佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

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2011-01-07 | 雑感

春風のよう・・

その声を聞いた瞬間 そう思った

明るく澄んだ それでいて温かそうな その声の主は

「今朝 母が亡くなりました」

と告げた

 

20年ぶりに会った従妹は その声と同じように

春の匂いのする人だった

ずっと笑顔で

「お母さん」の介護の日々を 楽しげに語ってくれた

 

最後の一週間は ほとんど何も 食べず 飲まず

まさに 木が枯れるように 亡くなったという

 

病院だったら 点滴したりして

もう少し長く 生きたでしょうね

でも 延命治療はしないで! 

というのが 母の希望だったから

 

主治医も納得して

自宅での最期を 看護師である彼女に委ねた

 

居間の隣を「お母さん」の部屋とし 境の襖は開けたまま

いつも家族の目が届くようにしていた

隣室に寝起きし 夜中も1時間おきに起きて様子を見にいった

 

2011年の夜が明けるのを見届けて 

私の伯母は旅立った

 

従妹は 娘と共に 「送り人」の役目も果たした

全身を消毒し 詰め物をし 化粧を施し・・

葬儀屋が来た時はすべてが終わっていた

 

伯母は 娘夫婦 孫夫婦 ひ孫に見送られながら

煙となり 灰となった

 

やるべきことを 悔いなくやり終えた人の横顔は

ほんとうに清々しく 眩しかった

 

コメント (2)
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