歌枕『夏苅りの葦の玉江』
平成31年3月17日(日)
歌枕を追い続ける芭蕉。
歌枕となる証の古歌。
まず、後拾遺和歌集の一首。
「夏刈の 玉江の芦を ふみしだき
群れいる鳥の 立つ空ぞなき」
そして、
藤原俊成(古今和歌集)の歌。
「夏刈の 芦のかりねも あはれなり
玉江の月の あけかたの空」 。
さらに、
忠房親王の歌。
「夏刈の 玉江の芦の 短夜に
見る空もなき 月の影かな」 。
承元元年(1207)、親鸞聖人は、
越後に流されたが、その道すがら
沿道の人々に一向念佛を説かれる。
越後の親鸞聖人七不思議の一つに、
「片葉の葦」というのがあるが、
越前にも七不思議があり。
その片葉の葦は、先年までここ
花堂玉江一帯に繁茂していて、
聖人の遺跡として長く伝承されて
いる。
玉江二の橋の竣工を記念して、
有志相計り聖人の御遺徳を偲んで、
この石碑を建立したという。