押し通すために、

貴重な血税をどうして使えるのですか?

長崎県の行政の意識って、そんなに低いものなのですか!

「行政のトップ」とは、あえて言いません。

あのTV番組「県政チャンネル」のことを、知事は知りませんでしたから。

少なくとも12月25日までは。

土木部、中でも河川課のトップに近い方々のお考えでしょう。

 

行政の皆さん、よーくお考えになって下さい。

あなた方がお出しになった長崎新聞の今年の元旦に報道された、県内議員アンケートでは、

石木ダム推進すべしという議員は4割しかいなかったんですよ。

同じく長崎新聞が昨年の1月5日に発表した県民アンケートでは、

「必要」と答えた人が14.4%で、 「不要」と答えた人は31.2%、 なんと倍以上でした!

あなた方の論理の中では、石木ダムが必要なのでしょうが、

県民の多くはダムが欲しいと思ってないのですから、

その県民のお金を使って自己主張するのは酷いと思いませんか? 

 

私たち不要と思ってる県民は、あなた方のような打ち出の小槌は持っていません。

口コミで伝えることしかできません。

あなた方も、そんなに必要性を県民に訴えたいのなら、

私たちが要望し続けている公開討論会を開いて下さい。 

必要だと言う学者や住民と、不要だと言う学者や住民との公開討論です。

大きな会場で、多くの町民、市民、県民の前で正々堂々と議論しましょうよ。

TVでも放映して、新聞にも大きく報道してもらって、

どちらの見解が妥当なのか、より県民のためになるのか、より未来のためになるのか

考えてもらいましょうよ。

 

それをあなた方が拒み続ける限り、あなた方は逃げていると思われますよ。

やはり必要性を証明できる自信がないのだな…と思われてしまいますよ。

それでいいのですか・・・

コメント (3)
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